![]() | ふるさと萩・長門・美祢―生活感あふれる写真でつづる決定版写真集! 保存版 |
クリエーター情報なし | |
郷土出版社 |
・森本文規
たまたま実家の近くにある図書館で見つけた本書。戦前から戦後にかけての萩・長門・美祢地方の様子を多くの写真で記録したものだ。
ただ、カラーは最初の8ページのみで比較的新しいものを写している。ほとんどの写真はモノクロであるが、紹介されているのは、この地方の風俗、風景、行われたイベント、郷土芸能、学校の様子など。今は失われてしまったようなものもあり、なんとも懐かしい思いがする。
昭和2年ごろには、秋芳洞の中に渡し舟を使って渡る場所があったとか、昭和24年には大三島にイルカの大群が迷い込んだことがあったとか初めて知るようなことも多い。
提灯ブルマの女児や丸坊主の男児が写った写真があったり、ボンネットバスが走っている写真があったりするのも時代を感じさせ、読む者をノスタルジックな気持ちにさせるだろう。
余談だが、ネットで調べてみると、本書を出版した会社は長野県にあったが、2016年2月末で閉業しているようだ。このような本はなかなか売れなくなっているのだろうが、少し寂しい気がする。
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※初出は「風竜胆の書評」です。