都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

庭「にわ」を読み解く (白播洋三郎):概論と事例は使いやすいが地図、図面が少ない

2012-06-15 06:20:21 | 京都

概論と京都庭園の事例紹介の2部構成となっている。<o:p></o:p>

知見は多く、奈良の寺院が平地、京都の寺院が山麓、都市仏教から山林仏教の変遷と関連するとある。<o:p></o:p>

「地亭記」(慶滋保胤 天元五年(982年)が浄土庭園の起こりの時期にあたる。<o:p></o:p>

庭園のもととなる「庭」(平たいところ)と「園」(植物が植えられているところ)の違い。大伴家持の歌「我が園の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りてあるかも」を区別の事例としている。<o:p></o:p>

 これに対して西洋には庭園に殆ど関心がないのはキリスト教が一神教であり、日本の自然崇拝との対比とある。そうではなくて、幾何学的庭園が多いのは自然を支配するという概念ではなかろうか。(大昔、木村尚三郎あたりで読んだ覚えがある)<o:p></o:p>

 事例で面白いのが、京都の庭のモデルとなった西芳寺と銀閣寺にある建物の名前の本歌取りだ。更に、平等院の復元とイメージの想起で地味な小石の州浜と派手なパビリオンである鳳凰堂の対比は面白い。竜頭鷁首の船や鶴、鶺鴒のつくりもの、幔幕、雅楽というイベントにも想いを馳せている。<o:p></o:p>

 事例に周辺地形の分かる地図や庭の平面図などあるとさらに使いやすく理解も進む。<o:p></o:p>

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 京都の庭の入門から、お庭めぐりまで役に立つ著作だ<o:p></o:p>

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