マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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白土の新仏のタナ

2012年10月10日 06時46分05秒 | 大和郡山市へ
白土町の新仏の家では7日の盆入りから新仏のタナを祀っている。

かつての「タナ」は竹とコモ(薦)で作られていた。

四方を竹で本組をして上部に位牌を納める。

刈ってきたコモで覆って下部にオガラのハシゴを掛けていた。

祀る場所は南側の縁側で東向きに建てたという新仏の「タナ」はおよそ30年前まであったという講中のU氏。

その後においては斎壇形式のタナになった。

「タナ」の上段には「オヤシロ」とも呼ばれる家型の「ヤカタ」。

その内部に位牌を納めて、白い木で組んだハシゴを掛ける。

かつては手作りだったが、現在はお店で購入しているという大人の念仏講中のT家。

ご厚意で記録の写真を撮らせていただいた。

タナのヤカタは大和郡山市の城下町にある柳町の「スシヤ」や天理市櫟本町の「シラツチヤ」で購入していると話す。



N家の婦人もそう云っていた新仏の家は子供の念仏講、大人の念仏講とも白土特有の形をした白い吊り燈籠を吊るす。

同町特有の吊り燈籠の形は多少の違いが見られるものの、十津川村の大踊りで飾られるキリコトウロウ(先祖の霊とされる)や川上村高原での法悦祭に祭られるキリコドウロウの形に似かよっている。

お盆を終えた15日には焼却される吊り燈籠。

昨年が新仏の家だったN家は故人を偲んでそれを残しておきたいと語っていた。

その思いは願いが叶って奈良県立民俗博物館に寄贈された。



それは夏秋の企画展に合わして玄関ホールで展示された。

(H24. 8. 7 EOS40D撮影)
(H24. 8.11 SB932SH撮影)