私が受けている社交ダンス・グループレッスンの先生は、味のある方。
ご主人も個人レッスンプロだ。
ご本人も、お若い時はご主人とプロで活躍されていた。
これまでにも、プロを何人も育てられている。
「贈り物なら品物はいらないから、金券か現金でお願いしますね。」
さらりと笑顔でそう言う先生。
私は、「そう、そう、その通り!!確かにそう!!」と心の中で、大共鳴。
一昨日のレッスンでのこと。
同じグループレッスンの生徒さんの男性、Kさんが、ダンス・パートナーを求めている様子。
彼は、あるとき見たダンスシーンに衝撃を受け、いつかは自分もああいうふうに踊りたい、
と強く思ったそうだ。
まさに自分の夢の理想図だと感じたらしい。
それが、今、習っている「クィック」という種目で、とてもアップテンポのカッコイイもの。
そのダンスは彼のダンスを始めるきっかけとなった、原風景としてのダンス。
パートナーがぜひ、欲しいと、切に思うようになったのもよくわかる。
Kさんは、上手くなりたい一心で、グループレッスンの他に、個人レッスンも受けられているようだ。
そこで、先生。
「そんなにKさんが、真剣に取り組もうという意思がおありなんだったら、
パートナーを紹介してあげましょうか?」
「ただし、Kさん、お金ある?」
「今からKさんは習おうとしているんだから、
パートナーと一緒に習って上達して行くには相手の分のお金も出さないと、
誰が、まだまだダンス初心者のKさんに、自腹で着いてくる?
レッスン料、ドレス代、パーティ費用、全部Kさんが出さないとあかんね。
パートナーは、そこそこダンスのできる人なら、なおさらやね。」
「そりゃあ、もしKさんに、ダンスの実力があるんなら(ダンスを習得しているなら)、話は別。
ほっておいても、相手はKさんにお金がなくても着いてくるけれどね。
相手は、上手になろうとして、Kさんの力量に着いてくるのよ。」
グループの誰かが
「Kさんの愛と魅力で、女性を引きつけたらどう?」と、一声。
すると先生は、真顔で言った。
「愛で着いてくるのは、30才まで。
実力か、お金。どっちかがないと、愛だけではだめ。愛を育てるには、お金がいるのよ。」
「お金さえ払えばオンナはついてくる。
40越えると、愛なんかいらないの。お金をちょうだい。」
これは、ダンス・パートナーを探して、うまくなろうと向上心に燃えるKさんに、
酸いも甘いも噛みしめてきた、ベテラン先生からのアドバイス。
いやー。全くそのとおりです。
女性の気持ちを完璧に代弁してくれてます。
愛もお金も力量もあれは、鬼に金棒だけど。
夫婦でコンペを闘っているペアも、競技の後、男性が女性を殴っている光景を見るけれど
あんなことまでしてやるのは、どうかと・・・先生は、顔をゆがめる。
なるほどね。確かに。
男性が殴るのは、よくない。
でも、社交ダンスは、ルール的に、女性は従うポジションなので、複雑なところだ。
しかし、逆に、私が自分の向上のために男性のダンス・パートナー(リーダー)を求めるなら、
当然、下手な人は不必要。
先生に多額のお金を払って、手ほどきしていただくことになる。
そして、目標のコンペなり、デモなりに臨むことだろう。
お上手な女性でも、すっかりリタイアした後には、片手間にボランティア精神で、
お相手してくれることがあるかも知れないけれど。
ボランティアの人に、熱のこもった練習や、コンペやデモなどの、
自分のハイテンションなペースを押しつけるわけにはいかないだろうし。
リタイアしていない、現役バリバリの女性なら、初心者との接点は???
やはり、「お金」は、共通言語のようなもので、暗黙のルールを保つ、合理的手段のようだ。
なにをするにも、ある程度のところに到達するには、時間、努力、熱意もさることながら、
お金がものを言うようだ。
(日本舞踊のところでも、同じことを言っているような・・・たどり着くのは、同じ結論??)
そうできる人と、できない人、あきらめない人、あきらめる人、
年齢や、やる気、個人個人の選択によって違ってくるようだ。
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あらっ、これ、なにかしら?
クリックしてみたら、どうなるんでしょう?