マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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菅生の新盆(タナ)参り

2012年10月17日 06時50分26秒 | 山添村へ
山添村菅生で行われる初盆のN家。

地区では2軒の新盆があった。

いずれもガキダナのカンゴを設えていたN家の親戚筋だ。

両家で行われる新盆のお参りは同一時間帯。

以前は夕刻であったそうだが今回は午後の時間帯。

ご紹介をいただいて新仏を祀るタナを拝見する。

座敷の廊下に設えたタナはヒノキの葉(ヒワダ)で覆っている。

それはイケガキ(生垣)だと話す当主。

竹は新しい竹で作った。

古い竹は「こわけて(砕ける)しまう」と云って柔らかい新竹を用いる。

位牌や遺影を中央に置いたタナの膳。

オハギ、ゴハン、煮もの、汁椀などを供える。



その間にはハシゴを掛けている。

回数に限りはないが、供えたお茶が古くなれば捨てて新しいお茶に入れ替える。

掛軸を掲げる家もあるというが当家にはそれが見当たらない。

家のあり方は様々だが、ウチワ(身内)とされる親戚筋が集まったところで長老が念仏を唱えるそうだ。

鉦を叩いて唱える念仏は十三仏。

おそらく「南無大聖不動明王、釈迦牟尼仏、文殊大菩薩、普賢大菩薩、地蔵大菩薩、弥勒大菩薩、薬師瑠璃光如来、観世音菩薩、勢至大菩薩、阿弥陀如来、阿閦如来、大日如来、虚蔵大菩薩、大師遍照金剛、遍照・・・南無阿弥陀仏・・・」を唱える十三仏念仏であろう。

昨年のお盆以降に亡くなられた家人の祭りごとである。

7日の盆入りには春日の地の不動院住職に念仏をしてもらった。

イケガキは親父さんのやり方を見習って作ったそうだ。

(H24. 8.13 EOS40D撮影)