曇、23度、78%
先日、FBで日本の友人が、新潟の穫れたてのアジをアップしていました。群馬に住む彼女一家はお子さんが小さい時にはそのアジを釣りに行ったのだそうです。そのアジを見た途端、しまった、今年はサバ子を買い忘れていると気付いた私です。翌朝は魚屋へ直行します。やっぱり少し育ちすぎていましたが、まだまだ美味しいそうなサバ子です。
香港は沖縄より南、日本の魚屋さんに並ぶ魚とは魚の種類が違います。それでも回遊魚たちは、巡り巡ってこの辺りまで南下して来てくれます。イワシ、サンマは捕れません。アジは時折見かけますが、ゼイゴがあるからアジと思うものの、ちょっとお腹の部分が中年の方のように膨らんだ形をしています。サバだけは同じ形です。サバ、カツオは同じ形ながら、やや小ぶり、喜んで買ったはいいものの、なんとパサパサの身です。きっと暖かな水で脂っ気が抜けてしまったのではないでしょうか。
タチウオ、イシモチ、キス、タイ、サワラなどは日本と同じです。香港周りは海ですので、当然漁業はあります。エビを捕る独特な形の網を付けた船、養殖の網を張っているところもあります。西貢というところからはイカ釣りや沖の一本釣りの船も出ています。クロダイなどが釣れるようです。息子が香港にいた頃はこのイカ釣りや香港島の南でキスなどを釣っていました。香港のフェリー乗り場の近くでは、時間を持て余したおじさんたちがよく釣り糸を垂らしていました。そういえば、最近はそういう姿も見かけません。小さな背びれが鋭い魚を釣ります。どうするのかと聞くと、おかゆに入れるのだそうです。
香港では、大きくなったサバはパサパサでおいしくありません。普通サバの料理をするときは、ノルウェー産の冷凍物を使います。もう随分前のこと、このサバ子が魚屋に出ていました。サバ子はおそらく息子が初めて釣りをした時に捕った魚です。千葉県の布良、房総半島の外海に面した海で釣りました。そのサバ子を食べて以来、私はサバ子の美味しさを知っていますが、サバ子なんて魚屋には並びません。香港の魚屋で見つけたときは大喜び。今回のサバ子は12センチほど、10センチほどのサバ子は、頭ごと唐揚げにして南蛮漬けにします。臭みがなくて実に美味しいサバ子です。常時あるわけではありません。4月から5月にかけての短い間だけです。私はこのサバ子を食べると、香港、もうすぐ暑くなるなと思います。私にとってはサバ子は春告げ魚です。このサバ子を待って、もう何回目の春でしょうか。