上の写真は1歳3ヵ月のAちゃんの写真です。
1年生のお兄ちゃんがいるので、写真のクラッシュアイスゲームを購入したところ、
お兄ちゃんとお母さんがピースをはめて氷面をセッティングして、
Aちゃんが氷面を一撃で壊すという関係が繰りかえされているそうです。
教室でお家と同じクラッシュアアイスゲームを見つけたAちゃんは、
氷のピースをお母さんとわたしに手渡しては、早く氷面を完成させるよう
催促していました。
1歳の子たちは、「はい、どうぞ」とお母さんや身近な大人に何かを手渡すこと
1歳ちょうどの子たちは、自分の持っていたものを相手の手に落としていくか、押し付けていくような感じですが、
1歳3ヵ月くらいになると、「はいどうぞ」と手渡すと、相手がそれをどう扱うかよく知っていて、
それを期待して渡すようになります。
Aちゃんの場合、「いくつもいくつもピースを渡すうちに
お母さんが順番にそれをはめていくので、
最終的に氷の面ができがって自分がそれをたたいて遊べるな」とかなり先のことまで見通した上で
遊んでいます。
Aちゃんのように相手からフィードバックを期待して働きかけるようになる時期、
子どもが何を期待しているのか、こちらの行動から何を読み取っているのかに
思いをはせながらていねいに接していると、
その後の他者から学ぶ力に大きな影響を与えるのを感じています。
上の写真は、1歳1か月のBちゃんが
自分の靴下をくつの中に入れようとしているところです。
Bちゃんのお姉ちゃんのひとりが、いったん脱いだ靴下を、なくならないように靴の中に入れておく
習慣があるそうなのです。
それで、Bちゃんも自分の靴下を手にすると、玄関の靴に向かっていくのです。
こうした真似っこは、繰り返すうちに、次第に真似する相手の意図を読み取りつつ模倣する
という一ステップ進歩したものへ変化していきます。
↑えんぴつでらくがき。
1歳前半の子たちは、小さいものをつまんで、ひっぱるのが大好きです。
↑の写真は、Bちゃんのために作った「ひっぱるおもちゃ」で遊ぶ
Bちゃんとお母さんの姿です。
こういういたずらのような遊びは、「遊んでいるな」と、
ただ見守る場合が多いと思うのですが、大人が返すフィードバックと環境(主に情報を減らして、
子どもが違いや用途に気づくようにすることです)
をわかりやすいものにすると、
1歳児さんたちは、大人とのやり取りに興じながら、相手の考えていることに
関心を寄せ始めます。
「こっちは長い」「こっちは短い」「こっちはストローをさしておいて引き抜く。なぜなら、そういう形だから」
「こっちは指で押さえる。」といったことを、模倣しながら理解していくだけでなく、
相手の行動と理由の結びつきに敏感になっていきます。
子どもたちの育ちを観察していると、
この時期の関わり方が、3歳頃の理由への関心や問題解決能力に影響を及ぼしている
のではないかと感じています。