虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

3、4歳の子でも、曲線のある立体物を作れるようになるための

2019-01-19 09:05:51 | 工作 ワークショップ

ショベルカーが大好きな年少のAくん。

教室にある小さな宝箱を見つけて、

フタの部分を指さして、「パワーショベルのほるところ」と言いました。

確かにパワーショベルのバケットと呼ばれる部分は、そんな形です。

 

パワーショベルの土をほる部分は、年少児には難しいだ円を半分にした形です。

そうした曲線を扱う工作をする時、教室では幼い子向けに

こんな手順を見せています。

 

長方形の紙を用意して軽く曲げて

作りたいものの形にします。

側面にする紙に当てて、えんぴつで曲線をなぞります。

えんぴつでかいた曲線を切る時、紙をもう一枚重ねて

同じ形が2枚できるようにします。

側面にテープで貼り付けたらできあがり。

 

こういう作り方をしていた子たちは、自然に展開図を思い描くことができるように

なっていきます。

 

写真のように、細長い箱をふたつ貼りあわせると、

パワーショベルのアームと同じように曲がります。

アームを車本体に貼りつける時、ゼリーの空き容器などを2つ重ねて使うと、

アームを自在に回転させることができます。


『生きものたちのつくる巣 109』

2019-01-14 18:27:48 | 工作 ワークショップ

娘が図書館で借りてきた『生きものたちのつくる巣 109』という

本がとても面白かったので、購入することにしました。

特に興味深かったのは、オーストラリアとニューギニアに住むニワシドリ

が作る「あずまや」と呼ばれる構造物です。

ひなを育てるための巣はメスが作り、

オスは「あずまや」という巣ではない不思議な形の構造物を作るのです。

トンネルのような「あずまや」を作って、卵のように見えるカタツムリの殻や

白い骨で飾り付けた「あずまや」を作る種類もあれば、

クリスマスツリーのような「あずまや」を作る種類もいます。

解説によると、ニワシドリの脳は他の鳥に比べて少し大きめなので、

メスが巣を作りひなを育てる状況でも、オスはオスで、

「巣づくりしたい」「ひなにエサをあげたい」「メスに求愛したい」

「メスに卵を産んでもらい、たくさん子孫を残したい」などの気持ちが、

本物の巣ではないけど、生命を育てることにつながるものをつくることになったの

かも……ということでした。

 

 小2のAちゃんが、ニワシドリのあずまやを作っていました

 Aちゃんはシルバニアファミリーが大好きな子です。

それで、梅田で展示しているシルバニアの新しいタウンシリーズの話をしたところ、

少し前にタウンシリーズを見たAちゃんが、

シルバニアの世界も進歩しすぎたから、昔の暮らしにもどらないといけない、

といったことを人形に語らせていたと、お母さんからうかがいました。

そうして、自分で小石などの自然素材を使ったシルバニアの世界を作っていました。

 

 『生きものたちのつくる巣 109』で最後に紹介されていたのは、

「人間」(!?)で、こんなことが書かれていました。

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昔々、人間は道具や火を使えるようになりました。それから、食べ物を食べるため

の道具や食器、寒くないように身に着ける福、安心してくらせる「家」つくり、

定期的に食べ物が手に入るように畑をつくり

家畜をかいました。物を運ぶために車などの移動手段をつくり

考えを伝えるために文字をつくり、心の平穏のために宗教や芸術活動をつくり

さらに電気などいろいろなエネルギー源をつくり……

この世の中では、じつにたくさんのものがつくられています。それらは元を

たどると生き物たちが新しい生命を生み育てるために

いろいろな「巣」をつくってきた延長線上にあるものなのかもしれません。

 

 引用  『生きものたちのつくる巣 109』   鈴木まもる 文・絵  株式会社エクスナレッジ

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 「こんなことをしたい」「こんなものを作りたい」「こんな風にしたい」

という子どもの心に生じる思いを大切にしてあげたいと思っています。

 

下の写真はガチャポンが作りたかった小1のBちゃんの

「自動販売機が作りたい」「ボタンを押すと出てくるようにしたい」

「ちゃんと取り出し口から出てくるようにしたい」

という思いから生まれた作品です。

 

下の写真は自販機の内部の写真です。

白いボタン部分を押すと、穴が重なりあって、オレンジジュースが滑り台をすべって

おりてきます。


小さな子でも簡単に作れる冬の工作

2018-12-20 23:26:40 | 工作 ワークショップ

とっても簡単で子どもが熱中する工作の作り方見本を考えてみました。

紙コップに毛糸を上のようにセロテープでつけて

巻いていきます。

コップのふちまで巻いたらテープでとめます。

顔を描いたら、人形のできあがり。

ひもを巻く作業が、子どもたちの心を集中に誘うようです。

 

目を描いたり、耳をつけたらできあがり。

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<おまけ>1 算数タイムの様子です。20より大きな数について学び中。

<おまけ>2 

小学2年生のAちゃんが作ったテントです。(こうした工作は見本なしに

子どもが自分で工夫して作っています)

家族でキャンプに行っているそうです。

 

 

 


小学1年生の女の子たちの最近の工作いろいろ

2018-11-20 14:12:19 | 工作 ワークショップ

 

「何が作りたい?」とたずねると、子どもたちひとりひとりから思いもよらない返事がかえってきて

驚くことがあります。

1年生のAちゃんが作ったのは、武将のかぶと と春日大社。

なぜ、それが作りたいと思ったかは不明です。

Bちゃんが作ったのは、ロシアの立体絵本です。

マトリョーシカを作るのに苦労していました。

別のグループの1年生のCちゃんが作ったのは、土星の立体絵本。

土星をめくると、中身が見えます。

Dちゃんが作ったのは、万華鏡です。

下に写り込んでいるのは本物の万華鏡の一部。

万華鏡を作るには細長い鏡のような面が3つ必要なのですが、教室になかったため、

いらないDVDを切って作りました。

DVDは意外に簡単にはさみできれます。

よく見える万華鏡ができました。

Eちゃんは何度もお家作りにチャレンジしています。

お家など同じものを何度も作りたい子には、展開図の描き方をマスターするように

教えています。

Eちゃんはしっかり学んでいました。

 

 


漢字の工場が作りたい♪

2018-10-23 09:31:06 | 工作 ワークショップ

小学1年生の子たちのレッスンで。

名古屋から通ってくれているAくんが、「漢字工場が作りたい」と言いました。

「漢字工場?いいアイデア」Bくんもそれに飛びつきました。

武器作りがしたかったCくんは、「今日は武器でないものを作る。できれば、漢字をテーマに

して作ることにしよう」という縛り

(Aくん、毎回、武器を作りたがるので、何回かに1回はこうした

縛りを設けて関心を広げています)に不満そうでしたが、

朝のレッスンの子が作っていたミョウバンの結晶を眺めるうちに、

「そうだ!漢字の結晶を作ろう!」とひらめいて、乗り気になりました。

写真を撮りそびれて残念ですが、「田」と「山」を作っていました。

 

Aくんの漢字工場。ベルトコンベアーで漢字を運びます。

 

Aくんの4年生のお姉ちゃんがいっしょに遊びに来ていました。

ストローで開閉する仕掛けを作って

漢字パズルを作っていました。

 

 

下は1年生のBくんの作品。

Bくんは毎日、時間さえあれば何か作っているという男の子です。

大人がおもいもよらないような発想で、ひとりでもりもりと漢字工場を作っていました。

磁石で引き寄せられる漢字のへんとつくり。

 

段ボールを開閉すると、漢字がコップに吸い付くらしい。

ストローで移動する漢字。


大好きなミニカー遊びからの遊びの発展

2018-10-21 20:21:55 | 工作 ワークショップ

ミニカー遊びが大好きな年中のAくん。

いつも教室で道路の板を並べて、建物のおもちゃやミニカーを設置するのが大好きでした。

Aくんは興味の幅が狭くて、遊びが同じ繰り返しになりやすいタイプの子です。

それで、Aくんの大好きな遊びにつきあいながら、工作技術を学んだり、新しい興味が広がるような活動を

加えるようにしています。

最初は道路や線路ばかり並べていたAくん。

この頃は、青い川の板や湖や海のプレートを好んで使うようになってきました。

そこにお気に入りに魚やサメ、カニやオットセイなどを配置して遊ぶのです。

川を超えるために、木の板を川の上に置いていたので、いっしょに鉄橋を作ることにしました。

信号が大好きなので、がちゃがちゃで信号機のおもちゃを買っておいてあげると、自分から進んで、

木に貼り付けて立つようにしていました。

信号機の光に興味を持っていたので、簡単な電子工作もしました。

 

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<おまけ>

下の写真は小学2年生の男の子たちの電子工作風景。

電流の流れる仕組みを学んだあとで、コツを飲み込んだようで、

いくつLEDをつけることができるか戦っていました。

 

 


『幼稚園』の付録を見本にがちゃがちゃ作り

2018-10-01 13:26:35 | 工作 ワークショップ

 

雑誌『幼稚園』の付録を参考にして

がちゃがちゃを作る子たちが何人かいました。

写真は3年生のAちゃん。

100円ショップのプラダン(プラスチックの段ボール)を切って、作ってみました。

 

簡単なつくり。

回す部分は透明のプラコップの底にハンドルを貼って、

コップの一部にカプセルが入る穴を開けました。

ハンドル回すときちんと出てきました。

 

 

 


ゴールは100円ショップの鉄琴のビー玉コースター

2018-09-21 22:06:44 | 工作 ワークショップ

年長の女の子たちがビー玉コースターを作って遊んでいました。

100円ショップの鉄琴を材料のひとつとして用意しておいてあげると、ゴール部分に

使って喜んでいました。

いい音が出ます。

女の子たちがビー玉コ―スター作りを始めたきっかけは下の

ビー玉をくぐらせるパズルです。


初めて会って意気投合。「はねのある恐竜」作り。

2018-09-05 20:38:55 | 工作 ワークショップ

年中のAくんと年長のBくん。

物静かだけれど芯が強くて独特の美的なセンスを持っています。

二人は今回初めて会ったのですが、たちまち意気投合していました。

 

AくんもBくんも、絵を描いたり物を作ったりするのが大好きです。

Aくんが好きなのは排水設備と算数タイム(毎回、算数タイムが終わる際に、

もっと長くやってほしいと必死に頼まれます。)、

Bくんが好きなのは、武士と恐竜と忍者とだんじり。

 

 Aくんはどんな作品を作る時も、

模様を書き込んだり、カラフルな色を付けたりするのを怠りません。

Aくんの作品は誰にも真似できないような不思議な美しさがあります。

 

Aくんは最初、飛ぶ恐竜の脚を4本描いていました。

「翼のある生き物はこんな風に足が4本ついていないよ。

うちの鳥さんたちを見てみる?」とたずねると、AくんもBくんも「見たい、見たい」と

鳥かごの前に集まって、鳥の脚を確かめて、目を丸くしていました。

おそらくぼんやりとはわかっていたのでしょうけど、注意して見ていなかったようです。

 

すると、鳥を見ていたBくんが、慌てて恐竜図鑑のところに戻って、

飛ぶ恐竜の羽根についた前脚を指さして、「ここが(鳥と)ちがう」と言いました。

↑写真が見えにくくてごめんなさい。翼に指がついています。

興味のある方は「飛ぶ恐竜」で検索して画像を見てください。

爪の生え方が興味深いです。

 

AくんとBくんはそれぞれ翼に爪をつけていました。Aくんはつける位置を

間違えてしまったのですが、「このままでいい」と言っていました。

 

Aくんがかわいいふくろのラムネを少しだけ入れて持ってきました。

二人でおやつにしたあとで、袋で風を送る道具を作って、

舟を動かして遊びました。Bくんもカイロの袋で同様の道具を作りました。

 

算数タイム。

生き物や化石のリアルなフィギアを数えながら置いています。

めずらしい種類のサメのフィギアが人気でした。

15+1は?

20-1は?

といった問題を出しながらどんどん置いて、50まで。

それからいっきに、「50、49.48、47……3,2,1、0!」と

数えていきながらフィギアを片付けました。

 

カードの課題通りに積み木を積むゲーム。

カードには、難易度によって、1、2、3といった得点がついています。

それぞれ自分が取ったカードの得点を足して計算しています。