創作の素材として自然物の草や木、布や糸など工業製品もあるが誰かが愛用しその人と化したものもある。
そういうものが手に入ると向かい合う気持ちも自然に高まる。
去年の第30回野草(イエツァオ)展の前川之江山岳会の先輩より使い切った迫力のあるキスリングをいただいた。
数か所修理されているうえ極めつけは背負う部分を止めている補強の皮は壊れてないがすぐ上の布が裂けていることだ。
どれだけ思い荷物を背負ってどれだけの坂を上り下りしたことか・・。
自然に色あせたキスリング地は夏の強烈な日差しや風や雨、雪に染められた跡だ。
左上の岩登り用のロープも一緒にもらったがもう使うことはないのだろう。
第30回野草(イエツァオ)展を終えてすぐより第10回クラフト展(イエツァオグループによる)の準備が始まり今回は内村セツ子さんの遺作展も兼ねていてすぐこのキスリングを解きたい気持ちだったがかなわずやっと先日解き終えた。
洗濯した本体を写したがもうこれで充分面白い。
冒頭の写真は解いたほとんどすべてだがどんな作品になっていくのかならないのか。。
その前に持ち主だった先輩にこのキスリングとともに行った山行などの話を聞きたいが相手は無口な山男。
無口な山男は50年以上も正月は石鎚山の雪の中で過ごす山行を仲間がいなくなった今も独りで続けている。
そのうち何度か連れて行ってもらった。
とりあえず6月に伯方島周辺を作業場にして開く第40回野草(イエツァオ)野外教室に素材として持っていきたい。
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