日本都市計画学会関西支部 国際・交流委員会企画
近鉄不動産 アセット事業部 ハルカス運営部 中井課長と阿倍野筋1丁目東商店会 和田会長(喫茶店経営)のご尽力によりあべのの「まちづくり構想策定区域」を歩く。庚申街道、古くからある風俗施設(懐かしい)、住商事務所混在で施設規模も平屋、ビル、ハルカスのような複合ビルまで多彩。阿倍野筋(40m:昭和通と同じ、御堂筋より5m狭い)の西側は大型施設のQ’sMallが壁のように建つという街区構成が分かった。街と大型施設のからみがあるの空間的、運営奠きな特徴だ。
ハルカスは多種のタービンやコンポジット、中水活用などホテル・デパート・オフィス用途に対応した設備を見学。地下とスーパー・フレーム層にあり、意外とゆったり配置。エネルギー・リサイクルとダイバーシフィケイション(分散)が計られている。
知見は:
・阿倍野の「まちづくり構想策定区域」北は近鉄阿倍野駅、Andの南の1街区先まで、東は庚申街道、西はあべの筋まで
・第二次世界大戦で焼け残り、木密、道路が複雑(七つ辻)、私道や行き止まりが多い、土地所有者不明の三角地など
・住商混合、飲食が多く百貨店の従業員や学生が顧客
・庚申街道( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%9A%E7%94%B3%E8%A1%97%E9%81%93 )の歴史があるが、JR、近鉄で分断され、ブリッジ、地下道で代替
・エリア・マネージメントは近鉄、Q’s Mallの東急不動産と連携し商店会のボランティアが地元を15時、18時に巡回し声がけや自転車整理、風俗対応。BIDはグラン・フロントで適用だが使いにくい、収益還元の施策は市の認可がとれない。商店会は高齢化で後継者難、チェーン店に賃貸や転用も多い。
・近鉄やQ’s Mall も地元志向、大企業と商店会が共存している
・あべのまちづくり構想研究会は商店会会長が主体、コンサルも参加だが手弁当に近い、地元の窓口があると企業も対応しやすい(個人だと社内説明や歯止めが効かない)
・あべの・天王寺(75万人/日、梅田の3割強の乗降客数)のネット調査を近鉄不動産が継続実施しているが、関心が低い、最近改善しているが50代の関心が特に低い(原因不明、わしはしっとるどー)
・顧客の特性
・インバウンドの外国人は多くなった、金持ち外人が街歩き
・ハルカス効果か土日の集客が増えた
・飲食の街であり、南大阪の拠点として学生の飲み会利用やアルバイト、ハルカス来店者や従業員の飲食が多い
・学校の街であり、大阪市大、教育大や近鉄沿線の大阪芸術大学など多い
・南北で天王寺区(天王寺動物園、JR天王寺駅)、阿倍野(近鉄阿倍野橋駅)、浪速区(通天閣)、西は西成区(飛田新地)と行政区分となり連携に難がある
ハルカスの回りも、天王寺公園の芝生などで変わりつつある