蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

当世お葬式事情

2010-02-07 | 時事&世の中
電車をいくつも乗り継ぎ、ミニ旅行。
行き先は、親戚のお葬式。

式が始まる前に、何メートルもありそうな大きなモニターで、
故人の生前のお写真がエピソードとともに、映し出される。
故人をほとんど知らない(私のような)人には、とてもわかりやすい。
いつか見た、子どもの幼稚園の卒園式か、親戚の結婚式の時のようだ。
経歴が、しっかりわかる。
出身校など、学歴、初めて知った。
これ、個人情報だけど、お葬式自体が究極の個人情報セレモニーだから、それでいいわけか・・・。
家族が提出した写真をスキャニングし、編集してあるようだが、
いい面だけをチョイス、クローズアップし、人生の最後を飾る。

ちょっと不思議だったのは、喪主のご挨拶。
葬儀屋さんが、代理で挨拶、弔辞を述べた。
「御遺族の方々は、色々、ご心労などで落ち着いた時間をお取りになれないので、
喪主様に代わりまして、ご挨拶させていただきます。この度は、お忙しい中・・・」

えっ???
こんな挨拶まで、代行?
葬儀での挨拶は、緊張もするし、バタバタするなかで、内容を考えるのは、大変だろうし、
公の場での挨拶に慣れている人など、ほとんどいない。
詰まりながら、カンニングペーパーを見つつ棒読みになりながら、声をふるわせ、緊張しつつ、
下手でもなんでもいいから、喪主、ご家族の生の声が聞きたかった。
中には、即興で、亡くなるいきさつやエピソード、死の直前の様子を語る方もおられる。
そんな、アドリブや、臨場感あふれる気の利いたものでなくてもいいから、
せめて、それぐらいは、自分の声で伝えてほしかった。
あれも、サービスの一環?
上、中、下、どれかのランクを選ぶと、自動的についてくるのか、はたまたオプションで追加されたのか?

弔電。
衆参両院国会議員、地方議員、地方行政お偉方・・・。
議員の皆様は、こうやって、日頃の地域票を地道に獲得しているのか?
お葬式は、絶好のPRの場。
秘書が手配する、戦略の一つ?慣わし?だろうけれど、小まめにご苦労さま。
地引網で、根こそぎごっそり、有権者の票、持って行けるかな?

僧侶たちの読経と、細く長く鳴り響くシンバルをBGMに、葬儀は粛々と行われていく。
(つづく)