洛中に某商業銀行の外壁を保存・増築し都市景観賞建築部門 (京都市)を受賞した男女共同参画推進の拠点としての公共施設がある。歴史保存部分と増築部分が大変綺麗にまとまっており、歴史とモダンを感じるデザインだ。入口は外光を取り入れ、開放感のあるガラス張りで石との対比や光りの取り込みの設計がなされ、施設のイメージとなるロゴのオブジェもある。<o:p></o:p>
最近、この入口のガラスの1階相当部分に大きく、施設案内の張り紙がなされている。せっかくのデザインが台無しだ。更に、入口周辺には食べ物の幟が立てられている。良い建築があっても景観への配慮がないともったいないと感じる。美しい公共財を上手に使わない、広告物などは運営者の思うがままであるというのでは洛中の景観政策になじまないのではないか。どうしてもお知らせや広告を出したいのならそれなりのスペース(現状 施設看板はある)や手法(外壁に沿うバナーなど)を考えてはどうか。<o:p></o:p>
折角の建物が「使い方」によって真価を発揮できないのは見ていて悲しい。きっと、設計や企画に携わった方々も複雑な思いだろう。景観や建物は市民共通の資産だ。<o:p></o:p>