虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

親の性格タイプが子どもに与える影響について

2009-03-10 10:07:14 | 子どもの個性と学習タイプ

見たところ内向感情型や外向感情型の子に見える小学生の男の子が、
勉強に行き詰まって虹色教室に通ってくるようになったとき、
しばらくすると頭を使う遊びを強く欲して
熱中するようになるときがあります。
頭脳パズル、推理ゲーム、将棋に似たゲーム、分析力の必要なパズル
機械的推理能力を必要とする工作、推測する力を必要とする理科実験などです。

そうした時期を経ると
子どもの姿が変化してきて
それまで難しそうな問題はイヤだ~と避けていたのが、
自ら進んで解きたがるようになり
高い思考力をあらわすようになったりします。

すると、その子の雰囲気も顔つきも変わってきて…
この子は本来感情型の子ではなく、
外向感情型のお母さんの影響を強く受けすぎてそう見えていただけで、

内向感情型と見えた子は、内向感覚型の思考寄りの子だったんだな、
外向感情型と見えた子は、外向直感型の思考寄りの子だったんだな…と
わかるときがあります。

勉強での行き詰まりの原因は、
こうした思考寄りの子たちの
「じっくり考えたい」「試行錯誤を繰り返したい」「知的な遊びに熱中して、知能を高めたい」という要求を、
しばしば感情型のお母さんが「ムダ」と捉えてしまうことにありそうです。

感情型の方(子も)は、
なぜ勉強するのか…と言えば、
知的好奇心よりも
人間関係で有利でありたいから…と考えている場合が
よくあります。
周囲から一目置かれたい
教師から褒められたい
集団の一員としてみんなに認められていたい、馬鹿にされたくない…
などなど…
それ自体は勉強のモチベーションとして
何も悪いことではないのです。
しかし、まずはじめに
周囲から評価されることを目的に学習するとき、
「脳」を育てることは手薄になっても
他人より先に進んでいることや
テストに出そう、評価されそうなことを、
いち早くマスターしておく作業に力を入れがちです。
それは大人の勉強法としては良いのですが、
脳が育っていく時期の子の学習法としては
あまりよくありません。

ここで問題なのは、

できるだけ自分も子どもも頭を使わず楽をして、周囲から良い評価を得たい

と無意識で考えている場合もよくあることです。

○○式のような教室に子どもを通わせたいと考えるお母さんには、

これさえしておけば、次は何をさせようかと悩むことも、
難しすぎる問題に行き詰って苦しむこともない
頭は使わず、手さえ使っていれば、
周囲から表彰されるような良い結果が得られるところが魅力!
と感じている方がいます。

そうして思考を何かにすべておまかせにしたい…方が

こうした学習法に魅力を感じるためか、
私がこれまでお会いした方々から判断して、
○○式のような系統だった学習に子どもを全力投球させる親御さんには
感情型の方が多いようです。(失礼な書き方になっていたらごめんなさい)

前にも書きましたが、それが悪いわけではありません。
ただ「頭を使わずに…」という潜在意識の部分は
一度意識化しないと、
どうしても子どもに影響を及ぼすように感じます。

うちの子が中学生のとき、怪しげな教材を抱えた宣伝マンが
うちに来たことがあります。
薄っぺらなテキストを出して、
「公立中学のテストは出るところが決まっているんです。
ですから、これさえしておけば満点です」と言うのです。
「これからは、勉強しなくても、いつでも満点が取れますよ」と言いながら
薄っぺらい本に何十万円という値をつけて売りつけようとするのです。

まさかこんなものを買う人はいないだろう…
と呆れつつ帰ってもらいましたが、
数日後、私の知人が購入したのを知りました。

この知人…人間関係ではとっても賢い方で
友達が多く、子どもからも慕われています。
教育熱心で、子どもが遊んでいると不安になって、
ちょっとでもお勉強的なことをさせていたいと考えている方です。
ただ、時間をかけたくない
最短距離でしたい
という気持ちが子どもに移って、子どもさんは
じっくり考えなければならない場面が近づくと
する前から腰がひけている様子でした。

勉強に役立ちそうもないものでよいから、
ただの遊びでいいから、

頭を思いっきり使ったら気持ちよかった!!

という経験を積ませてあげたら、
自分から問題にぶつかっていく姿勢が身に付くのではないかな?
と感じました。

話がずいぶんそれてしまったのですが、
感覚型の子も直感型の子も思考寄りの子は
考えることや頭を使うことを好みます。
自然に遊ばせていると、頭脳活動に惹きつけられるのです。
そうした活動を取り上げて、潜在的な頭を楽させたい思いから
はじまる
お勉強っぽいことばかりさせていると
こうしたタイプの子の能力はゆがめられるように感じます。

乳幼児でしたら、
いたずらや探索活動より
文字の学習や暗唱や計算の暗記に価値をおきすぎることも
同じ問題を生むように思います。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (まはーる)
2009-03-10 12:26:24
○○型、という記事を拝読していても、うちの子が何型なのかはサッパリわからないのですが(どの特徴も少しずつ持っている気がして…)、無意識に外からの評価のために勉強する傾向のお話は、私自身にすごく当てはまるなぁと思ってしまいました。特に受験以降は、勉強に関して、つい効率にとらわれていた気がします。

でも最近「子どものすることに無駄なことはない」と心から思えるようになって、すべてを成長につながるものとして見ていたら、自分までも、今まで興味のなかったことが魅力的に見えてきました。

「読み書きそろばん」は焦らず、本当の意味で豊かに学ぶ心を、身につけてあげられたらなぁと思います。いつもためになる記事をありがとうございます!
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ふむふむ (ぽんき茶)
2009-03-10 13:53:10
自分が子供の頃に、じっくり考えなければならない場面が近づくと、する前から腰が引けてしまうタイプだったので(親は放任主義だったので、親のせいではないとは思うのですが)、自分の子供がそうならないように、焦らず、ゆっくりと接していきたいです。息子がもう少し大きくなったら、いたずらや探索活動に時間を掛けてあげたいです。
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Unknown (なつゆう)
2009-03-10 14:17:28
うちのことかと思いました。(汗)
早くから公文をさせ、自分は子供に勉強をさせているつもりになっていました。

こちらのホームページに出会ってからは「これは違う」と思い直し、公文を辞め、子供の興味に添って働きかけをするようになりましたけど。

頭を思いっきり使った気持ちよさを体感させてあげると共に、親もゆったり、一見、無駄とも思える子供の遊びを見守っていきたいと思います。
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うちは違うかな? (ところてん)
2009-03-10 15:22:41
似たような現象なのですが、少し違うかもです。

うちの場合は、たぶん
長女が外向感情型
(パパやって~、わからない~の連発)
私が内向思考型
家内が外向感情型(?)
と思われるのです。
そして、最近は興味の先も増えて、
ゲームを楽しんだり、
勉強の集中力も増しているのです。
これを何か育脳に結び付けられないかな?と思っています。
なんだか勉強も少しノッています。

娘はどう見ても思考型ではない感じです。
まさか家内の影響で、思考型の本質が隠れている感じでもなさそうです。

少しノッているのは、
たまたま勉強が(人間関係上)気持ちよかったのか、
やってみたトランプゲームがたまたま合っていたのか、
思考能力や論理能力が成長してきたのか
よくわからないです。

私はちょっと悩みだらけで、しかも先生の記事に頼りきっているので、ますます思考の迷宮ですが、
うちはどうも違う感じだなあと思いました。
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Unknown (YUYU)
2009-03-10 16:30:47
>知的好奇心よりも
人間関係で有利でありたいから…と考えている場合が

すごい。これ、ワタシのことです(汗)
ということは、感情型なんでしょうか??

ワタシの場合、子どものころから、親に褒められたい、大人をビックリさせたい一心で勉強していましたけど、やっぱり、要領ばっかりうまくなって、頭そのものは、悪いままでしたし、反抗期に入ると、勉強しなくなっていましたねぇ・・・・。

子どもには、同じ思いをさせたくないですが、どうなんでしょうか??
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ということで・・・ (なのたんぱぱ)
2009-03-10 18:07:27
なのたんと一緒にいろいろ遊びます。
これがとってもいいことなんて僕にとっては一石二鳥ですもんね。

初めて歩いた時や初めてブランコができた時などすっごく嬉しそうな表情をしていました。
もしかしたら勉強もそういうものなのかもしれませんね。
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こんばんは ()
2009-03-11 22:15:53
私も以前紹介されていたテストでは、内向直感型の補助が感情でした。
しかし若い頃から比べると、ずいぶん世間体を気にした感情優位な性格になったように思います。
純粋に子どもの為を思って始めた早期教育でしたが、いつの間にか自分の目標を設定してしまっているところがあります。
先生のブログを拝読するようになって、漢字教育にしても英語にしても、「これだけ読めるようになった」「言えるようになった」というのは結局は親の指標、エゴでしかないんだなと最近は一歩さがったところから見るようになりました。

息子は1歳3ヶ月になり、動きまわったり好みで選択する自由を獲得し、自己主張が強くなってきました。
これまでの受動的なものを能動的にするには、やはり本人の内からくる「楽しい」が大切だなぁと思います。
子どもは学びたがっている、という言葉をはき違えないよう、大人から見て無駄に思える遊びでも精一杯させて一緒に楽しんでいきたいです。
また色々な遊びの紹介楽しみにしてます♪
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