スキヤキとアメリカの関わりかと思うと、明治からの歴史と、日米の関係、家政学変化の中での日本食の位置付けなど学術的で楽しめる。
特に後半が良い。1954年の在日米軍の「すき焼きパーティ」から、アメリカ本土への「ヒバーチ(火鉢)・ブーム」によるパーティへのすき焼きの移入。すき焼きハウスの出現と坂本九の「SUKIYAKI」(1963年)によるブームと終焉。ロッキー青木の「ベニハナ・オブ・東京」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E8%8A%B1_(%E9%A3%B2%E9%A3%9F%E6%A5%AD) https://en.wikipedia.org/wiki/Benihana )を1964年ニュー・ヨークで開店、ヒバーチ(火鉢)・クッキングとしてバーベキューに鉄板焼きを付加。料理人演芸で楽しませる独自性を付加した。なお、神戸の鉄板焼きの元祖 みその は1945年( https://misono.org/ もともとはお好み焼きから出身)のため、ベニハナは、NYでの初進出からも知れないが鉄板焼きの元祖ではない。むしろ、神戸の みその の成功を見てアメリカで独自の演芸付き鉄板焼きを展開したと考えるべきだろう。なお、神戸には 遠赤外線のオヴンの麤皮 チャー・ブロイリング併用の みやす などのステーキもある。
この後、併設していた「寿司バー」が人気となり独立し、展開。さらに、アメリカのダイエット・ブームにも適合。さらに、寿司自体が、アメリカ化し、中国人の参入もあり、カリフォルニア・ロール(日本人発祥:ロス説 http://www.discovernikkei.org/es/journal/article/3551/?show=ja ヴァンクーバー説:http://www.v-shinpo.com/local/2446-2016-05-12-06-31-57 )さらに、中華、アメリカのロールが増え、独自のアメリカ寿司となる。
筆者はさらに、ハワイの「カウカウ・チン」(弁当箱)で、日本、韓国、中国、フィリピンなどの労働者が分け合った弁当が発展したおかず店が新しい日本食と最後にあるが、これは苦しい説だ。むしろ、日本料理とは、洋食や中華も取り込んだ、独自のうまみと醤油の味を基軸にしているなどの論説が欲しかった。( https://blog.goo.ne.jp/n7yohshima/e/71d428e4df75ce5edc6c1b52ceaeab64 )
楽しめる