マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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天井町弘法井戸の井戸浚え

2012年10月08日 08時11分55秒 | 大和郡山市へ
神社の清掃をする予定日を決めた天井町の自治会。

その日は11日。

風通しを良くして氏神さんに参ってもらうのだと話す神社は八幡宮。

鳥居も美しくして新しい。

それより4日前の7日は井戸浚え。

毎年の恒例行事である。

鎮守の八幡宮の傍らにある天井町の井戸の名は天井井戸。

弘法大師の石板像を井戸底に埋めている。

井戸の水位は常に一定。

満々と湛えられているから底に眠っている弘法大師は見られない。

始めにバケツで2、3杯の井戸水を汲みあげる。

それから後はスピード優先で電動ポンプ。

汲みあげ作業は実に効率的に済まされる。

かつては釣瓶で汲みあげていたというから大幅にアップした。

底まで汲みあげた井戸は泥混じりの水。

これもポンプで一挙に吸いあげる。



井戸浚えは井戸替えとも呼ばれるが、このようにして溜まった泥をあげて奇麗にすることにある。

以前は井戸の中に入り込んで弘法大師の石板も洗っていたそうだ。

何十年も前のこと。

汽車が走っていた時代には養殖した金魚を出荷していた。

そのときに使っていた水は井戸の水。

付近には養殖池が点在する。

昔は田んぼそのものが養殖池だった。

卵が孵化して生まれた小さな金魚。

7月11日ぐらいになれば苗を引いて横に植えておく。

金魚のエサを練って落とす。

そうすれば金魚が寄ってきた。

マエガケと呼ばれる三角網で掬って水路に入れる。

それを選別して出荷していたと当時の様相を話す婦人。

時代は昭和40年だったという。

ちなみに三角網は逆三角形。

今でも現役で使っているという。

奇麗になった弘法井戸は再び水位が上昇して石板が見えなくなった。

(H24. 8. 7 EOS40D撮影)