都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

雇用の常識「本当に見えるウソ」海老原嗣生

2009-08-11 20:05:28 | マクロ経済

 海老原さんは人材関連漫画のモデルともなった人材マネージメントが専門。P195 の「小泉・企業」マトリクスが秀逸。データで正社員・派遣社員・契約社員の観点などから日本の雇用の雇用崩壊・言説・俗説を検証し、雇用のガラパゴスの修正と移民受入・教育安保と結論付けている。結論には異論がある。先ずはガラパゴスはどこの国にもある。「なぜGMは転落したのか」などでもいびつな関係は書かれている。教育での移民については、国際的に通用す大学の変革が肝要だ。そのためには国際学会での発表を促す「英語」論文を基準とすべきだ。国内学会重視の評価が問題と思っている。(そうではない工学・理学の学会も多いが教育への投資は大いに賛成する。具体的な提案で感服致しました。<o:p></o:p>

 今や、低成長でまさしく、人、設備の過剰が続く可能性もある。その対策は「ディスマッチ(高度化と単純化の両極)な失業対策」で高度化した仕事と嗜好の壁への対応で、過去はそれほど良かったのかという見解は明解である。<o:p></o:p>

 終身雇用は崩壊せず、転職は一般化しない、就労意識は変わらず、本当の成果主義などないと検証し、日本企業での異動・ジェネラリスト型育成等を「暗黙のルール」は知見だ。企業は「大騒ぎ」を利用してモードチェンジをしてきたも卓見で賛同します。(今回の金融破綻も「大騒ぎ」でしょう)<o:p></o:p>

 なお、マクロ経済とのつながりがあるとより大きな視点となるのでは。コーホート分析(時代、世代、年齢)とともに、成長と雇用の相関(オークンの法則)やインフレと雇用のトレードオフ(フィリップス曲線)などの見解もあればより今後が見える。生産性向上とそれを支える人材、その能力育成という大きな絵がいまこそ必要だと分かった。<o:p></o:p>

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