七日目は夏への扉 (講談社タイガ) | |
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講談社 |
・にかいどう青
主人公は、美澄朱音という駆け出しの翻訳者。姉夫婦が海外赴任中のため、その娘である姪の藤堂ひびきと二人で暮らしているが、この姪のことを溺愛している。
ある日、学生時代に付き合っていた元カレ森野夏樹が事故死する夢を見る。なぜこの4、5年一度も連絡を取ったことがなく、この1年は思い出しもしなかった森野の夢を見たのか。
ところが、そんな森野の訃報が入ってくる。朱音は、森野の死の真相を探りだすのだが、朱音の一週間は、曜日の並びが無茶苦茶になっていく。それは、森野を死から救うため。そして、朱音に魔の手が迫る。
しかし、今カレならともかく、森野は、もう何年も連絡を取ってない元カレだ。おまけのこの1年は思い出しもしなかった仲である。それがなぜ時間の流れを狂わせるような現象にまで繋がるのかよく分からない。そのあたりの説明がまったくないのである。ストーリーがあまりそんなことは気にならないくらい面白ければ、話は違ってくるのだが、そこまででもない。
☆☆☆
※初出は、「風竜胆の書評」です。