徳島市のモールや水辺の計画は京都造型大の井ノ口先生の作品で「大風呂敷」といわれたそうだ。だが、紺屋町モール、銀座モールも横浜の伊勢佐木モールと同じく駐輪と古びたストリートファニチュアで輝きを失いつつある。<o:p></o:p>
東新町はかつて中心のアーケード街だが人が少ない、若者が少ない。シャッター通りの様だ。駅前も人が少ない。大型ショッピングセンターに人が流れていると聞く。これについての論文を紹介します。<o:p></o:p>
「徳島県における大規模小売店舗の立地の変遷と消費者の買物行動の変化に関する分析」 余田翔平 他 日本建築学会計画系論文集 第74巻、第639号、1101-1107、2009年 5月<o:p></o:p>
本論では、地方都市においては商業の郊外化の更なる進展と高齢者が徒歩で暮らせる生活圏の創造として高齢者の都心居住が提言されている。至極まっとうな研究であるが、地方の高齢者はずっと住んできた「まち」(地縁・血縁)を重んじている。そのため、都心に「移住」するのには難点がある。むしろ今の場所に住み続けるために都市内に拠点的にでサービスと商業のクラスターも並行して整備するのが良いと考える。さらに、公共交通機関としてLRTなどの整備も見込めず、バス事業も利便性と採算に課題があるため現状あるタクシーの乗り合い化や補助などが有望ではないか。<o:p></o:p>
あわせて、「多摩地区における生活関連施設の立地経緯について」 石橋登他 日本建築学会計画系論文集 第74巻、第635号、41-50、2009年 1月には郊外住宅地の生活関連施設の変遷と経緯から住民ニーズを分析している。また今後の再開発への提言もあり高齢者の駅前住み替えや周辺地区への若年層の入替を不動産会社の取組みも交え具体的な方策が示されている。<o:p></o:p>
このような都市内の年齢による住み替えは今後、商業・サービスのクラスター化(小型の路面集積)とともにコンパクト・シティのあり方となろう。それにしても、地方都市での若者の少なさ、都心商業の衰退には驚いた。<o:p></o:p>
余談:銀座 一福本店で久々に有名な「肉なし」シューマイ、ラーメンと焼き飯を頂いたが、いまひとつ感動が。麺は硬めに、スープの旨味が薄く、醤油が濃い。近代風になったが昔のお味はどうしたのかな。<o:p></o:p>