ガス会社の小さな営業所に勤めるサボり上図のお姉さん、桐切沙織と、多感な思春期の中学生二宮雄介の物語。
雄介は、お姉さんと関わってはいけないと思いながらも、彼女のペースに巻き込まれていく。そしてそこは思春期の男の子。お姉さんに対して、ちょっとした恋心も芽生えている。いやあ、青春だねえ~。
なにしろ、母親が任されている店で、お姉さんが他のお客と騒いでいると、どんどん不機嫌になり、お姉さんを店から連れ出してしまう。
初めて買ってもらったスマホで撮ったお姉さんとの2ショットを消さずに残しておこうと思ったり。
お姉さんといっしょにいて楽しいと思ったり、お姉さんのことを考えるとつい顔がほころんだり。
でも、お姉さんに、「どうして僕に構ってくれるんですか?」と聞いたとき、「かわいい甥っ子」、「子供とか好きだし」、「少年は弟」とか言われてショック。お姉さんとの電話を切ってしまう。しかし最後にお姉さんは、「最初はそれだけだったけど 今は・・・」って大事なことを言いかけてるんだけど。最後まで聞けばいいのにと思ってしまう。
思春期の少年が綺麗なお姉さんに恋心を抱く。そんな男の子の心理がよく表れていると思う。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。