チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

HUG 

2015年06月15日 | 日々のこと

雨、29度、84%

 「HUG」、そうです、あの抱きしめるハグ。先日、道でバッタリであった古い顔見知りのインド人女性に「久しぶり!」と言いなが思わずハグしてしまった私です。縦も横も私より遥かに大きな彼女に抱き付いたという方が正確です。インドから香港に来たばかりだった彼女に、朝夕の散歩の時に声をかけるようになったのはもうかれこれ6,7年前の事でした。一年ほどでばったりと会わなくなりました。香港、人の出入りが多い所です。インドに帰ったのか他の国行ったのか、真っ白なリュックを背負った彼女の姿を懐かしんでいました。香港で仕事に就いたそうです。散歩をしている時間が無くなったのだとか、初めて電話番号を交換して別れ際、大きな彼女が包み込むように私をハグしてくれました。

 私のハグの記憶で忘れ難いものが一つあります。広いグリーンのど真ん中、声も揚げずボロボロ泣く私をじっとハグしてくれた人がいます。私よりも20以上若い中国人の女の子でした。キャディさんです。朝からずっと一緒のキャディさん、私がボールも2重に見えるほどに目に涙一杯な理由を、言葉は分からなくても感じてくれていたのでしょう。涙が流れ始めると、側に来て抱いてくれました。何一つ言葉はありません。その彼女の日なたの匂いと優しさだけがその時の慰めになりました。ゴルフの勝ち負けで泣いたのではありません。一緒に廻っていたのは主人一人です。名前も忘れてしまいました。ただ、彼女が私の背中に回してくれた手の重みがしっかり感じられます。

 私の住む一帯は西欧人も多いので、外に出れば男の人も女の人も挨拶代わりにハグしています。極々自然な感じです。東洋人の私、ハグは少々照れくさい、それになんだかねと思っていたのですが、最近、思わず手を広げてハグしてしまいます。嬉しい時ばかりか、最愛の祖母を亡くしてタイに帰る我が家のお手伝いさんを見送った時も、彼女をずっと抱きしめていました。

 ポルトガルからロンドンまで同じ飛行機になった旧知イギリス人のアイリーンさんご夫妻、ヒースロー空港でお別れです。乗り換えのために別のロービーに向かう私たち、別れの挨拶を交わします。またお目にかかれるはずです。さあ、いよいよさようならという時、背の高いMr.アイリーンが腰を折ってこの小さな私の両頬に軽くハグしながら挨拶してくれました。

 西欧人のハグも、挨拶ばかりでないこともあると思います。激しいハグもあれば、フェザータッチのハグもある、東洋人に比べるとその頻度は全く違います。男性女性として考えれば、男性側から差し伸べるハグ、どうも日本人男性、ハグが非常に苦手ではないかしら。女性は受ける側ですから、自然にしていればいいのですが、差し出す男性、日本人の男性は自然体になれないように思います。これもお辞儀と同じ挨拶、習慣の違いですから、慣れでしょう。お互いの体との距離感が近くなりその間の空気がギュッと圧縮されるだけで何かが伝わって来る、言葉はなくても人と人のふれあいです。

 小さな私のハグは、どうも端から見るとくっ付き虫のように見えるかも知れません。

コメント
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