枕草子 第百六段 関は逢坂、須磨の関
関は、
逢坂、須磨の関。
鈴鹿の関、岫田の関。
白河の関、衣の関。
直越えの関は、憚りの関に、たとしへなくこそおぼゆれ。
横走りの関、清見が関、見る目の関。
よしよしの関こそ、「いかに思ひかへしたるならむ」と、知らまほしけれ。
それを、勿来の関といふにやあらむ。逢坂などを、さて思ひかへしたらむは、わびしかりなむかし。
関は、
逢坂、須磨の関。
鈴鹿の関、くきたの関。
白河の関、衣(衣川)の関。
ただこえの関は、はばかりの関に、全く正反対という感じです。
横走りの関、清見が関、見る目の関。
よしよしの関こそ、「(逢えなくても、まあいいさ、という意味として)どうして思いとどまったのだろう」と、そのわけを知りたくなる。
そういうのを、なこその関というのでしょうか。(な来そ、すなわち来るなと言われたので、「まあいいさ」となった)
男女が出会うはずの、逢坂などを、そのようにして思いとどまるのは、辛いことでしょうねぇ。
前半部分は、歌枕や物語などでよく知られたものが列記されています。
後半部分は、少納言さまお得意の駄洒落教室のようです。
もちろん、いずれも勝手に付けた名前ではなく、実在していたものです。(よしよしの関は未詳のようです)
関は、
逢坂、須磨の関。
鈴鹿の関、岫田の関。
白河の関、衣の関。
直越えの関は、憚りの関に、たとしへなくこそおぼゆれ。
横走りの関、清見が関、見る目の関。
よしよしの関こそ、「いかに思ひかへしたるならむ」と、知らまほしけれ。
それを、勿来の関といふにやあらむ。逢坂などを、さて思ひかへしたらむは、わびしかりなむかし。
関は、
逢坂、須磨の関。
鈴鹿の関、くきたの関。
白河の関、衣(衣川)の関。
ただこえの関は、はばかりの関に、全く正反対という感じです。
横走りの関、清見が関、見る目の関。
よしよしの関こそ、「(逢えなくても、まあいいさ、という意味として)どうして思いとどまったのだろう」と、そのわけを知りたくなる。
そういうのを、なこその関というのでしょうか。(な来そ、すなわち来るなと言われたので、「まあいいさ」となった)
男女が出会うはずの、逢坂などを、そのようにして思いとどまるのは、辛いことでしょうねぇ。
前半部分は、歌枕や物語などでよく知られたものが列記されています。
後半部分は、少納言さまお得意の駄洒落教室のようです。
もちろん、いずれも勝手に付けた名前ではなく、実在していたものです。(よしよしの関は未詳のようです)