曇、25度、90%
昔々のパン作り、パンの種を取り分けて、冷蔵庫もない中、大切に保存していたと聞きます。何の菌からできたパン種でしょうか。リンゴかな、ブドウかな。今は、イースト菌がフリーズドドライの状態で簡単に手に入ります。作りたい時にすぐ作れます。
初めてパンを焼いたのは、小学5年でしたっけ。「科学」の付録にパン作りセットが入っていました。読むと、コタツで発酵させるように書かれています。残念なことに、我家にはコタツがありませんでした。そこで、コタツのある母の友人宅にパンを作りに行きました。私よりひとつ年上の女の子もいます。書いてある通りにコタツに入れて待ちますが、一向に膨らみませんでした。何の菌だったかも忘れています。夕方まで待っても膨らまないので、膨らまない生地をオーブンに入れて焼きました。ぺちゃんこのちっともおいしくないパンで、大人たちも子供もほとんど食べなかったように思います。結局、夕飯まで食べて一日その家で遊んだことの方が、楽しかった記憶があります。
イーストを使って焼くパンは手軽です。それに、よほどのことが無い限り、少々分量を違えたって、そこそこにおいしいパンが焼けます。昔々のパン種を取っていた頃のパンはどんなパンだったのかな?と想像します。イーストの量を減らすために、実は私もよくパン種を少し残して、次のパンに加えていたことがありました。たまたま、豚まんの昔の作り方を見ていたら、「老麺」という、パン種のことが出ていました。中国でも饅頭を食べる北の地方では、この「老麺」を大事に保管していたそうです。
そこで、老麺を作ってみました。 粉と水とイーストを会わせて半日程置いてみました。これをパン生地に入れて焼きます。
初めてですから、出来るだけシンプルなパンをと思い、ハースブレッドを焼くことにしました。ハースブレッドは直焼きパンともいわれる、水と粉と塩だけで作る型に入れないパンです。
発酵途中から香る香りは、イーストだけのときと違い甘みを帯びた香りです。思ったより、膨らみも充分にでます。
切り口の目は細かく、フランスパンのように蒸気を注入して焼いたのですが、外の皮がとても柔らかです。
今、食べながらキーを打っています。香りが深く、ソフトなパンに仕上がりました。しめしめ。
この老麺を使って、しばらくいろんなパンを焼いてみましょう。