天神のお告げ ・ 今昔物語 ( 巻24-28 )
今は昔、
天神(菅原道真)がお作りになった詩がある。
『 東行西行雲眇々 二月三月日遅々 』
( トウコウサイコウ クモビョウビョウ ニガツサンガツ ヒチチタリ )
この詩を後世の人は愛でてよく朗詠するが、その読み方を知っている者はいなかった。ところが、[ 欠字あり。人名が入るが未詳。]という人が、北野天神の社前に参詣して、この詩を詠じたところ、その夜の夢に、気高く尊い方が現れて、「そなたは、この詩をどのように読むのか心得ているのか」と尋ねた。恐縮して、知らない旨をお答えすると、
『 とさまに行き こうさまに行き 雲はるばる、 きさらぎやよい ひうらうら 』と読むべきである、とお教えになった。夢覚めて後、礼拝して退出した。
天神は、昔から夢の中で、このように詩をお教えになることが多かった、
となむ語り伝へたるとや。
☆ ☆ ☆
今は昔、
天神(菅原道真)がお作りになった詩がある。
『 東行西行雲眇々 二月三月日遅々 』
( トウコウサイコウ クモビョウビョウ ニガツサンガツ ヒチチタリ )
この詩を後世の人は愛でてよく朗詠するが、その読み方を知っている者はいなかった。ところが、[ 欠字あり。人名が入るが未詳。]という人が、北野天神の社前に参詣して、この詩を詠じたところ、その夜の夢に、気高く尊い方が現れて、「そなたは、この詩をどのように読むのか心得ているのか」と尋ねた。恐縮して、知らない旨をお答えすると、
『 とさまに行き こうさまに行き 雲はるばる、 きさらぎやよい ひうらうら 』と読むべきである、とお教えになった。夢覚めて後、礼拝して退出した。
天神は、昔から夢の中で、このように詩をお教えになることが多かった、
となむ語り伝へたるとや。
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