『よみがえれ思考力』から、子どもが心的パターンを創る過程を援助するためのガイドラインの続きです。
本にある順序は変えてあります。
なぜかというと、親御さんの多くが、「パズルや市販されている教材」とか「何度も繰り返し練習」いったお金で購入できるものや、子どもに強いることができるものを目にすると、それに気を取られるあまり、もっと重要で基本的なことを無視してしまいがちだからです。
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★ 自分で遊ぶ時間を子どもに与えること。
子どもにつきまとう母親は、自分自身で心的パターンを形成するという能力の成長を邪魔している。
★ パズルや市販されている教材が視覚のパターン化に役立つだろう。
寄せ木細工のブロックやドミノ、万華鏡もよいだろう。
「この絵はどこがおかしいんだろう?」といった質問は認知の技能を結びつけることになる。
(『よみがえれ思考力』からの引用)
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一方で、不必要に子どもにつきまといながら、他方で必要とされる教具を用意しても、自ら意欲的にさまざまなものを吸収していこうとする態度につながりません。
とはいえ、「つきまとうのがよくない」と字義通りに解釈して放任しすぎたり、孤独を感じさせるほど一人遊びを強いたりするのも問題です。
子どもが、就学後の学習に核となるような心的パターンを形成するのを援助するには、大人がちょうどよいバランス感覚を身につける必要があります。
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子どもが学習の基盤となる心的なパターンを形成していく上で、 それを援助し高めるのも、邪魔して押さえつけるのも、 身近にいる親の「感じ方」とのつながりを感じています。
春休み向けの算数クラブで、親御さんから、
「他人の話を聞きません」
「みんなが集まっているときに、一人だけ自分勝手に振舞っています」
という相談を受けることが何度かありました。
実際、算数をテーマにした遊びやクイズをするとき、子どもたちを呼び集めても、席に着こうとしない子は何人かいます。
「これやってみたい子!作り方を教えて欲しい子はいる?」とたずねると、「はい!」「はい!」と元気に手があがる中で、一人遊びに興じている子もいます。
お母さんが何かたずねたり、教えたりしているときに、今にもその場を逃げ出しそうな雰囲気で気もそぞろになって、話を聞いている子もいます。
わたしは、そうした姿があるから、即、集団活動が苦手で他人の話を聞くのが苦手な子だとは思いません。
わたしなりに、「この子は気がかりな子」「あまり心配はいらない子」という 判断の基準があるからです。
たとえば、こちらの目を見てよくニコニコ笑う子が照れたり、恥ずかしがったり、少し我を張ったりして、ほかの子らと一緒にする活動に参加しなかったり、こちらの話をきちんと聞かずにうろうろする場合、あまり心配はいらないと思っています。
何度かレッスンに通ってもらえば、みんなでする活動を楽しむようになり、大人の話に集中して耳を傾けるようになるはずですから。
表情、目の合い方、暗黙の了解の理解度、遊び方、おしゃべりする内容、親子の関わり方の様子などから、気になる子もいます。
親御さんから、
「他人の話を聞きません」
「みんなが集まっているときに、一人だけ自分勝手に振舞っています」
という相談を受けるとき、子どもの様子には何の心配も感じられないけれど、その子を見守る親御さんの言動が気になる、ということは結構あります。
次回に続きます。