曇、27度、90%
香港、1997年の中国返還を境にして、政府官吏の宿舎が取り壊されたり、民間に賃貸されたりしました。英国からの官吏は帰国します。宿舎の必要が無くなったのでしょう。我家の近くのその手の建物は、民間に賃貸されていると聞きます。高級官吏の宿舎だけあって、山に面した静かな場所です。そんな、セントラル界隈の宿舎のひとつ、ハリウッドロードからアバディーン街に沿ってある宿舎の使い道は、あれこれ取沙汰されながら一向に決まらず空き家のまま10年近く放置されていました。上環の方へ買い物に出るときは、この横を必ず通ります。昨年、この建物を利用して香港ベースのデザインの展示場にすることが決まりました。建物をそのまま使うので、リノベイションはあっという間でした。
この官舎は、一般の官舎なので、ひとつのユニットがそう広くありません。 この一部屋一部屋に、デザイン工房が店を出しています。名付けて、「PMQ」
「LEAZER FOREVER」という展示をしますとエルメスからお手紙が来ました。場所は、ハリウッドロードの宿舎の跡地「PMQ」と書かれています。
以前中庭だったところにコンテナが積まれ、そこがエルメスの会場になっていました。革物が本来のエルメスのお仕事、革に対する思いがこの展示には現れています。
フランスから来た鞄作りの女性が、作る行程を見せてくれています。 色も種類も様々な革の展示です。2階部分には、ヤマハのオートバイに革で羽根を作ったオブジェが展示されています。 一面ガラスのこの展示室から今にも飛び出して行きそうな、ヤマハのオートバイです。
お店のディスプレイのような飾り方、 普段はお目にかかれない特注の革製品が見られます。最後は、代々のケリーバックの展示。 兎に角、見てるだけで引き込まれる革の持つ魅力と色遣いの技です。それに一つ一つが手仕事。改めて、手仕事の大切さを思います。
この宿舎の建物を残したわけがよく解りました。2階から降りる時階段を使いました。おそらく人が住んでいたときは、この階段しか上り下りの手段がなかったと思います。途中、 明かり取りの素敵な窓です。この向こうの緑は、私が好きな道のひとつ城皇街です。フレンチのレストランも入っています。
今月の28日まで、朝11時にオープンです。入場無料。
観光で、文武廟にお越しの際は、ちょっと足を止めてみてください。香港の一面がご覧になれます。