枕草子 第百二段 はるかなるもの
はるかなるもの。
半臂の緒、ひねる。
陸奥国へいく人、逢坂越ゆるほど。
うまれたる乳児の、おとなになるほど。
はるかに遠いもの。
半臂の緒(ハンピのオ・袖のない短い衣で、それにつけられる緒は一丈二尺もの長いものであった)を、ひねるの。(その緒は、縫い合わさず、ひねり合わせたものらしい)
陸奥へ向かう人が、まだ逢坂の関を越えたばかりのころ。
生まれたばかりの乳飲み子が、大人になるまでの間。
前途遼遠なるもの、といった感じのものなのでしょう。
「半臂の緒」がどんなものかは分かりませんが、ひねり合わせて仕上げるのが大変だったのでしょう。そう考えますと、あとの二つも分かりやすい内容です。
ただ、この三つで代表させることに何か意味があるのかどうか分かりません。
研究者によっては、前段の昇進云々の話から、内侍という地位が、少納言さまにとって「はるかなるもの」であることからの連想と考えられているようです。ちょっと、切ないですよね。
はるかなるもの。
半臂の緒、ひねる。
陸奥国へいく人、逢坂越ゆるほど。
うまれたる乳児の、おとなになるほど。
はるかに遠いもの。
半臂の緒(ハンピのオ・袖のない短い衣で、それにつけられる緒は一丈二尺もの長いものであった)を、ひねるの。(その緒は、縫い合わさず、ひねり合わせたものらしい)
陸奥へ向かう人が、まだ逢坂の関を越えたばかりのころ。
生まれたばかりの乳飲み子が、大人になるまでの間。
前途遼遠なるもの、といった感じのものなのでしょう。
「半臂の緒」がどんなものかは分かりませんが、ひねり合わせて仕上げるのが大変だったのでしょう。そう考えますと、あとの二つも分かりやすい内容です。
ただ、この三つで代表させることに何か意味があるのかどうか分かりません。
研究者によっては、前段の昇進云々の話から、内侍という地位が、少納言さまにとって「はるかなるもの」であることからの連想と考えられているようです。ちょっと、切ないですよね。