晴れ、27度、89%
3月に57歳の誕生日を迎えたとき、沢山の方から「お元気なようで」とか「相変わらずお元気で」とか、お言葉をいただきました。よくお会いする方ならまだしも、しばらく会っていない方からもです。確かに元気です。でも、ほんとに元気だと知っているのは主人だけ、病院に行くのは年に一度、健康診断の時だけ、寝込むことも鼻水、咳ひとつしません。よくご存じないのに、皆さん「お元気ですね。」とおしゃって下さいます。
3日前、本を取りに本屋へ行きました。月に一度だけ行く本屋です。レジのおねえさん、いつも、「ご飯食べた?」と聞きます。広東語では、「ご飯食べた?」は挨拶でもありますから、いつも、「うん、」としか答えません。それが、先日は、「運動した?」と尋ねます。確かにほぼ毎朝走ります。ところがその日は朝は大雨で走っていません。このおねえさん何故こんなこと聞くのかと、初めて、「どうして?」と尋ねました。そしたら、「いつも元気だから。」とのお返事です。月に一度しか会わない、二周りも下かと思われる香港人のおねえさんにまで、元気だと言われる始末です。
元気だと言われて悪い気はしませんが、ちょっと考えてしまいました。最近、量が少し減りましたがよく食べます。ワインも減らしましたがよく飲みます。よく飲むおかげで朝までコトンと眠ります。起きると、元気よく走りに出かけます。仕事を辞めて一年半、受験生を送り出す毎年の重圧もなくなりました。強いていえば、主人の血圧をあげないように、と気遣うことぐらいです。去年から今年に掛けて、ひと月に一度は日本に帰ります。用事を片付けて香港に戻っても、一晩寝ると、元通り。はて、「元気の素」は何かしら?
やっと、夏空が戻って来た香港、朝は走ることから始まります。走っている間は、いろんな考え事がまとまる時間でもあります。いつもの顔ぶれとおはようの言葉を交わします。英語だったり広東語だったり。このおはようという言葉を交わすと、急に私の中に小さな変化が起こります。もし、パワーレベルのメーターがあれば、おはようと言う度に、そのメーターがひとつ上がります。一人名付けて、「チョウサンパワー」。チョウサンとは、広東語でおはようです。会う人ごとに、この「チョウサンパワー」をいただいて、走っています。つい先程、この「チョウサンパワー」は威力があるなと思って走っている時、はたと、私の「元気の素」に気づきました。
「元気の素」、それは「チョウサンパワー」ではありません。私に、お元気ですね、と言葉をかけてくださる、その言葉です。皆さんが、元気ですね、相変わらず元気ね、と言ってくださったその言葉が、きっと私の中に沢山蓄えられて来たのが、私の「元気の素」だと気付きました。つい、さっきのことです。皆さんありがとう。随分とたくさんこの「元気の素」が貯金されています。
今から、少しずつですが、この「元気の素」貯金を、皆さんにお返しできたらと思っています。