雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

見るにことなることなきものの

2014-09-19 11:00:28 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第百四十七段  見るにことなることなきものの

見るにことなることなきものの、文字に書きてことごとしきもの。
覆盆子。鴨頭草。水茨。
蜘蛛。胡桃。文章博士。得業生。
皇太后宮権大夫。楊梅。
いたどりはまいて。「虎の杖」と書きたるとか。杖なくとも、ありぬべき顔つきを。


見た目には大したことはないが、文字に書くと大げさな感じのするもの。
いちご。つゆくさ。みづふぶき。
くも。くるみ。もんじゃうはかせ(大学寮に属する詩文、紀伝の教授。定員一名)。とくごふのしゃう(大学寮の修了者から選ばれる研究生。定員二名)。
くわうたいごうぐうのごんのだいぶ(特に字面が長く大げさ)。やまもも。
いたどりは特に大げさです。「虎の杖」と書くとか。虎は杖などなくても、平気な顔をしていますよ。



大変わかりやすい内容です。文字の難しさは別にしてですが。
最後の部分、とても機知に富んでいると思いますが、少納言さま、虎は見たことがないと思うんですよね。
コメント
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