チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

紫のキノコ

2015年06月02日 | 香港

曇り、28度、85%

 高温多湿の空気の塊、想像できるでしょうか?家のドアを開けた途端にその空気の塊の中に突入します。家の中は、除湿器とクーラーが廻っていますから快適です。我が家のモモさんですら、玄関のドアを開けるとそこで一瞬ひるんで立ちすくみます。この暑さの中をトイレのために外に出るかを考えているかのようです。

 私だってこの暑さの中、雨も降りそうだというのに山に行くのはね、と躊躇します。毎月一日の山登り、心に秘めた思いがあって上ります。その事を考えると、すっと腰が上がります。

 山に入ると、年寄りたちがトツトツと山を上がる姿が見えます。私など月一回ですが、毎朝毎朝こうして山の上り下りをする年寄りたちです。私だってこの山に来はじめた頃からすれば30年ほど時間が流れていますから、以前に比べればポトポトと歩いているに違いありません。月一の私の顔を覚えていてくれて、話しかけてくれるおじいさん、おばあさん、急ぐ事はありません、霧のかかった山の頂まで一歩一歩歩めばいいのです。

 香港の人はある意味、陽気です。大きな声で、シイタケ、と言って手招きしてくれます。えっ、紫芋みたいなものが草むらに。 誰かが捨てて行った紫芋から芽が出たのだろうと思います。よく見ると、やはりキノコです。芋の皮のような傘の下には太い紫色の石付きが見えてます。この近くに3本。シイタケと叫ぶのに決して触ろうとも採ろうともしませんから、一応キノコは危険と知っているようです。傘の直径6センチほど、高さは10センチ足らずですが大きなキノコです。

 このキノコを見て、ふと昔は赤や金色のキノコが香港にはあった事を思い出しました。雨が長く降った後には何処にでも見られたキノコが、最近とんと姿を消しました。どうしてかな、菌が死滅したのかななどと考えながら歩きます。私の山登りの最後は600段近い石の階段です。昨日上からおりて来たおじさんが599段だと教えてくれました。その階段の脇にも、 キノコです。5月は雨が多かったから、どれもこれも大きく育っています。お日様が照とすぐに萎れてしまいます。階段を上り切る少し手前で、 小さな花が出迎えてくれました。山頂に上がっても、ビクトリア湾も南シナ海も霧でなんにも見えません。微かな風を感じながら下りました。

 赤や金色のキノコの事が頭を離れません。先程走りながらやはり考えています。この辺で見かけたのになあ、もう数年、赤や金色のキノコを見ていません。思い当たる事が一つ、香港は岩盤で出来ているので地震は少ないのですが、土砂崩れの被害は大きいものがあります。そのため、斜面という斜面をコンクリートで固める工事が香港中でなされています。特に香港島です。アスファルトの道にコンクリートで固められた斜面の中を、毎朝走っています。この護岸工事のために土が無くなったので、キノコたち姿を消したのだと思います。

 紫のキノコ、名前が判明しません。少し不気味なキノコです。

 見出し写真は、フランジパニ、プルメリア、インドソケイと色々な名前を持つ香りのいい花です。山から帰ると、主人が朝の散歩の時に拾って来てくれていました。キノコで始まった6月です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする