雨、24度、94%
大きなせんたく板がどこの家にもあったのは昭和のいつごろまででしょうか。大きな金盥にせんたく板、無くてはならないコンビでした。洗濯機が生活に入って来たことは、掃除機以上に家仕事、主婦の仕事を楽にしてくれたと思います。今では洗濯は機械任せ、一度入れたら、あのピーピーという音が鳴るまで忘れていられます。私は洗濯は仕事のうちに入らないなあとすら思います。昭和50年代初めから始まった我が家ですが、当初から洗濯機は持っていました。2槽式の脱水と洗濯2槽タイプです。2槽式は途中脱水槽に入れ替えます。しかも、すすぎの前とすすぎの後の2回です。冬は寒い水に手をつけるのが億劫に思いましたが、あの脱水槽は水切れが素晴らしく良かったものです。
私がせんたく板を買ったのは、息子が小学校に上がってからだと思います。昔の大きなものの4分の一ほど、横15センチ、縦が25センチぐらいだったでしょうか、ソックスを真っ白にしたい一心で買いました。さて、その小ぶりなせんたく板を香港の引っ越しの時の荷物に入れたかどうか、記憶にありません。木の色がだんだんと黒っぽくなって来たその様子だけは、覚えています。
先日、日本に帰った折、ふらりと入ったお店の棚の下、隅っこに2つのサイズのせんたく板が並んでいました。大きい方は、以前使っていたのと同じサイズ、小さい方は横8センチ、縦が15センチほどです。あら、と手にとってみましたが、買うつもりもありません。ところが、翌日になってもそのせんたく板が気になります。気になり出したら、いつも胸の奥でピカンと電球が灯っています。面倒な性格です。もう一度そのお店まで。やっぱり買わないことにしてお店を出ました。でも、いよいよ香港に戻る日の昼間、そのお店に直行して、小ぶりなせんたく板をトランクに詰めて帰ってきました。
湿度の高い香港です。カビを付けないように使うには工夫が必要です。大きめの丸い穴をどこか風通しのいいところに掛けましょう。
もちろん、洗濯石けんは常備されています。中国製、「白兎」。手仕事をひとつ増やしてしまいました。それでも、やはり真っ白な洗濯物はどこまでも気持ちを清々しくしてくれます。