枕草子 第百五段 いひにくきもの
いひにくきもの。
人の消息のなかに、よき人の仰せ言などの多かるを、はじめより奥まで、いひにくし。
恥づかしき人の、物などおこせたる返りごと。
おとなになりたる子の、思はずなることを訊くに、前にてはいひにくし。
口に出しにくいもの。
人の手紙の中に、尊い方の自分への仰せ言などがたくさんあるのを、はじめから終りまで、ちゃんと取り次ぐのは、言いにくい。
立派なお方が、贈り物などしてくれたものに対するお返し。
成人したばかりの子が、思いがけない出来事について質問するのですが、人前では口に出しにくいものです。
「人の消息・・・」の部分は、解釈の仕方が別れているようです。
ここでは、「自分に対する仰せ言がたくさんあり、全部正確に言うと自慢たらしく、また言葉遣いが尊大になるので言いにくい」としましたが、
「仰せ言が多い場合、他の人に全部を正確に取り次ぐのが難しい」という解釈もあるようです。
最後の部分は、少納言さまが「母親の顔」を見せた部分なのでしょうか。
いひにくきもの。
人の消息のなかに、よき人の仰せ言などの多かるを、はじめより奥まで、いひにくし。
恥づかしき人の、物などおこせたる返りごと。
おとなになりたる子の、思はずなることを訊くに、前にてはいひにくし。
口に出しにくいもの。
人の手紙の中に、尊い方の自分への仰せ言などがたくさんあるのを、はじめから終りまで、ちゃんと取り次ぐのは、言いにくい。
立派なお方が、贈り物などしてくれたものに対するお返し。
成人したばかりの子が、思いがけない出来事について質問するのですが、人前では口に出しにくいものです。
「人の消息・・・」の部分は、解釈の仕方が別れているようです。
ここでは、「自分に対する仰せ言がたくさんあり、全部正確に言うと自慢たらしく、また言葉遣いが尊大になるので言いにくい」としましたが、
「仰せ言が多い場合、他の人に全部を正確に取り次ぐのが難しい」という解釈もあるようです。
最後の部分は、少納言さまが「母親の顔」を見せた部分なのでしょうか。