最近は居酒屋やジャズ喫茶を分析したモラスキーのようにインターナショナルな研究者が日本の風俗を研究している。同潤会にしても、軍艦島にしても同じくインターナショナルな研究者が多い。日本も頑張らなければと思う次第だが、逆にアメリカの開発分析などは日本が良く知っていたバブル時代もあった。
閑話休題、本書はラーメンを文化的かつ政治的に分析している。間違いも多く、武蔵は青山が96年組、永福町大勝軒が給与の高いので有名で、東池袋ではないとか色々あるが良しとしよう。
1954年の日米相互防衛援助(MSA)の小麦と、戦後のラーメンが、高度経済成長期に東京に集中した(このディモグラフィックの記述は薄い、都市計画ではないからか独身の労働者と学生について、インスタント・ラーメン、街場のラーメンなどの発展と合わせてまあまあ読める。
MSAについては、日本での反共支援とあるが本当だろうか。
第一次世界大戦前後に西洋料理、中華料理、屋台が東京への労働者人口増で増えたとあるが、考察が浅い。当時は西支料理として、和食に対峙していたはずだ。和服と洋服のバランスと同じで風俗の理解がいまひとつだ。
知見は日清の前に、松田産業が「味付中華麺」を1955年に発売していたことだ。(現行のベビースターラーメン)
暇があるなら読んだほうが良いレベル