虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

かけ算の暗唱に親しむためのバトルゲーム作り

2019-01-03 17:12:22 | 算数

小学1年生のAくんは、ちょっとゆっくりな面がある男の子です。

年長の時に、数への苦手意識がとても強かったので、

大好きなポケモンゲームで遊びながら計算に親しむうちに

少しずつ算数が好きになりました。

今では教科の中で一番算数が得意だというほどになりました。

 

このまま2年生も算数好きのままがんばってほしいな、と願っています。

でも、2年生の算数は単位の変換や九九の暗唱など、子どもがつまずきやすいポイントが

いろいろあるのです。

暗記が苦手なAくんが、いきなり大量の九九の暗記を強いられた時、

困り切ってしまわないか、今からちょっと気にかけています。

 

<かけ算の暗唱に親しむためのバトルゲーム作り>

そこで、丸い形に切った画用紙にポケモンの絵の切り抜きを貼って、

九九のバトルゲームを作りました。(自分で絵が描ける子は描くといいですね。

写し絵もOKです)

絵を貼った面に

3×

4×

といった書き込みをすることと、2,2、3、3,4,5と面に書いた

簡単なかけ算用さいころと、4,5、6,7,8,9と書いた難しいレベルの

さいころを作るとできあがり。

<遊び方>

ポケモンのカードを裏返して山にしておいておきます。

自分の番になったら、カードを1枚ひいて、

さいころを選んでふります。

カードが2×で、

さいころが、3だった場合、2×3=6で6点ポイントになります。

九九の答えがわからない時に調べられるように九九表も用意しておきます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Aくんはゲームがすっかり気に入って、何度も繰り返し遊んでいました。

遊ぶ時に、耳に残るように、繰り返し、出た九九を暗唱してあげるようにしました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<おまけ>教室の算数タイムの風景

ちびっこちゃんたちは、金塊に夢中です。

真剣に数えながら並べます。

ビー玉のお薬作りも大人気です。

大きな金塊は小さい金塊10個と交換できます。


4歳児さんを中心にした知恵遊び

2018-12-28 17:49:38 | 算数

4歳児さんを中心にした物作り 知恵遊び をまとめました。

興味のある方はリンク先に飛んでくださいね。

 

3、4歳児さんの知恵遊び 物作り

 

4歳児さんたちのゲーム、算数、ブロック、好奇心を広げるための活動

 

 

 算数遊びが楽しくてたまらなくなってきました♪ カードゲーム、理科遊び、物作り

 

 

グループレッスン2年目 成長した2歳半~3歳だった子たち

 

 

ボードゲームがとっても楽しくなってきた

 

 

4歳になったばかりの子 数の取り組みは? 1

4歳になったばかりの子 数の取り組みは? 2

4歳になったばかりの子 数の取り組みは? 3

 


3歳児さん(を中心にした)工作 知恵遊び

2018-12-27 18:53:08 | 算数

工作記事や通常レッスンの記事を年齢別の分けて探ししやすいようにしてほしい、という要望が

あるのですが、工作や知恵遊びやレッスンの内容はだいたいの年齢で分けられるものもあれば

年齢を超えて10歳くらいの子から1歳前後の子まで同じ活動を楽しんでいるものもあるので簡単に分けることができません。

年齢別のものを見たいという方には、定期的にまとめの記事を紹介していますので、

そちらからリンク先に飛んでくださいね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3歳児さんたちの工作や知恵遊びの様子をいくつか紹介します。

あやつり人形のお散歩ワンちゃん と 幼児用手作りトランプ

 

 

3歳児さんたちのグループ 工作 ゲーム ごっこ遊び

 

 

ひとつひとつの活動に集中する2歳児さん お友だちの反応を楽しむ3歳児さん

 

 

3、4歳児のグループレッスン 個性に合わせた働きかけ 1

3、4歳児のグループレッスン 個性に合わせた働きかけ 2

 

 

3歳半~4歳半の子のグループレッスン ミッション

 

 

子鉄くんたちのごっこ遊び、工作、算数

 

 

年少さんと工作、知恵遊び

 

 

小さな力で大きな破壊力

 

 

排水設備に興味しんしん

 

 

3歳半 ひとつひとつの遊びにじっくり関わり、発展させることができるようになりました


少し難しい算数の問題をみんなで考えると面白い

2018-11-26 21:17:28 | 算数

少し難しい算数の問題も、具体物を使って操作しながら

解くと、頭脳パズルのようです。

みんなでわいわい考えると、本当に面白いです。

 

写真は、3年生の男の子たちと、

3,4,5,6、のように連続している4つの数を足すと、26になる時、4つの数は

それぞれ何になりますか?という問題を考えているところです。

トレイに数玉を分けてみて、連続しているから、1つずつ多くなっている部分は

トレイの横に置いていくようにして考えています。

「先に、トレイの外にあるはみ出している数の1+2+3を26から引いておくと、

割り算になるね」と気づきました。


就学前に何を学習したらよいか  心的パターンを創造するよう うながすには? 続きの続き

2018-09-20 21:23:55 | 算数

前回の記事で、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

親御さんから、

「他人の話を聞きません」

「みんなが集まっているときに、一人だけ自分勝手に振舞っています」という

相談を受けるとき、子どもの様子には何の心配も感じられないけれど、

その子を見守る親御さんの言動が気になる、ということは結構あります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と書きました。

 

子どもが相手の話に熱心に耳を傾けるようになるには、

自分の話に、親愛を込めて、熱心に、耳を傾けてもらった経験が

たくさん必要です。

 

0~3歳の脳を形づくる環境がわかるスケール

という記事でも取り上げたのですが、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

① 世話をする人の情熱的、言語的な反応の仕方

子どもが声を出したときに、反応しないとか、単に動作を真似するという

レベルではなく、親愛を込めて、心のこもった言葉で応えているか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

が、子どもの脳の発達に大きな影響を与えることが指摘されています。

 

「他人の話を聞かない」という子とお母さんの関わりを見ていると、

お母さんが子どもの話に相槌を打ったり、

うれしそうな表情で子どもが興味持っていることに共感を示したり、

子どもが始めた話で盛り上がったりする姿が少ないように見えることがよくあります。

 

その一方で、子どもの振舞いを心配そうに見つめたり、

「きちんと聞きなさい」と注意したり、

子どもが笑いながら話しかけるのに、さらっとした反応を返したり、

大人の説明に飽きて、半分腰を浮かしている子にくどくどと言って聞かせたりすることは

多いようです。

 

性格上、「情熱的」に相手の話を聞くのが苦手な方もいらっしゃるでしょうが、

幼い子にとって、親の自分に対する反応の質がいかに大切か、

どうか心に留めておいてくださいね。

 

↑ 大きな数を体感するための手作り教具です。

 

就学前に何を学習したらよいか  心的パターンを創造するよう うながすには? 続き

2018-09-17 09:35:12 | 算数

『よみがえれ思考力』から、子どもが心的パターンを創る過程を援助するための

ガイドラインの続きです。

 

本にある順序は変えてあります。

なぜかというと、親御さんの多くが、「パズルや市販されている教材」とか

「何度も繰り返し練習」いったお金で購入できるものや、

子どもに強いることができるものを目にすると、それに気を取られるあまり、

もっと重要で基本的なことを無視してしまいがちだからです。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★ 自分で遊ぶ時間を子どもに与えること。子どもにつきまとう母親は、自分自身で

心的パターンを形成するという能力の成長を邪魔している。


★ パズルや市販されている教材が視覚のパターン化に役立つだろう。

寄せ木細工のブロックやドミノ、万華鏡もよいだろう。

「この絵はどこがおかしいんだろう?」といった質問は認知の技能を結びつける

ことになる。

                    (『よみがえれ思考力』からの引用)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方で、不必要に子どもにつきまといながら、

他方で必要とされる教具を用意しても、

自ら意欲的にさまざまなものを吸収していこうとする態度につながりません。

  

とはいえ、「つきまとうのがよくない」と字義通りに解釈して放任しすぎたり、

孤独を感じさせるほど一人遊びを強いたりするのも問題です。

子どもが、就学後の学習に核となるような心的パターンを形成するのを

援助するには、大人がちょうどよいバランス感覚を身につける必要があります。

 

 

            ↑ ポケモンチップで対戦中 

  

子どもが学習の基盤となる心的なパターンを形成していく上で、 

それを援助し高めるのも、邪魔して押さえつけるのも、 

身近にいる親の「感じ方」とのつながりを感じています。

  

春休み向けの算数クラブで、親御さんから、「他人の話を聞きません」

 「みんなが集まっているときに、一人だけ自分勝手に振舞っています」という

相談を受けることが何度かありました。

実際、算数をテーマにした遊びやクイズをするとき、子どもたちを呼び集めても、

席に着こうとしない子は何人かいます。

 

「これやってみたい子!作り方を教えて欲しい子はいる?」とたずねると、

「はい!」「はい!」と元気に手があがる中で、一人遊びに興じている子もいます。

 お母さんが何かたずねたり、教えたりしているときに、今にもその場を逃げ出し

そうな雰囲気で気もそぞろになって、話を聞いている子もいます。

 

わたしは、そうした姿があるから、即、集団活動が苦手で他人の話を聞くのが

 苦手な子だとは思いません。 

わたしなりに、「この子は気がかりな子」「あまり心配はいらない子」という 

判断の基準があるからです。

 

たとえば、こちらの目を見てよくニコニコ笑う子が照れたり、恥ずかしがったり、

少し我を張ったりして、ほかの子らと一緒にする活動に参加しなかったり、

こちらの話をきちんと聞かずにうろうろする場合、

あまり心配はいらないと思っています。

何度かレッスンに通ってもらえば、みんなでする活動を楽しむようになり、

 大人の話に集中して耳を傾けるようになるはずですから。

表情、目の合い方、暗黙の了解の理解度、遊び方、おしゃべりする内容、

親子の関わり方の様子などから、気になる子もいます。 

 

親御さんから、「他人の話を聞きません」

「みんなが集まっているときに、一人だけ自分勝手に振舞っています」という

相談を受けるとき、子どもの様子には何の心配も感じられないけれど、

その子を見守る親御さんの言動が気になる、ということは結構あります。


就学前に何を学習したらよいか  心的パターンを創造するよう うながすには? 

2018-09-16 20:55:50 | 算数

『よみがえれ思考力』の著者、ジェーン・ハーリーは、小中学校の教員、

読みと学習のスペシャリスト、大学教員、小学校校長などのキャリアを持つ、

国際的にも評価のある研究者です。

 

ジェーン・ハーリーは、子どもの学習について長年研究したのち、

パターンというものが知能にとっては鍵であると確信するようになったそうです。

情報をパターン化するということは、それまで発達している心的な留め金で

新しい情報を関連付け、まとめあげることです。

感覚レベルで入力された情報をまとめあげ、関係性を「見て取る」ことができる

子どもたちは、思考と考えをまとめあげるのに手間取りません。

 

わたしは虹色教室で自閉症の子たちと接することが多いのですが、

どの子も経験したことを意味へと落とし込めないために困っています。

学校での成績は抜群の一部のアスペルガー症候群の子らにしても、

経験から意味をつむぎだすのは、非常に苦手なようです。

 

ジェーン・ハーリーも、自閉症児のひきこもりや異常なこだわりは、

経験を意味のある形にまとめることができないことの障害から派生しており、

彼らは見たもの、聞いたもの、感じた物が混沌とした状態になっているのだと

多くの専門家が考えていることを指摘しています。

 

ジェーン・ハーリーによると、早期教育の弊害とは、

レベルの高い課題を、その脳の領域が発達する前にこなそうとすると、

低次の神経系を使ったり、自分で意味のパターンを創造するより、

言われたことをただ受け取るような「習慣」がつくことに原因があるようです。

 

就学前の子に何より大切なのは、

意味を探究し、自分で意味のパターンを創造するように援助することです。

 

虹色教室の活動でも、子どもが周りの世界を理解する方法を身につけること、

自ら心的パターンを創造していくよう助けることを一番大切にしています。

 

といっても、そうした言葉だけでは、具体的にどんな関わりをしたらいいのか

ピンとこないですよね。

『よみがえれ思考力』の中にも、ほかのさまざまな幼児の発達を研究する本の中にも、

ヒントやアドバイスが載ってはいますが、

実際にそれを実行するとなると、戸惑う方も多いのではないかと感じています。

 

そこで、教室で心的パターンを創造するために

どんな働きかけをしていて、子どもがどのように成長していったのか、

できるだけていねいに書いていこうと思っています。

 

 

 

幼児期の子どもが心的なパターンを創造していくには、どんな環境が必要なのか、

レッジョ・エミリアにしても、モンテッソーリにしても、

そのほかの幼児の認知の発達をていねいに研究している方々にしても、

さまざまな貴重な実践方法を提示しています。

 

そうした実践のひとつひとつに向き合ってみたら、どうだったのか。

上手くいかない場合、どのような工夫が必要だったのか。

 

自分の子らや虹色教室の子どもたちと過ごす中で発見したことを

順に整理していきたい、と目論んでいます。

 

とはいえ、あれもこれもと盛り込もうとすると、

読んでいる方々に混乱を与えてしまうでしょうから、

まず最初に、赤ちゃん期から青年期までの子どもに必要な働きかけと、

発達研究の成果をバランスよく伝えてくれる

『よみがえれ思考力(ジェーン・ハーリー著)』で取り上げられている

<就学前の子向けのガイドライン>をベースにして

教室で発見したことについて書いていこうと思います。

 

ここから下の赤い文字で書いている部分は、『よみがえれ思考力』からの引用です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★六歳以前の子どもの仕事は、周りの世界を理解する方法を学習することであり、

学習に関わる神経構造が関与しない意味のない教材を丸暗記させることでは

ないことに気をつける。


★心的パターンは感覚連合のネットワークの上に作られる。

感覚的な世界のパターンに注意を向かせるように子どもたちに仕向ける。たとえば、

「これはどんな味がする?」とか「それは何の形に似てる?」という問いかけをする。


★日常的な出来事の中で、子どもが関係や意味を理解できるように助けること。

たとえば、子どもがくどくど聞き続ける「なぜ」という質問は、

出来事のつながりをつけたいニードの表現法の一つである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上の3つのことは、幼児との関わりでとても大切なことですが、

親子関係でも園などの先生と子どもの間でも軽視されがちなことのように感じます。

幼児は、目で見ること、耳で聞くこと、手触りや匂い、味などに注意を向けて、

言葉で大人と共感しあう中で、感覚的な世界のパターンに気づいていきます。

 

幼児の暮らしが、「とにかく何かをしなくては」「できるようにならなくては」と

アウトプットをして周囲に評価されることを中心に回っていることはよくあります。

 

そんなふうに忙しくしていると、長い時間、何かを覗きこんでみたり、耳をすませたり、

砂や粘土の感触と戯れたり、匂いを嗅いだり味わったりしながら、大人とおしゃべりする

時間は、どれも無意味で無駄な時間のようにしか感じられないかもしれません。

でも、それは大きな間違いのようです。

 

幼児の心的パターンは、感覚連合のネットワークの上に築かれるのですから。

以前、こんな記事を書いたことがあります。具体的な方法を知りたい方は、

リンク先に飛んでくださいね。

 

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 1 <見る>

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 2 <見た後で>

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 3 <聞く>

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 4 <聞いた後で> 

★幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 5<感じる>

 

子どもが関係や意味を理解できるようになるために、子どもの体験するさまざまな

出来事をていねいに解説を添えたり、子どもが自分でやってみれるようにしたり、

子どもにもわかるレベルの間違った推理をして、「ちがうね~」と考えさせる機会を

作るようにしています。ちょっとした工作をするのも、役立ちます。

次のリンク先は、2歳6ヶ月の◆ちゃんのレッスンの様子です。

 

2歳6ヶ月の◆ちゃん 昼と夜が気になる

 

◆ちゃんの一つひとつの体験に、ゆったりていねいに付き合うことで、

◆ちゃんはさまざまなことに疑問を持ち、周囲の物事を関連づけ、

論理的に考えていく力を発展させていきました。この春、年中さんになりますが、

観察力、ゲームのルールや物語などの理解力、分析する力、言葉で表現する力、

エネルギッシュに物を作り出す力など、どれもしっかりと育っています。

 

 

これは、春休みの算数クラブに来た新年長さんたちの工作風景です。

ゴムで飛ばす鉄砲のようなものや弓矢のようなものを作って

得点ゲームを作っています。

ゴムが引っかからず、うまくいかないとき、「どうすればいいのかな?」と

一緒に作品を眺めていたら、

「そうだ、引っかけるところを作ればいいんだよ」と言いながら、

ハサミで逆三角形の切り込みを入れていました。

また、お友だちの作品と同じものを作ろうとして、

真似してストローを貼り付けたものの、実際、ゴムをかけてみると、

ゴムがストローと鉄砲の間に食い込んで飛びませんでした。

「どうしてだろう?」と、うまくいかない部分を観察していると、

「わかった、セロテープを真ん中らへんに貼ってるからだ。

だから、ゴムが入っちゃうんだ」とうれしそうに言っていました。

「こうよ」と教えるのではなく、「どうすればいいかな?」「どうしてだろう?」と

一緒に首をかしげながら、物をさまざまな視点から観察してみる体験は、

見る力の質的な変化をうながします。


年中さんたちの算数レッスンで  100ってどれくらい?

2018-09-13 21:41:45 | 算数

年中さんたちのレッスンで、『おうさまがかえってくるまで100びょうまえ』という本を

読んであげると大盛況でした。

この本、読んであげる年齢層によって

響くところがちがう本です。

 

小学1年生のグループでは、この本で、60秒をカウントする時、「後、40秒で、100秒でしょ?」と

残り時間をカウントしたり、「72秒が1分と12秒」と言ったりしていました。

寝ているけらいを起こしているシーンでは、「あーあ、10秒も無駄にしてしまった」とつぶやいていました。

 

年長さんたちは、カウントしている数の流れがよくわかっていて、「70秒の1秒前は69秒だった」

「80秒の2秒前は78秒だった」「100秒の半分は50秒」ということがわかっていました。

 

年中さんたちは夢中になっていっしょに100まで唱えていました。

そして、「100の半分ってどれくらいかな?」とたずねると、

「8くらいかな?」「うーん、12くらい?」ととんちんかんな答え。

「じゃあ、100ぴきのハムスターを、数えてみよう」とハムスターを

容器の中に入れていきました。

100は本当にいっぱいです。

100の半分もいっぱいありました。

 

 

くりあがりの学習をしています。7たす4をしています。4ひき増えるけど、

10のおうちに入る方の手を選んでね、というと、ちゃんと選べていました。

10と1になるので、11。

年中さんたち、「算数大好き大好き!」と大合唱してくれて、かわいい限りでした。

 

他の算数遊びをごらんになりたい方は、

http://nijiiroonline.moo.jp/senden/

のサンプルページをごらんください。

サンプルだけでも、十分遊んだり学んだりしていただけるように

たっぷり紹介しています。


古生物作り と 1年生の女の子たちの算数レッスン

2018-09-03 20:17:22 | 算数

 

Aちゃん、Bちゃん、Cちゃん、小学1年生の女の子たち3人のレッスンでの出来事。

(この日、小3のCちゃんのお姉ちゃんのDちゃんも参加していました。)

 

まず、古生物の話から。

教室では、今、

リアルサイズ古生物図鑑 古生代編 http://bunshun.jp/articles/-/8402

という本がとっても人気です。図鑑を見た子たちが、次々に、

古生物を粘土で作っていました。

写真は、Dちゃんの作ったコエルロサウラウ¨ス。

これまで知られている脊椎動物の中で最も初期に空を飛んだもののひとつで、

翼を折りたたむこともできる。

Dちゃんは、「折りたたむ」仕掛けに関心のある子で、

2年前のレッスンでも、こんな作品を作っていました。

基礎的な発見 2 <折りたたむ>

で、Dちゃんの工夫を見ることができます。

この翼を折りたたむという生物にとても興味が湧いたようです。

今回は粘土で制作したため、つばさを折りたたむ仕掛けに作れなかったのですが、

次回は紙で作ってみるのもいいかもしれません。

Cちゃんはイノストランケウ¨ィアというペルム紀の古生物を作っていました。

尖った石があったので、それを牙にすることを思いついたのです。

 

Aちゃんはプテリゴトゥス・アングリカスという

ウミサソリの仲間を作っていました。Aちゃんは形にとても興味がある子で、

台形を貼り合わせて、丸みのある形を作るなど、いつも形の世界をたんきゅうするような

工作をする子です。

 そんなAちゃんが、Dちゃんが工作で使っていたバランを見て、

「これって、24652465~って並べていたのと同じね」と言いました。

24652465~というのは、ユースホステルのレッスンの日、

Aちゃんより年上の子たちが学んでいた規則性の問題のことでした。

Aちゃんいわく、23452345とは、上の写真のように

バランの山が規則的に並んでいるということに気づいたそうなのです。

写真は、バランを切って、Aちゃんが説明してくれたものです。

そこで、算数レッスンの時間に、Aちゃんの発見を問題にすることにしました。

バランが、山山山半分の山というつながりでできているとします。(半分とはいいがたいですが、

ここではちょうど半分ということにしました)

 

「バランが2つだと、山はいくつになるでしょう?」 答え7

「バランが4つだと、山はいくつになるでしょう?」 答え14

「バランが8つだと、山はいくつになるでしょう?」 答え28

こんな問題です。

最初はわからなかった子たちもテキパキ答えていました。

 

バランについて考えた後で、ユースでした規則性の問題を子どもたちに

たずねると、しっかり(数え上げてですが)解いていました。

という絵本を読んで盛り上がりました。

この絵本は子どもたちに大人気です。

絵本の中で、60秒になった時、「何分でしょう?」と聞くと、

「1分」と答えていたので、

 

65秒は何分何秒?

70秒は何分何秒?

100秒は何分何秒?

 

と問うと、みんな喜んで答えていました。


「算数なんて必要ないんだってことを先生に説得する」とYくん

2018-08-20 23:23:54 | 算数

いろいろ体験したがるけれど、「ああ、楽しかった」で終わってしまう 3

の続きは近いうちに書きますね。

明日からユースです。

明日のユースでのレッスンを楽しみにしてくれているYくんが、

「明日か、ついに!いえーい!」と楽しみにする一方で、

「算数もあるからね」ととお母さんに言われると、

「算数なんて必要ないんだってことをなおみ先生に説得する」

と言っていたそうです。

「毎度いちいち怒って抵抗しながらやってるので、今回もやると思います」という

お母さんの弁。

Yくんは最近、教室に参加しはじめたばかりの男の子です。

アマゾンに探検に行くことを夢見ています。

そこで、虹色教室で算数をする必要があることを、

Yくんにブログ経由で説得することにしました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Yくんへ

虹色教室で算数をする理由は、虹色教室では算数の中に隠れている

「面白さの秘密」を見つけ出すところだからです。

それは、Yくんが行きたくてたまらないアマゾンの奥地に隠された秘宝と同じような

貴重なものです。

それを手に入れれば、これからYくんが算数と会うたびに、

ちょっとずつ好きになっていくかもしれないという魔法のお宝です。

これから先、めちゃくちゃつまんなくてたまらない算数とおつきあいする時間が、

その秘宝さえ手に入れたら、

もしかしてめちゃくちゃ面白い時間になるかもしれないんです。

そうすればYくんが大嫌いな退屈で無駄な時間が、

たのしいわくわくする時間に魔法のように変化するかもしれないでしょう?

だから、算数の勉強が、ワニに食べられたり、毒へびにまきつかれたりするより

うんざりするつまらないことだと思うかもしれませんが、

そんな試練にめげず、算数の秘宝をいっしょに探しに行ってください。