マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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矢田垣内の新盆念仏

2012年10月26日 08時19分33秒 | 大和郡山市へ
前日に訪問させていただいた矢田垣内のT家。

新仏の(アラ)タナを祭っている

この夜は村の人たちが寄って新盆の念仏を唱える。

集合場所に集まった垣内の人は20数人。

殆どは男性だが数名の女性も混じる。

新仏を祭った座敷に上がって席に座る。

後列席に座ったのは親族だ。

所有する観音講の鉦を叩いてお念仏。

それぞれの人たちが持参した和讃本も手前に置く。

導師が斎壇前に座って始まったお念仏は御所三十三番国西のご詠歌。

村の観音講がこしらえてくれた和讃本だという。

「1番 きいの国 なちさん」と呼びかけてのご詠歌は「2番 きいの国 きみいでら、3番 きいの国 こかはでら、4番 いづみの国 まきのを寺、5番 いづみの国 ふじい寺、6番 やまとの国 つぼ阪でら、7番 やまとの国 をかでら、8番 やまとの国 はせ寺、9番 ならのなんえんだう(南円堂)、10番 山しろの国 みむろでら、11番 山しろの国 だいごじ、12番 あふみの国 いわまでら、13番 あふみの国 いし山でら、14番 あふみの国 みゐでら(みいでら)、15番 山しろの国 いまぐまの、16番 きゃうと きよ水でら、17番 山しろの国 ろくはら寺、18番 きゃうと ろくかくだう、19番 山しろの国 よしみね寺・・・23番・・・」でひと休み。

差し出されたお茶で一服する。

引き続いて24番・・・のご詠歌を唱える。

番外にこうぼうだいし やたのぢぞうさんを唱えて南無大慈大悲観世音菩薩、延命十句観音経、般若心経を唱えて終えた。

念仏を唱えた人たちは垣内の観音講中は南矢田の組と西矢田の組がある。



村の観音講は毎月の営みを中断されているが、鉦を納めている講箱は一か月に一度は持ち回る。

この夜のお勤めの他にお通夜は中、下垣内の婦人が勤め、退夜(たいや)のときは上、中、下垣内の男性らがご詠歌を唱えたと云う当主。

「若いもんばかりになったらいずれは止めていくんだろうな」と云った。

(H24. 8.14 EOS40D撮影)