主人公は、小峰りなという女子高生。りなが普通の女子高生と違うのは、「目には目を」という復讐体質なこと。なにしろ、されたことは絶対にやり返さないと気が済まない。そんなりなが夜道で背中を切られた。その時犯人が残した言葉がタイトルの「ラメルノエリキサ」という言葉。いったい「ラメルノエリキサ」とは何なのか?
この作品は、りなが「ラメルノエリキサ」の謎を解き明かし、犯人を捜すというもの。面白いのはりなの姉。なにしろ、りなが犯人に復讐を企てて逃がしてしまったときに、
「だからね、誰かを傷つけて犯罪者になるくらいなら、いっそ殺されて欲しいな。お姉ちゃん、被害者の姉の方がいいもの。もちろんすっごく悲しいけどね、そっちの方がマシ。お姉ちゃん的には。」(pp145-146)
と言っていたのに、りなが犯人宅に行ったときに、色々迷ったようだが、結局車にスコップとブルーシートを積んで迎えに来る。死体遺棄をする気満々なのだ。りなは一遍に幸せな気分になる。もちろんりなは、犯人を突き止めたが、殺してはいない。
「ラメルノエリキサ」とは意外なものだった。犯人は、文字通り「中二病」。なんだかよく分からないタイトルにそんな意味があったのかとびっくり。
面白いし、それほど厚くないので、時間をかけずに一気読みすることができるだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。