主人公は、アルファというのほほんとした女性。実はアルファはロボットで周りも皆知っている。ロボットといっても、見かけも内面も、殆ど人間と変わらない。喜怒哀楽はあるし、食事もする。違うところは歳を取らないことくらい。旅をしているオーナーの留守を守って、けなげに喫茶店を切り盛りしている。
このアルファのところに、オーナーからカメラを言付かったのが、運送屋のココネというロボットの女性。アルファは、A7M2型機で、ココネは、その後継機で普及型のA7M3型だという。
ちなみに、アルファは、ココネがロボットであることを見抜けなかった。ココネの言うことには、雰囲気や、髪の色とかで見分けるらしい。ということは、お婆さんなんかが、髪の一部を紫なんかに染めていることがあるが、実はあれはロボットだったり(笑)。ロボット同士の情報の伝達方法が面白い。なんと舌を使って行うらしい。だからココネもオーナーからのメッセージをアルファに伝える際にアルファとchuを・・・(百合や(笑))。ちなみに、ケーブルを口にくわえれば、カメラの情報を見たり、機械の操作ができるらしい。
舞台となっているのは、どんどん海が陸に侵食してくる時代。これが温暖化のせいかどうかは3巻まででは分からないが、大変な時代なのに、作品を流れる空気はとてものどかで優しい。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。