チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

チクチク 始めました

2014年09月13日 | クロスステッチ

雨、27度、95%

 私のブログのタイトルは、チクチクテクテクです。テクテクは、毎日、否が応でもモモさんと朝夕出かけます。実際にはテクテクではなく、チンタラチンタラとみえるそうです。モモさんの行くままにチンタラチンタラ。

 ところが、チクチクは年に1度か2度しかしません。主人のズボンの当てをチクチク、裾上げをチクチクではなく、クロスステッチです。クロスステッチ用の大きな枡の刺繍布に刺すものなら、こんなに長く興味を持っていられなかったかもしれません。私が刺すのは小さな目の麻布です。この穴9点で、ひとつの枡と想定しながら刺していきます。このデンマークのクロスステッチが日本に紹介されて以来始めましたので、かれこれ30数年。刺した数は家にあるもの以外にも、人に差し上げたものもあり、さて、どれくらいでしょうか。

 麻布を木枠に張ります。 今回はかなり大きな作品ですので、横40センチはある四角い木枠を使います。上下を横棒に仮縫いして、クルクルと回してスライドさせながら使います。この木枠、なかなか見つからないそうです。どこのものかは知りませんが、香港に来て間もなく、イギリス人のおばさんが一人でひっそりとやっていた手芸店で買い求めました。香港島南のスタンレーの村はずれ、なんであんな場所でお店をしていたのか、不思議です。珍しい刺繍の図案も沢山ありました。ところが土地開発にかかったそのお店、次の月で閉めるとおっしゃいます。慌てた私は、四角い木枠大小2つに、沢山の図案を買い込みました。木枠ばかりは出何処が明らかではありません。木枠にピンと麻を張ると、気持ちが緊張します。この瞬間が大好きです。

 糸は、デンマークのギルドから出ている花糸を使います。 花糸、自然素材の染料で染めているかと思っていたら、このデンマークのクロスステッチを世界に広めた、ゲルダベングトソンが花の刺繍で有名なので、花糸と呼ばれるようになったそうです。数年前から花糸を作る会社が変わりました。糸は染めるお釜が変わると、色が微妙に違います。ロットの違いと言いますが、以前の会社の色よりやや鮮やかな糸に変わって来ました。この缶に入っているのは全て古い糸です。

 私はほとんど、ゲルダベングトソンの図案を使いますが、今回は別の人の図案です。何を刺すかは、内緒。これを刺し終えるのにどれくらいかかるでしょうか?この刺繍と辞書を見る時だけは、眼鏡が必要になって来ました。刺繍をずっと続けたい、本をずっと読んでいたい一心で、目を大事にして来たつもりですが、やはりいいお歳ですから、眼鏡のお世話になります。この作品、期日があります。皆さんにお見せするのは、ずーっと先になりそうです。

 針を持つと、気持ちが納まります。音楽もかけません。ビデオも見ません。ただ、私が座り込むと、モモさんがこれ幸いと、膝の間で昼寝を始めます。聞こえるのは時計の音とモモさんの寝息だけです。さあ、夕方のテクテクに出かけようと立ち上がるとき、いけません、10キロ近くのモモさんのおかげでしびれが切れています。

 じっとして、手を使う仕事は根を必要とします。時々、この根が底をつきそうになりますが、ひと針ひと針に気持ちを込めて、長い仕事が始まりました。

コメント (3)
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