前回に記事で、自閉症の子たちと相互に交流できる関係を作るためには、
安心感を持たれること、
頼られること、
その子の見ている世界や感じている世界を共有すること、
その子の記憶を共有すること、
の4つが重要だと思っています、と書かせていただきました。
そのうち、「頼られること」から
説明させてくださいね。
「頼られる」ためには、子どもをめぐる環境と、
接する時の『間』の取り方が
大事だと思っています。
子どもの好きなおもちゃやしたいことが
自分の手の届くところにあって、
ひとりで勝手に遊んで満足しているような環境では、
大人に頼るような場面そのものが起こりようがありません。
自閉症の子たちは毎日、同じ繰り返しを好みますから、
なおさらです。
できれば、その子が強く欲するものは、
誰かに頼らないと手にできないような状態にして、
(それでいて、箱の外に貼られた写真では中身がわかるようにしておくなどして)
人に向かって要求したり、頼んだり、頼ったりすることが
自然に発生するような環境を作ることが大事だと思っています。
子どもから、それを取って欲しい、渡して欲しい、開けてほしい、という要求があった時は、
サッと物だけ手渡すのではなく、
「ちょうだい」「取って!」というリアクションを出したり、言葉で表現できるように
うながしながら、
本人の能動的な態度が出てくるように
少しじらすようにします。
もし言葉を発するのが難しい子なら、その物の絵や写真のカードを差し出させるのでも
いいです。
また、「作ってほしい」「並べてほしい」など
要求やお願いのバリエーションが増えるような
生活上で見せたり体験させたりすていくことを増やす工夫も必要です。
もし、「ちょうだい」「取って!」といった意思表示が出始めたら、
次には、「どっち?どっち?」と選ばせたり、
「トントントン、ワンちゃんちょうだい!」と引き出しをノックする真似をして
欲しがっていたイヌのおもちゃを
取りだすなどの遊びを加えたり、
「はい、どうぞ!」「ありがとう」とオーバーなリアクションでやりとりするなど
バリエーションを増やしていきます。
本人の内面から出てくる要求や衝動を
貴重なもの、大切なものとして
そうした子どもの側の強い気持ちが動いている時に、
人に頼んだり頼ったりするといい結果を得たという
体験を積み、同時に人と関わる時にさまざまなバリエーションに
慣れさせていくのです。
ただ自閉っ子によったら
自分に強い衝動や要求が起こると同時に、パニックを起こして
泣き叫んだり、大暴れしたりして、
頼んだり頼ったりする態度を引き出すのが難しい子もいます。
また、衝動や要求自体が弱くて、
すぐに手にできないとなると、たちまち興味を失って、まるで何もなかったかのように振舞う子もいます。
そうした子には、環境作りだけでなく、
「安心される」にはどうすればいいのか、に注意して
関わり方を模索していくことが大事なように感じています。
2~3語ですが、とにかく日常でも遊びも甘えや不器用で自信なく要求ばかりです。子供の興味あることの字も絵も工作も手作りし、簡単に少しだけにしてやりとりや達成感を体験させていましたが、反応がよくないので、違うのかなと感じます。あれとってこれ読んでと自分で出来ることも何でも要求し頼ります。わがままなのかと感じてしまうのですが、この記事を読むと、頼りたい、要求の時期はやり取りの前の時期なのでしょうか。上手く出来ない状態ですが、少しでも身につけられるよう続きを楽しみにしています。