虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉症等で、遊びが広がらない子、発展しないい子に関わるには? 1

2013-12-19 17:54:57 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

「遊びが発展しません。広がりません。どのように関わればいいでしょうか?」

という質問をいただくことがよくあります。

 

「今、こういう遊び方をしている」という状態は同じでも、

子どもの障害特性や個性や発達の段階によって、それに対する答えは

違ってくると思っています。

 

自閉症等が原因で、遊びが広がったり発展したりしにくい子と

関わる時に気をつけているのは、

見たところ前と同じ遊びや活動をしているようにしか見えない場面で、

微細な質の向上や変化を作るようにすることです。

 

たいていの親御さんは、遊び道具や遊び方が別のものに変わらない限り、

遊びの質の向上や変化はないもの、と考えがちです。

でも、実際には、外からはまったく同じことを繰り返しているように見える活動の中にも

さまざまな段階があるものです。

また、工夫次第で、新しい活動への橋渡しになるような

意味を加えたり、体験の幅を広げたりすることもできます。

 

こんなコメントをいただいています。

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工夫をしても興味が薄く、先生の適度な介入が上手くいかず苦戦しています。味噌汁やお皿をつけとく水など、自然にキッチンにある水をおお玉ですくって落とす水の動きと音が好きで楽しそうにしています。遊びとして色々な容器に入れて用意したらやらず、金魚すくい的なことや小豆やビー玉混ぜもやりましたが興味なく、ひとりで静かにしているのがいいようです。
なのでずっとぽちゃぽちゃいい音だね~と声をかけたり、味噌汁を作るねくらいで、注目するわけでなく,出来上がったらどいてとばかりにすくっては落とすを繰り返します。なかなか発展しないのでこの場合先生でしたらどのようにされるのかお聞きしたいです。あまりおままごと的なやりとりより「よそる」など本物(手伝い)に近いことを考えたほうがいいのかなとわからずにいます。

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これまで上手くいかなかった介入の仕方を、

活動自体の変化をもっと減らした上で、工夫するといいのかもしれません。

「活動自体の変化をもっと減らす」というのは、外から見ると、それまでとまったく同じことを

しているようにしか見えない状態のまま、質を変えたり、コミュニケーションを取る場面を加えたり、

楽しい、面白いという気持ちが自分ひとりの世界だけでなく他との関わりの中で感じられるように

していくことです。

相談いただいているお子さんの状態は、4年前からレッスンの様子を記事にさせてもらっている

自閉症のトムくんの会った当初の状態と近いような気がします。

(今のトムくんは、ピアノを上手に弾き、短い日記を書き、国語や算数の問題に自分で答えを書きこみ、自発語も

出てくるようになっています。)

自閉症のトムくんと新しい成長の兆しの記事の、2009年~2010年頃の記録の中に、コメント主さんのお子さんへ

の介入の仕方のヒントが見つかるかもしれません。

 

 

では、次の記事で、

具体的な例に挙げて紹介しますね。

 

 


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