晴れ、29度、84%
恥ずかしい事に、星野富弘さんとい方がどういう方なのかを知らないでいました。大学卒業後、高校の教師になられた星野さんは、クラブ活動の練習中に大けがをなさって、以来手足が不自由になられたそうです。それを機に、なんと口で筆をくわえて絵を描く、文を綴って来たとの事。その星野さんが描かれた赤い朝顔の便箋と封筒を私にお土産と言って主人に托してくれた方がいました。
主人の会社のTさんです。Tさん、出張で香港にみえた時には我が家にも泊まられました。その後、香港、深圳駐在となられてからは、よくご飯もご一緒にしました。主人の会社の方の中で一番我が家においでになった方です。気心も知れています。10年ほど前、ご結婚なさってお子さんが出来てからは、お会いする機会も少なくなりましたが、お顔を見れば懐かしくなります。そんなTさんからのお土産です。
便箋封筒、手紙好きの私にとっては何よりのお土産。しかも水彩の赤い朝顔の絵です。「富弘花だより」と書かれています。裏を見ると群馬県みどり市にある美術館の物です。群馬?今、Tさんは、上海勤務です。主人の話では、Tさん群馬に出張の時、散歩をしていてこの美術館に出くわしたのだとか、そこで、求めて下さった朝顔の便箋と封筒です。
昨日は、この星野富弘さんの事を調べてみてとても深い印象を覚えました。お写真の星野さん、手足がご不自由だとは思えないほど明るい表情です。口で筆をくわえて絵を描く、思うようにならないのではと思います。それなのになんと繊細な花でしょう。
一本の茎が
一本の棒を登って行く
棒の先には夏の空
私もあんなふうに登って行きたい
絵に添えられた詩です。香港も野生の朝顔がそろそろ咲き始めますが、丹精に育てて支柱を立てた朝顔のつるが、朝見る度に上に上に登って行く様子は、日々の励みになります。今年は友人数人が朝顔を育てています。彼女たちの写真のアップが楽しみな毎日です。
出張で初めて訪れた町の美術館、そこで、私のために夏らしい封筒と便箋を選んでくれたTさん。星野さんの明るい笑顔とともに、私に元気を届けてくれました。
今ちょっと思ったのですが主人の会社のお若い方、皆さん、私を「下川さんの奥さん」とお呼びになりません。なぜか「真奈さん」です。そんな小さい事に心が温まります。Tさん、ありがとう。