晴れ、29度、86%
今年の香港の市場の魚屋さん、嬉しいほどに桜鯛が並びます。かなり姿の大きいものから、南蛮漬けによさそうな小さい物まで。もちろん地元の魚です。香港近海を泳ぐ魚ですから、時には油、きっと船の重油かなにかが匂うこともあります。そんな苦い経験をしてもやはり、桜鯛を見ると買わずには置けません。以前は随分安かった鯛ですが、これだけ世界中の料理が食べられる町ともなると、需要が多くなったのか、いい値段で売られています。
一昨日は、一人息子の37回目の誕生日でした。家庭を持ち、子供の成長を楽しみにしている息子です。とはいっても、私たちにとっては子供です。お誕生日おめでとう。桜鯛一匹の鯛めしを夕飯にと思っていたのですが、市場の魚屋さん、私が納得いく鯛がありませんでした。そんなわけで、昨晩鯛めしを炊きました。
我が家の土鍋にはちょっと大き過ぎるように見えますが、鯛好き3人にはちょうどの大きさです。はい、モモさん、きりきり舞いするほど鯛が好きです。臭みをとるために、しっかりとお酒をふって炊くだけですから、見た目の割には簡単料理です。
以前、友人が焼いた鯛で作るといいよと教えてくれました。まだ試していませんが、きっと焼き目が付くと、香ばしさが加わると思います。切り身で作っても鯛のうまみがご飯に移って、美味しいはずです。丸のまま一匹は見た目の豪華さと骨から出て来る美味しさを鯛からもらいます。余す事なくとは、正にこの事。ご飯が終わると、骨だけが残りました。味付けもお腹に塩を少しと、淡口醬油をちょっぴり。こうすると、魚本来の美味しさ、邪魔されない旨味が味わえます。
息子が生まれて、息子の成長とともに私たち夫婦も成長してきました。この2、3年は、この息子の誕生日は我が家の歴史を振り返るに日になりました。日本にいる息子家族、息子にお嫁さんに孫。3人の事を思いやりながら、「よくここまでやって来たね。」と振り返る記念日です。
一匹の魚を料理すると必ず私が最後にする事、 魚の耳石をとります。この桜鯛、思ったよりも小さな耳石でした。お魚の骨のような物ですが、不思議な事にちっとも魚臭くありません。大事に瓶に仕舞ってあります。さあ、しばらくは鯛が食卓にのぼる日が増える事でしょう。