文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

稲川沿いの桜

2017-04-11 11:48:43 | 旅行:山口県


 最近諸事情があり、よく実家に帰っているが、稲川という川沿いの桜が綺麗に咲いていたので、写真に撮ってきた。身の回りがあわただしいので、ゆっくり花見をする暇もないため、これが花見代わりというわけである。

 桜は稲川橋というところから上流に300mくらい続いており、なかなか華やかで良い。田舎なので、花見客もなくゆっくり桜を鑑賞しながら散策することもできる。桜が途切れるところから、少し山側に歩くと、秋芳洞との関係で有名な自住禅寺がある。

 かってこの寺を開いた寿円禅師は、旱魃で苦しむ村人たちを救うため、秋芳洞にこもって雨ごいを続けた。雨が降り出した時、禅師は、道内から流れ出ている水の中に身を投げたと伝えられている。その遺骨灰を混ぜて作ったと言われる禅師の像が、秋芳洞入り口にある開山堂に祀られている。

○開山堂の写真はこちら
秋芳洞3

○自住禅寺の写真はこちら
自住禅寺
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GOSICK BLUE

2017-04-10 21:16:31 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
GOSICK BLUE
クリエーター情報なし
KADOKAWA/角川書店

・桜庭一樹

 桜庭一樹のGOSIK新シリーズの2巻目となる本書。ヴィクトリカと久城一弥が移民として新大陸に上陸早々、彼女たちが巻き込まれた事件を描いたものだ。

 人気コミック「ワンダーガール」の作画を担当しているボンヴィアンと出合った二人は、彼の祖母で大富豪のラーカディアが、自分が所有する世界一の高層タワー「アポカリプス」の最上階で開いたパーティに出席することになる。

 ところが、何者かによってパーティ会場に爆弾が仕掛けられ、パーティ客は最上階に閉じ込められた状態になってしまう。事件が発生した際に、たまたま地下の駐車場にいた久城は、ボンヴィアンの相棒のくーどグラース、謎の紳士トロル、女性消防士メアリと共に、最上階に残されたヴィクトリカを救いに向かうのだが。

 ツンデレキャラが可愛いヴィクトリカだが、この作品でも、そのキャラを爆発させている。何しろ新大陸に上陸して早々の「絶対に働かない」宣言。一方久城に対しては、「馬車馬のように働け」との仰せ。でも、心の底では久城と深く心を通わせていることが、彼女の言動の節々から読み取れるだろう(たぶん)。

 ところでヴィクトリカたちが新大陸に渡った理由がこの巻では少し触れられている。それは久城パパのトンでもぶり。久城のために、海を渡ってきた超絶美人の貴族のお嬢様。普通なら暖かく迎えて、一弥の嫁にとでもなりそうなものだが、流石にあれはないよな。

 最後に大きな秘密がヴィクトリカによって解き明かされたとき、色々なところに伏線が張り巡らされていたことが分かる。作品中には、ボンヴィアンたちの描く「ワンダーガール」の物語が挿入されているが、これも作品中で大きな役割を果たしているのだ。

 最後に一つ疑問があるが、35歳の女って、いくら童顔だとしても15歳の少女として通用するのだろうか?20歳のサバ読み、やったことのある人はいるかな?

☆☆☆☆☆

※初出は「風竜胆の書評」です。
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暗黒女子

2017-04-09 16:49:08 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
暗黒女子 (双葉文庫)
クリエーター情報なし
双葉社

・秋吉理香子

 映画化もされた本書。主演女優が宗教生活に入ることを発表したということでも話題となったことは記憶に新しい。

 ストーリーは新会長・澄川小百合が主催する、聖母女子高等学院文学サークルの定例会の場面から始まる。この会はなぜか闇鍋形式で行われ、サークルのメンバーはそれぞれ作成してきた小説を読み上げるというものだ。
 いつもは自由にテーマを選んでもいいのだが、今回はテーマが決められている。それは「前会長白石いつみの死」。彼女は、女学院の経営者の娘であり、美しく聡明な大金持ちのご令嬢。学院の女王様的存在で、全校生徒のあこがれの的でもあったが、先般謎の死を遂げていたのだ。いったい誰がいつみの死に関わっていたのか。

 ところがメンバーの朗読する小説は、それぞれサークルメンバーの誰かを犯人として告発するような内容だったが、すべて違う人間を名指ししており、互いに矛盾するようなものだった。しかし、明らかになるのは、美しき女の園と思われたものの実情が、いかにどろどろとした暗黒で満ちていたかということだろう。

 そして、最後に小百合よって意外な真実が明らかにされる。いつみが死んだ際ににぎりしめていたという「すずらん」、そして闇鍋。こういったものが伏線となっていて、最後の一気に回収されるのだ。

 しかし、種が明かされたとき、世の中の男子諸君は、きっとこのように思うに違いない。

「女って、怖い!!」

 この作品は、女子とは「可愛らしい」ものだなどという男子の幻想を徹底的に打ち砕いてくれるだろう。端的に言えば、「イヤミス」の決定版ともいえるような作品かもしれない。でも、こんな話、男が書くと非難が殺到するかも。作者が女性だから書けたような気もしないことはないのだが・・・。

☆☆☆☆

初出は「風竜胆の書評」です。
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広島南区役所食堂(広島市を歩く149)

2017-04-06 12:23:25 | 旅行:広島県


 先般、南区役所に用があって行ったのだが、たまたま昼時だったので、地下にある食堂に行ってみた。ここに食堂があるのは知っていたが、前に行ったときは営業時間外だったので、今回が2度目のチャレンジとなる。




 注文したのが、上の写真の「天ぷらうどん」、250円なり。安い!もちろんこの値段で、海老天などは食べられるはずはなく、天ぷらはかき揚げのようなものだったが、それでも結構うまい。この他にもいろいろと安く食べられるものが沢山あるので、区役所を訪れた際には、覗いてみてはいかが?

 ただ、昼休み時間は職員で込むだろうから、少し早めに行った方が良いだろう。私も昼休みよりはちょっと早めに行ってみたので、ゆっくり食べることができた。


〇関連過去記事
札場の石の表示碑(広島市を歩く148)
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マンガ こんなに効く!英語多読多聴マニュアル

2017-04-05 10:01:37 | 書評:その他
【マンガ】こんなに効く! 英語多読多聴マニュアル
クリエーター情報なし
ベレ出版

・こいけかずとし

 本書は、通常の英語の参考書やテキストの類とは一線を隔していると言える。なぜなら、一応中学レベルの文法の解説はあるものの、本書に書かれているのは、英語が上達するにはどのようにすればいいかを解説した勉強法だからである。タイトルにある「マニュアル」というのはそのような意味だろう。

 ひとつ特筆しておきたいのは、本書は決して、学校英語を否定している訳ではない。教科書などで基礎知識をつけることは必要だが、それだけでは不十分で、多読によって英語に触れる量を増やす必要があると言っているのである。つまり、学校で教わる英語と多読というのは車の両輪のようなもので、英語を本当に身につけようと思ったら、これらをうまく組み合わせていく必要があるということなのである。

 しかし、多読しようにも、選んだ本が知らない単語ばかり出てくるようだったら、すぐにくじけてしまうだろう。だから、何を教材に選ぶかは、自分の実力を見定めて選ばなければならないのだ。本書では、レベルを0~6に分けて、どのような本を対象にすればいいのかが示されているので、読者にとっては良い参考になるものと思う。

 もっとも考えてみれば、学校以外での勉強が必要というのは、何も英語に限ったことではない。数学だって、理科だって、実力をつけようと思ったら、学校でやることだけでは不十分で、自分のレベルを見定めて、家でもどんどん学習を進めていかなければならないのだ。

 また、本書では、朗読音声の活用も勧めている。多読をする際のペースメーカーになったり、音声だけ聞いてヒアリングの練習もできるからだ。私たちが学生のころは、英語の音声を聴くというのはなかなか困難だった。せいぜいテレビやラジオの講座くらいしか、そんな機会はなかった。本当に便利な世の中になったものだ。

 ただ、多読というと、色々な本を次から次に読むというイメージがあるが、同じ本を何度も繰り返して読むという方法もあると思う。昔は英語の上達法として、同じ映画を何回も観るというものがあった。飽きが来なければ、まったく違うものを読んでいくよりは効果があると思うのだが。

(参考)私がレビューをあげた英語の作品(「本が好き!」にリンク)
Anne of Green Gables
The Casual Vacancy

☆☆☆☆

※初出は「本が好き!」です。

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カルト脱出記: エホバの証人元信者が語る25年間の記録

2017-04-03 09:58:47 | 書評:その他
カルト脱出記: エホバの証人元信者が語る25年間の記録 (河出文庫)
クリエーター情報なし
河出書房新社

・佐藤典雅

 本書は、東京ガールズコレクションを手掛けた著者が、どのようにエホバの証人の信者として育ち、どうして決別することになったかを描いた手記である。

 外の人間が取材によって書いたようなものではなく、どっぷりと教団の中に浸かっていた人間が、自らの体験を元に書き上げたものなので、その分リアリティはある。しかし、教団をカルトと断じながらも、なんだかまだ愛着のようなものを持っているなと感じられるのは私の気のせいだろうか。

 妻がまず洗脳されて信者になるケースが多いということは興味深い。これは、男女の特徴が反映されるのかなと思ったが、あまりここに突っ込むとまずいかもしれないので、やめておこう(笑)。そんな場合、夫の方はどうするのか。付き合いで信者になるか、それとも、とても一緒には暮らせないと離婚に至るかのどちらかのようだ。 離婚にまで発展した場合は、家庭は崩壊するし、どちらのケースでも一番被害を受けるのは子供たちである。なにしろ、教団活動を優先するために、大学など行かずに新聞配達でもやって生活していけと、母親から大真面目に言われるのだから。

 もちろん、そんなことをしてまともな生活ができるはずがない。手に職もなく、学歴もなく気が付いたら歳だけとっているということになってしまうのだ。待っているのは極貧の生活。そうなるともう教団から足を抜くこともできなくなってしまう。

 もっとも、宗教には多かれ少なかれカルト的な要素があるというのが私の見解だ。既存宗教も例外ではない。要は程度の問題だろう。この本で扱われているのはキリスト教系の話なのだでそこに限っていうと、聖書には多くの矛盾があるし、これまで積み重ねられてきた科学的な知見とも食い違っていることも事実だろう。それらを無視して、ただ信じろというのはどうなんだろう。

 それなのに、議論はすべて、経典の中の聖句に基づいてやらねばならない。要するに経典の絶対化だ。かって、マルクス教が大流行りだったころ、多くの人が洗脳されていたが、これも議論はすべてマルクス教から見てどうかということだったらしい。聖典へ疑問を持つことは許されなかったのだ。考えてみると空恐ろしいことだが、かぶれていた人は大まじめだったのだろう。宗教もすべて、これに似たところがある。

 私自身は、宗教には全く関心がないのだが、世の中には私が想像もできないような、こんな世界もあるのかということを知ることができ、勉強にはなった。しかし、あまり関わり合いになりたいとは思わない世界ではある。

☆☆☆☆

※初出は「風竜胆の書評」です。
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さよならセプテンバー1

2017-04-01 12:07:29 | 書評:その他
さよならセプテンバー 1
クリエーター情報なし
クリーク・アンド・リバー社

・オーサ・イェークストロム

 スウェーデン出身の女性漫画家の描く、かの国のマンガ事情。主人公は、マンガ専門学校に通うため、都会に出てきたアレックスという女性。それにしても、スウェーデンにもマンガ専門学校ってあるというのは驚きだ。

 このアレックス嬢、実家のパソコンとお金をほとんど持ち出して、ほとんど家出娘も同然に都会に出てくるのだが、専門学校で用意してくれたオンボロマンションは、男2人とのシェアハウス(そのうちの一人は、ボーイズラブ専門のバイセクシュアル)。新居で、いきなり裸の男とご対面というのは、ある意味お決まりのパターンか。

 この作品は、そんなアレックの日常をコミカルに描いている。リリアンという、ちょっと電波な友達もできた。彼女が言うには、「私はスターチャイルド」。うーん、スウェーデンにも中二病があるようだ。

 また、スウェーデンにはコスプレ大会もあるらしい。日本文化が遥か海の向こうまで広がっているというのは素晴らしい。思わず「ジャポニズム万歳!」と叫びたくなるかも・・・(笑)。

☆☆☆

※初出は「風竜胆の書評」です。
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