都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

おいしい京都学(加藤政洋、河角直美):切れ味が鈍った、資料として貴重

2023-01-15 02:51:26 | 京都

 色街ではないためか、いまひとつの面白み。

帝大と色街の移転、その跡地利用の店舗開発が面白い:

①東大:東大の開設により、根津遊郭は洲崎へ移転。鶯谷の神泉亭が根津遊郭跡地の神泉亭に移転し、鰻の神田川(支店)に、京都にも西石垣に出店、鰻では南座松葉関連の松乃など東京風の店が多い、梅の井は東京と関西を混ぜた白焼きからたれをつける

②九大:石堂川を隔て九州大学前身の医科大学の開設もあり、柳町遊郭が南へ移転。跡地の建物を利用し、白湯の水だき新三浦、水月はあっさり清湯の水たき

③京大:京大の開設により、二条新地が下川原(下河原か?)の清井町に移転し消滅。博多の新三浦の支店として二条新地東の石原町に出店(その後、移転P165)

 

・神田川など(鰻)や大市のすっぽん、鳥居本平野屋など鮎、木屋町の生洲を俯瞰し「盆地のコスモロジー」(P89)は面白い

・真葛原(まくすがはら:円山公園から菊渓川( https://wazze2020.hatenablog.com/entry/2022/03/06/182437 )までの範囲)の枝垂桜の東に平野屋初代と変遷地図(P46)

・生洲(いけす)料理屋(木屋町など)→先斗町の組合の方もセミナーで指摘、先斗町(1859年公許:当時の検番の建物が鰻の京極かねよらしいとの情報も)は鴨川の明治の改修とともに発展( https://jsce.or.jp/library/open/proc/maglist2/00897/2010/pdf/A51D.pdf )

・(あ)ひるかしわ料理、鳥すき焼きから水炊きへ変化は第二次世界大戦後

・西石垣のかき春(船型の店)

・西石垣の牡蠣から洋食の矢尾政→第二次世界大戦をうけ中華の東華会館になった歴史もある( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E8%8F%AF%E8%8F%9C%E9%A4%A8 )

・菊水は入金式の鶏料理に長崎料理を組み合わせる、後に鳥居本になり祇園料理に

・色街洋食は関西言葉(東京は花街)大久保恒次が名付ける

・東洋亭( http://www.touyoutei.co.jp/company/history/ 1897年)の祇園支店が洋食の嚆矢(祇園カフェー)→1917年創業の丸太町東洋亭の関係も知りたい、最近の銀座つばめグリルと同じようなメニューへの変化(トマト・サラダと、アルミフォイル包みハンバーグ)とご当主の修行の関係なども展開すると面白いのでは

・つぼさか と後継の みしな は本当にうまい。たから船を取り上げるなら、岡崎の小宝(弟子筋)の言及も欲しい、また下谷の香味屋などとの東西比較も欲しい。

・「京都は京風に消化」國分綾子→面白い指摘だ、京都独自のたぬきうどん(きつねうどんのあんかけ)やきつね、衣笠、木の葉「丼」の展開なども独自だ。

 

 更なる研究、例えば色街洋食の特色と発祥、京都中華( https://www.gentosha.co.jp/book/b10508.html )と色街などの調査なども欲しい

コメント
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