虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

工作やブロックが好きじゃない子も工作やブロックをしなきゃいけないの? 続き

2019-05-12 08:11:38 | 工作 ワークショップ

 幼い男の子たちが車や電車のおもちゃが気に入ると、

「何が楽しいのかしら?」と呆れるほど、

来る日も来る日も、ミニカーを前に動かしたり、後ろに動かしたりしながら、

遊び続ける姿がありますよね。

 

親御さんに、「この1月ほど、どんな遊びをしていましたか?興味を抱いていたものや、

好きになったものはありますか?」とたずねると、

目の前の子が車を前後に動かす姿に視線を投げながら、

「ずっと、あればっかりです。いつも車でしか遊ばないから、別のおもちゃも……と思うんですが、

それしかしたがらないんです。ひとりで遊んでくれるし、つい楽なんで放っといちゃうんですが、

もうちょっと遊んであげた方がいいでしょうか?」

「プラレールを買ってあげたところ、毎日、レールをつないで電車が走るところを

いつまでの眺めています。それ以外の遊びがないので気になるのですが、誘ってもそれしかしたがらないのです。

いっそのこと、好きなおもちゃ類を片付けちゃった方がいいんでしょうか?」

という質問が返ってくることがよくあります。

 

 本人が好きなことを存分にしているのですから、

いいにはいいのでしょうが、

遊べば遊ぶほど、遊びの幅が狭くなって、

親御さんやお友だちがその遊びに参加する隙もなくなってしまうのは、

ちょっと気になりますよね。

 

遊びのパターンが固定されて、柔軟性が失われると、

いつも同じことが、一貫したテーマで再現されないと落ち着かなくなるし、

遊びが、外の世界を遮断する道具になってしまうこともあります。

 

車の好きな子には思う存分、車で遊ばせてあげたいけれど、

遊び道具や遊び方の一部に、

創造的に変化させたり、

自分の思いを表現できるような柔軟性のある素材や方法を取り入れるようにするといいな、

と考えています。

 

 

ひとつのおもちゃやひとつの遊び方にこだわりが強くなると、

お友だちが近づこうものなら、「自分の遊びを邪魔される」「自分のおもちゃを奪われる」と

身構えたり、威嚇したり、人を避けたり、不安のあまり放心したようにボーツとなってしまう子がいます。

 

お友だちからお気に入りのおもちゃを奪われないかと緊迫した様子で遊ぶ子は、

お友だちが持っているおもちゃが目に付くと、

「それを自分のものにできないんだったらこの世の終わり」とでも

言いたげな態度に転じることがよくあります。

 

お友だちと過ごしている間中、

「自分のおもちゃを触られたくない」という気持ちと、

「他の子の持っているおもちゃが欲しい」という気持ちの間を行き来していて

その中間がないのです。   

すると遊びがいつまでも発展しないし、

遊びが発展しないということは、精神的な成長が停滞することにだってつながります。

 

虹色教室では、子どもの遊びの世界が、外の世界のあり様を受け入れやすい状態を保つよう、

また遊びが身の回りの環境への開かれた窓の役割を担うように……という意味もあって、

1歳、2歳という幼いうちから、遊びに物作りを取り入れています。

 

具体的な例を挙げると、たとえば、電車でひとり遊びをしている子がいれば、

ブロックで隙間を作ってもいいし、空き箱に穴を開けてもいいし、椅子の隙間をそのまま利用してもいいのですが、

それを切符の券売機に見立てて、切符が出てくる遊びを加えるようにするのです。

 

工作といっても、紙を乱雑にチョキチョキするのが楽しい時期の子もいるでしょうし、

細い紙を用意してあげて、一回、はさみを開閉するだけで

チョキンチョキンと切符ができていくのを喜ぶ時期の子もいるでしょう。

お母さんに切ってもらいながら、紙だったものが自分の見立てる力で切符に様変わりしてしまう

魔法に夢中になる子もいます。

「切符!切符!」と遊んでおきながら、ふいに紙をパラパラ散らして、

「雪!」と命名して笑みを浮かべる子もいます。

 

そのように物作りを遊びに取り入れたとたん、

自分の頭の使い道が広がり、「今日、駅で~した」と自分の体験をもっと遊びに入れてみようとしたり、

「切符だけじゃなくて、お金もいるよ」と知恵を披露してみたり、

「ジュースが出てくる機械とアイスが出てくる機械とトーマスの出てくるガチャポンも作る!(作って!)」

と創作することと想像力を使うことで、たちまち億万長者なみに自分の欲するものが手に入る喜びに浸る子も

いるのです。

 

 

↑の写真はビー玉をセロファンで包んで信号機を作っている様子です。(色の順番は

間違っていますが、本人の好きなように)

駅で信号機を発見した男の子の感動を、遊びの中で再現しているところです。

100円ショップのプッシュライトを当てると、信号を順番に光らせて遊べます。

 

こんな風に、遊びにいつでも物作りを取り入れられるようにしていると、

「駅に信号があった!」という子どもの感動が、光の性質や信号機の仕組みといった

ものに広がっていくきっかけにもなるのです。

また物作りを遊びの世界に取り入れると、「お手本をよく見て真似る」

という学びの姿勢を身につけさせる機会が増えます。

 

できるようになったことを、お友だちに教えてあげるようにも

なります。

 

そのように物に固執しなくても、さまざまな心を満たしてくれるものがあることを

知るにつれ、子どもたちはお友だちと過ごすのが楽しくなり、

上手に遊べるようになってきます。

既成の完成されたおもちゃには、たいてい子どものアイデアや想像が入る余地がありません。

 

↑の写真はブロックでケーキを作った子の作品。これから、お友だちとそれぞれ作ったケーキを持ち寄って

パーテーをする予定です。プレゼントを包み、ろうそくを立ててご機嫌の女の子。

急に思いついたように、

赤い部分をはずして、「火が危ないから、ろうそくを消しておくわ」と言いました。

自分が今、思いついたこと、知っている知識、想像したこと、願い事、自分の中に生まれた物語……

そうしたものを、遊びの世界にリアルタイムに活かしていくには、

自由に作り変え、自由に見立てることができる素材が必要ですよね。

 

工作やブロックのように自由度の高い遊びは、

子どもの頭と心の可動領域を広げます。

子どもの内面世界を目で見て触ることができるスペースを作りだします。

 

前回の記事で、1、2歳の幼い子たちの遊びの場でも

物作りを取り入れていることを書きました。

そうしていると、次のような良い効果も生まれます。

 

物作りに親しんでいると、お友だちとのトラブルが起こった時に

気持ちを切りかえたり、

問題を解決するのが上手になるのです。

 

幼い子たちはとにかく自分の物は貸したくないし、

他の子の持っている物が欲しいものです。

大人が間に入ってトラブルを解決してあげる場合、「ちゃんとお口で、貸して!って言ってごらん」

「ほら、○ちゃん、いいよ、でしょ」と、貸したくない側の子がおとなしくて聞き分けのいい子の場合、

その子の気持ちはそっちのけで、

物が行き来しておしまい、ということになりがちです。

 

そうして、大人の指示に素直に従う子は、幼い頃は、「えらいね、かしこいね」とほめられるのだけど、

自分の気持ちを上から抑え込んで我慢しているだけですから、

成長して意志がはっきりしてくるにつれ、意地でも自分の物を貸そうとしなかったり、

成長して意志がはっきりしてくるような年齢になっても、決めごとは何でも大人に頼ろうとしたり

するようになったりしがちです。

 

その一方で、人と関わりながら創造性を発達させていった子が、

年中さんや年長さんくらいになると、

こんなうれしい姿もよく目にします。

 

お友だち間でおもちゃや物の奪い合いが起こると、

「それなら、同じ物を作ればいいんだよ」と提案する子がいるのです。「作り方を知っているから教えてあげる」

「作るの手伝ってあげる」という子もいます。

「ふたりでいっしょに使おうよ。○くんが何の役するかと、ぼくが何の役するかを

決めたら、そのおもちゃは1個でも、大丈夫だよ」

「じゃあ、じゃんけんするか、何分ずつ使うか決めようよ。★くんはどういう風にしたいの?」

と遊び方の解決法を示す子もいます。

 

物作りは必ずしも、物を作ることに終始するのではなくて、

アイデアを作る、考えを作る、ルールを作る、ということにもつながっていくのです。

子どもたちは主体的に自発的に創造的に

自分の現実と向き合うことを、

自分で何かを作りだす作業を通して身につけていくのです。

 

工作の魅力的な材料が人数分足りない時なども、

「わたしはそのひもがなくても、モールを編んだら

きっと同じくらいきれいになるからいいのよ」とか

「その箱は最初から形が面白いけど、

でも普通の箱でも、いろんなところを切ったり、色紙を貼ったりした方がきっと自分の好きなものが

作れるからいいよ」

 

 

  

 ↑の写真は、科学クラブの小学生たちが協力して元素の周期表を作っているところです。

子どもたちの中から「やってみたい」と始まった作業ですが、

これまでも物作りをしながら関わる体験を積んでいるので、

思い通りにならない部分があるほど、一致団結してがんばりだして、

それぞれが自分のやるべきことを考えて、上手く役割分担して仕上げていました。


工作やブロックが好きじゃない子も工作やブロックをしなきゃいけないの? はじめに

2019-05-12 08:09:41 | 工作 ワークショップ

連休中に遊びに来てくれた教室の卒業生で現在高校生のAくんのお母さんから、

虹色教室のこと「自分の居場所として心のよりどころになっているように感じられた」という

お手紙をいただきました。

現在、医学部を目指して真剣に自分の人生と向き合っているAくん。

教室に通っていたころは、物作りが何より好きなやんちゃくんでした。

何でも手で触れて、自分で体験して、作ってみないとすまない子でした。

教室に車でに駅で乗った両開きのエレベーターをブロックで作り、作りながら、

ふたつの方向にドアが開く理由について、「2階はこっち側が駅だから、乗ったのと反対側に

降りるから、こっちにドアがついてるんでしょ」と、深く感じ入っていた姿を思い出します。

 

 

虹色教室通信では子どもたちが工作やブロック遊びといった物作りを楽しんでいる姿を紹介しています。

そうした画像を見るうちに、

「うちの子は工作やブロックが好きじゃないけど、好きじゃない子にもやらせなきゃいけないの?」

と悩む方がいるようです。

 

もちろんやりたがらないものを無理にやらせる必要はないはずです。

 

ただ、「やりたがらない」の背後にあるものを、

安易に、好き嫌いの問題とだけ捉えて、

「うちの子にはあってないようだから、させなくていいわ」と白黒つけちゃうのは

どうかな、と思っています。

 

別に工作じゃなくてもいいし、ブロックじゃなくてもいいけれど、

子どもには、おもちゃに遊んでもらうんじゃなくて、

自分で遊びを作りだしていくようなシンプルな素材との付き合いが必ず必要だと思っているのです。

 

わたしが子どもの頃は、地面や草木や外の世界にあるありとあらゆるものが

子ども自身が創造的に遊びを生み出していくための素材として利用されていました。

 

「子ども時代、工作もブロックもしたことがない」という方も、

地面に円を描いて石けり遊びをしたり、線を引いてドッチボールをしたり、階段を上り下りしながら、じゃんけん遊びをしたり、

どろだんごを作ったり、草花でままごとの料理を作ったり、フェンスを上って新しい道を開拓したりした覚えはある

ことと思います。

そうした自ら作りだしていく遊びの場では、子どもから子どもへ、伝承されていく学び合いが

常に行われていたし、自分の気持ちを表現したり、

自分の考えを伝えたり、黙々と素材の感触と触れ合うゆったりした時間が

ありました。

 

「こういう風に遊びなさい」と大人に遊びを決められたり、「こういう遊び方しかない」とおもちゃに遊び方を

限定されたすることなく、

その日の気分と自分という個性とひらめきや想像の

全てをオールマイティーに受け入れて、さらなる発展をうながしてくれるような遊びの世界は、

今の時代、大人が意識して環境を整えてあげないと

存続できないようなところがあります。

 

もちろん現代の子どもの周りにも土や草花やフェンスや階段はあります。

でも、それらに自由に働きかけることは

今の子に許されていないし、そうした遊びの手本もありません。

 

異年齢の子どもたちが自由に外遊びをする姿が減り、兄弟姉妹が減り、

遊び時間が減り、

遊びを伝承する子どもの文化が衰退し、

子どもの世界に大人が良かれと思うあれやこれやが侵入しているのが、

今の子の現実です。

 

自分で判断したり、考えたり、工夫したり、

「わたしはこういう子だ」とか

「今はこういう気持ち」というものを表現したりするもの。

 

「やーめた、やっぱりこうしよう」と自分の意のままに変更したり、

破壊したり、塗りたくったり、ちまちました作業に没頭したり、巨大なものを完成させる夢を抱いたり

できるもの、していいもの。

 

物と物を会話させたり、他の子のすることに興味を持ったり、感動したり、

自分の作り上げたものに感激したり、称賛されたりするような

人と人とをつなぐ役割を果たしてもくれるもの。

 

そうした変幻自在に子どもの力で創り上げていく遊びは、どの子にとっても大切なもの、重要なものだと感じています。

 

もちろんそれを「工作」や「ブロック」に限らなくてもいいのです。

 

でも子どもにはそういう遊びの経験がいる、ということは現代の子育てでも

心に留めておく必要があるのではないでしょうか。

 

もし「工作」や「ブロック」に興味がない子なら、「知育玩具」や「パズル」や「絵本」でいい……

というのではなく、

やはり「工作」や「ブロック」ぐらい自由度が高く、能動的に働きかけられるような

「ごっこ遊び」「劇遊び」「お姫様ごっこ」とか「秘密基地作り」とか「冒険遊び」

などが楽しめるような環境を用意してあげることが大事かな、と思っています。

 

以前、近所の児童館で工作教室をしていた時のこと、児童館の館長さんから、

「とにかく遊びというと、物を破壊したり、投げたり、足蹴りしたりすることだけ

で終始する子があまりに多いので、どうしたものかと思っています」

という相談をいただいたことがあります。

 

児童館には毎日、大勢の幼児や小学生が集まっていたのですが、

どの子も成長して子ども同士で遊ぶようになったとたん、

おもちゃを破壊して遊ぶことしか興味を示さない……ということを危惧しておられたのです。

「破壊が創造の第一歩ということはわかります。

子どもだってストレスもあるでしょうし。

でも、破壊しかしなくて、遊びが生まれないというのはどうしたものか……」

館長さんは、そう言って、ため息をつかれました。

 

児童館の館長さんの心配は

ある地域の限られた子どもたちの姿ではなくて、

ごく普通の大多数の子らが大人の管理を離れて、

自由な遊び時間を手にした時に陥る姿だと思います。

 

虹色教室では、子どもの創造的な活動に対する意欲が生まれやすいように、

お友だち間の学び合いや協力が起こりやすいように

さまざまな工夫を凝らしています。

 

物作りの技術を身につけつつ、

人と響き合う楽しさ、アイデアを出し合う面白さ、

自分の全エネルギーを無駄にも思えるような何かに投入してみる満足感、

問題を解決した時のスカッとする気持ちなどを味わうことができるような

環境を物の面でも人の面でも整えるようにしているのです。

そうした種まきや地道に心を耕す過程があってこそ、

子どもたちが主体的に遊びを生み出して、お互いの心を共鳴させあいながら

楽しい時間を作りだすことができているのです。

また遊びがそのまま学びの好奇心になり、学ぶ時の姿勢になり、学習動機や意欲にも

つながっているのです。

 

子どもたちはみんな現代っ子ですから、もともと想像力や創造力が豊かで、

自分で考えて遊びを作りだし、お友だちと協調して遊び、問題が起これば解決することができる子というのは

ごくわずかです。

 

教室に来ている小学生にしても、こちらが遊びを豊かにする方法を伝え、

子どもの心に「豊かさのある面白い遊び」という火を灯さなければ、

それぞれ好き勝手に自分で完結する遊びをしようとしたり、

遊びもしないのに教室を散らかしてまわったり、室内でボール投げをしたりして

ゲラゲラ笑い転げる……という児童館の先生が嘆いておられた「破壊する遊び」だけに興じるところがあります。

それが幼児期に聞き分けよく育ってきた小学生たちが好む遊びだからです。

 

そんな子どもの遊びの世界の質の低下を目にすると、大人たちは教育のことばかり語り合っていていいのかな、

と疑問を抱きます。

子どもの遊び世界とはそのまんま子どもたちの内面世界の現れではないか、

と感じるのです。また、子どもの生きている世界の投影でもあると思われるからです。

 

子どもの遊びの世界が衰退し、瀕死の状態にあるということは、

子どもの内面世界が枯渇し、子どもを取り巻く環境が寂しいものとなっていることを

伝えるSOS信号とも受け取れるからです。

 


真似と個性

2019-03-27 22:36:16 | 工作 ワークショップ

少し前に、年長のAちゃんがDVDの裏面にねんどのゆきだるまの人形を貼って

『虹を作る道具』を作った子がいました。

その後、年長のBくんと小2のCちゃんが、同じ材料で作り方を真似して

『虹を作る道具』を作りました。

それぞれ、Aちゃんの模倣とはいえ、その子らしい個性が加わって

とても魅力的なできばえでした。

Bくんのツタンカーメンです。

Bくんは3歳の頃からピラミッドが好きで、ブロックや工作で

何度もピラミッドを作っています。

 

Cちゃんの作品です。

Cちゃんは動くしかけをイメージするのがとても上手です。

最初はDVDの(角度が)いろいろ変わるようにして、光のあたり方が変化するように

したいと言っていました。私と話しあった結果、DVDを前後に動かすと、光が当たる面のサイズが変化する

ようにしました。そうすると虹のでき方が変わります。

 


「虹を作りたい!」

2019-03-20 21:14:01 | 工作 ワークショップ

年長のAちゃんが、教室に来るなり「虹を作りたい!」と言いました。

そこで、光を使った実験の道具や材料が入っている箱を開けて

いっしょにいろいろ試しました。

いらないDVDの裏に懐中電灯の光をあてて

虹を作る方法が気に入ったAちゃん。

丸いチーズの空き箱にDVDを貼って、ねんどで作ったゆきだるまをつけました。

実際の虹は写真の何倍もきれいです。

 

ごっこ遊びが何より好きだったAちゃんですが、年中の半ばごろから

ボードゲームやカードゲームで遊ぶのも大好きになってきました。

今日はポーション・エクスプロ―ジョンで遊びました。

得点計算でははりきってたくさんの数を数えていました。


ケーキの箱で、ケーキ屋さん作り

2019-03-13 08:35:44 | 工作 ワークショップ

年中のAちゃんがケーキの箱でケーキ屋さんを作りました。

<お店の作り方>

箱の上部に切りこみを入れて折り、

側面の一枚をそのまま折って、テープを貼ります。

好みでドアをつけたり、看板の形を整えたりします。

 

 

子どもは粘土を何かに詰める作業が大好きです。

ケーキは小さなテープの芯や指サックなどに粘土を詰めて、

ビーズやスパンコールを飾って作りました。

 

工作の後で、ゲームが大好きなAちゃんとさまざまなゲームをしました。

Aちゃんは何かし始めると切り替えるのが苦手な子なので、

朝の準備をさせるのが本当に大変とお聞きしました。

Aちゃんとゲームをしていると、まだやり方やルールを把握していなくて

失敗が続いて面白くないだろうなという場面でも、「もうちょっと、もうちょっと」という

表情で、きちんと覚えて楽しくなるまでやり通すのです。

頭を使う時の根気の良さにいつも脱帽しています。それゆえ、何かやりだすと、

頭も心も熱中しすぎて、大事な用事があってもマイペースに行動することも多々あるようですが……。

そんな姿を見ていると、欠点と長所というのは表裏一体だなと感じます。

 


100円ショップの樹脂ねんど

2019-02-24 21:50:36 | 工作 ワークショップ

樹脂粘土は練っていてもぽろぽろくずれたり割れたりしないので

ミニチュア作りに適しています。

年中と年長の子が樹脂粘土でチョコバナナの屋台を作っていました。

ミニチュアを作る時、アルミ箔を使って鍋やトレイなどを作る方法を教えると

子どもたちがとても喜んでいました。

 

下は小3の女の子のシルバニアのパン屋さん用の小道具です。

イチゴと抹茶のマフィンがおいしそうです。バターロールやクロワッサンもあります。


遊びと学びの中間ゾーン

2019-02-17 17:56:35 | 工作 ワークショップ

工作はただ工作するだけでも、

巧緻性や創造力や芸術的な感性を高めてくれる楽しい活動です。

でもそれではちょっともったいないな~と感じるのです。

工作活動を支援する大人がほんの少し工夫するだけで工作は小学校に上ってからの

さまざまな分野の学力の基盤を作ってくれるものだからです。

そのためにはどんな工夫をすればよいのか、私が気にかけている点を書いてみます。

工作教室やアトリエに通っていると、「もう工作はしたから十分」と大人は思って

しまいがちです。けれどもそうした創作活動だけを主とした場とは別に

工作と勉強の中間ゾーンを意識した活動時間も持っていただきたいのです。

工作中、どんなことに気をつけると学力につながるのか……というと、まずひとつは、


★「見積もる力をつける」ということです。

見積もる力は、大人の指示に従いながら、集団で同じものを作っているうちはなかなか

身につきません。どんな簡単なものでもいいから、自分で作りたいものがあって

試行錯誤するとこうした力はアップします。

たとえば、四角形の周りの長さが20センチ、縦の長さが4センチの長方形の面積を

求める問題を見積もる力は、箱やひもを使って工作しているときに、

材料が足りなかったり、思うように作れなかったりする経験の積み重ねから生まれます。

準備しすぎず、完璧を目指しすぎず、教えすぎないことが工作を学力に結び付けます。

もうひとつ。

★ 道具の使い方を教えることも大事。

それも完成した道具よりも、ひもとプッシュピンと鉛筆をつないだコンパスとか、

お皿を使った円の描き方とか……が最適です。

なぜかというと、そうした原始的な道具は、辺や中心点の意味をそのまま子どもに

悟らせることができるからです。

また、ものさしの目盛りの読み方や、はかりや分度器の使い方をマスターさせると

理科でも算数でも役立ちます。

教え込むのでなくて、ゆっくり子どものペースでマスターさせていきます。

★ 動きを加えて、理科の知識を増やし、工作道具で遊ぶことが、実験の結果を

理解することにつながるようにする。

★ さまざまな角度からのものの見え方に興味がわくように工作する。

★ 手を使ったさまざまな作業を正確にマスターさせる。

★ 素材について学ばせる

★ 積み木やブロックなどシンプルなもので、頭を使う。

デュプロブロックとレゴの小さなパーツのブロックでは、デュプロの方が見積もる力を

育ててくれる一面があります(本格的なレゴ作品は別)。

パーツの形が決まっているので、計算しながら組み立てないと、

形が作れないからです。

どんどん複雑に、難しいものを・・・と親心でおもちゃのレベルを上げることは、

学力につなげるという点からいうとあまりよくないように思います。

 

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先の記事と重なる部分が多いのですが、遊びと学びの中間ゾーンを意識した活動の様子を

いくつか紹介しますね。

 

小学生の女の子ふたりの『お祭りの屋台ごっこ』です。

「分類する」作業が遊びに含まれていると、

楽しさが増すし、遊びの世界が広がります。

カラフルなおはじきやビー玉を色分けしては、キャンディー屋さん、ジュース作り、

魚の配達などをして遊んでいます。

  

水風船を膨らませて、ヨーヨー釣りを作りました。

 

「ろ過する」作業を喫茶店遊びに入れています。

  

屋台で売る小物として指輪を作っていました。

「折り紙を半分に折り、もう一度半分に折る」という作業で、

どの折り方が適切な細さになるのか考えました。

 

こんなシンプルな物作りでも、折った後の形を推理するようにしていると、

算数のセンスが身についていきます。

 

 

屋台とは関係がないかもしれませんが、

『ピッケのつくるえほん』というソフトで手作り絵本を作って、

販売するコーナーを作りました。

本作り、マンガ雑誌作り、新聞作り、詩集作り、写真集作りなども

遊びに取り入れると、遊びの質が上がります。

 

クレープ製造機。

 

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この日の午後に来た小1の男女のふたごちゃんと幼稚園の女の子のレッスンの様子です。

午前のレッスンの女の子たちが作っていた屋台用の遊び道具をもとにして、

自分たちが考えた遊びをいろいろと発展させていました。

 

色違いのスライム作り。

 

ヨーヨー釣り用の釣る道具は

ティッシュペーパーにモールの釣り針をつけて作ります。

簡単な工作だからこそ、物差しで測る作業や

「1㎝はどれくらいの長さか?」「10㎜は何㎝か」といったことに

気をつけて作ることができています。

 

濃度の異なる砂糖水を作って、二層ジュースを作っています。

 

水で膨らむジェルを使って遊ぶついでに試験管に入れて遊びました。

それぞれの数を描きだしたり、大きい球のときと小さな球のときでは、

どちらがたくさん入るのか推理したりしました。

  

「Aの5」「Fの6」など、座標を言って攻撃するバトルシップゲーム。

とても面白かったようです。

 

付録のおさるのてんびんばかりで遊びました。

付録で遊ぶときは、説明書が自分で読めるようになるようにサポートしています


それぞれ作るものはこんなに違うけど、最初に見た見本は同じです♪

2019-02-16 08:55:10 | 工作 ワークショップ

4年生と5年生の子らのレッスンで、

「切り込みを一度入れてから折ると、こんなふうにさまざまな形が生まれるよ」

というお手本を、作っている過程を見せて示したところ……。

「面白そう!」と夢中になって見ていた子たちがそれぞれ作った作品は、

次の通り……!?

 

それぞれ自分の好きなものを作っているようで、お手本からアイデアを得たり、

お友だちの作ったものからひらめいたり、お互いに影響を与えあったりして

作っていました。どこが同じかわかりますか?

 

切り紙から小さな冠を作り、それをカチューシャにすることに。

 

滑り止めもつけました。

 

 

世界の切り紙。雪の結晶の形がきれいです。

 

 

分度器を使って、60度ずつ折ります。

最初は難しかったようですが、上手に作れるようになってから、

いくつも作ってモービルを作っていました。

オリジナルデザインのものも作って、お友だちに絶賛されていました。

 

 

アナと雪の女王に出てくる誰でしょう?

 

 

 

占いの棒と入れ物。

 

 

帽子(わたしのお手本の山を応用)と、

広げると自然にもどってくる(はずだった)棒2タイプ。

 

 

この日は、角度の問題をいろいろ解きました。

こんなふうに、折り紙に問題を作ったものもあります。

それぞれ作るものはこんなに違うけど、最初に見た見本は同じです 1

と同様の、切り込みを入れて組み立てる見本を見た小2の★くんと☆ちゃん。

二人はお手本のアイデアを生かして遊園地を作っていました。

 

切り込むだけでできる動く歩道。

 

クリップで上下するエレベーター。エレベーターは直方体のたれ入れの容器で

作っています。

 


2種類のビー玉コースターのエレベーター

2019-02-12 12:01:37 | 工作 ワークショップ

もうすぐ1年生になるAくんとBくんのレッスンでビー玉コースターを作りました。

Aくんがビー玉が転がっていく先に2つ穴をあけたところ、1つの穴にばかり落ちていました。

「こっちの穴に落ちないんだよ」と真剣に悩んでいたので、なかなか落ちない方の穴を

指さして、「こちらに落ちたら、失敗、ゲーム終了、ということにしたら?」と

いうと、「そうする!」と喜んでいました。

が、何度やっても、失敗しないことに不満の様子。

しまいにAくんは、何度やっても失敗しないことについて、説明書きをすることに

していました。

うまくビー玉が下まですべるようになると、今度は、「下まで来たら、

エレベーターで元のところに上がって、またすべる、ってなるようにしたい」と言いました。

そこで、どんなタイプのエレベーターにするか、空き箱を探しながらいっしょに考えました。

Aくんが選んだのは引き出し式の箱を使ったエレベーターです。

ビー玉がすべりおりて、箱にある穴に入ると、引き出しをひっぱります。

下の写真のように引き出しを引き上げると、レールの手前で、引き出しにある

穴からビー玉が出てきます。これでエンドレスループの完成です。

 

Bくんは、小さな箱にビー玉が飛び込むようにしました。

 

ビー玉の重さでエレベーターが下がると、もう一方の絵が描いてあるエレベーターが

上に少しだけ上がる仕掛けです。

 


ビー玉転がし遊びのいろいろ

2019-02-03 23:08:31 | 工作 ワークショップ

巨大ビー玉コースター

2階建てのビー玉コースター

巨大なピタゴラスイッチ装置を作りました♪

ピタゴラスイッチ遊びを盛り上げてくれる切り替えのあるレール

ピタゴラスイッチを楽しむコツ♪

ちょっとおかしなデュプロ規格!? 1 ビー玉転がし

↑最近の人気の梱包用の筒を使ったビー玉転がしです。