生理心理学 (放送大学教材) | |
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放送大学教育振興会 |
・岡田隆
本書は、放送大学の心理学関係のテキストの一冊であるが、通常「心理学」という名前から普通の人が連想するようなものとはかなり異なっている。
内容を一言で言えば神経科学といったところ。特に脳に関する項目が多い。通俗的な心理学の本とは異なり、一応大学のテキストだけあって、生理学や医学的な部分に重点が置かれている。だから心理学=人文系の学問だと思って取り組むとかなりとまどうことだろう。
解説されているのは、脳や神経細胞の構造と各部位の働き。そしてこころとの関係。
まえがきには、<受講生が生物系の予備知識をとくに必要とせずにこの科目の勉強を始められるよう>(p3)と書かれているが、読むにはやっぱり生物や医学の知識、特に生化学に関する知識があった方が理解が進むものと思われる。
わずか200ページ余りの本であるが、本書の内容を隅から隅まで理解しておけば、この分野における基礎知識は十分につくものと思われる。もし内容が分からなければ、調べながら読んでいけばいいだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。