![]() | リーダーの一流、二流、三流 |
クリエーター情報なし | |
明日香出版社 |
・吉田幸弘
ビジネスの世界で求められるリーダーとなるために必要なものは何だろう。ここで、企業などに勤めている人は、自分の周りを見渡してみると良い。若手の方なら、上司となる人は沢山いるだろうが、その中でリーダーと呼べるような人は何人いるのか。
もちろん、リーダーと呼ばれるためには、それなりの役職が伴っていなくてはならない。本書でいう「リーダー」とはどうも課長クラスを想定しているようだ。明記はされてないものの、本書の中で、リーダーが相談するのが部長だったり、部下からの「課長も私が忙しいのはわかりますよね」(p109)といった発言が書かれていたりすることから読み取れるだろう。
しかし、単にその役職についているだけでは十分ではないのだ。できるリーダーになるためにはどのような行動をすべきか。本書にはそのためのヒントが多く詰まっているだろう。
ただ、著者が想定しているのは主に営業畑だと思われるが、社内の体制や役職などは、会社や部門によって千差万別であるため、必ずしも自分の置かれている立場には当てはまらない場合もあると思う。
例えば本書中に、部長と相談してフレックスタイム制を設けたような記載がある(p31)。最初からそのような制度が設けられているのなら良いが、これをゼロから作ろうとすると、労使対応なども必要となり、普通の会社では、とても部長程度の権限ではできない。(もっとも制度として変形労働時間制度や勤務時間のシフト制のようなものが存在していれば、課長権限くらいで勤務時間は変えられると思うが。)そういったようなところは、自分の頭で考えてうまくアレンジしていく必要があるだろう。
私も、課長やマネージャーという職位を長い間経験してきたが、果たしてリーダーとして何流だったのだろうか(笑)。
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※初出は「風竜胆の書評」です。