虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

自閉症の子が初めて作った絵本

2017-06-17 20:19:36 | 自閉症スペクトラム・学習が気がかりな子

 小学5年生の自閉症のAくんは、教室に着くなり、「森之宮駅で6分電車が遅れたから遅刻した」と言い続けていました。

それが途中から、「森之宮駅で宇宙人が乗ってきたから6分遅れた」という話になり、

送ってきたお父さんがたしなめても、その話ばかり繰り返していました。

Aくんは同じことを何十回も言い続ける癖があります。

この日も、お父さんから、「その話はやめて先生の話を聞きなさい」と注意されても

どこ吹く風で、「森之宮駅で宇宙人が乗ってきたから6分遅れた」と言い続けていました。

 

そこで、「Aくん、森之宮駅で宇宙人が乗ってきた話を絵本にしてみる?

画用紙を折って両面テープでひっつけていくと、すてきな絵本ができあがるよ」と言うと、

「絵本作るよ」と乗り気でした。

 

Aくんはこれまで画用紙に電車などの絵を描くことはあっても、絵本を作ったことはありませんでした。

絵の中に人や動物の姿を描くのも見たことがありません。

イメージすることに苦手があるので、ごっこ遊びをした経験もありません。

そんなAくんが初めて作った絵本なのですが、きちんとストーリーになっていて、

すばらしい出来でした。

勉強の時間が来たのであせらせてしまったため、最後の方が乱雑な塗り方になってしましました。

Aくんは自分の作った本を虹色文庫の1冊にするのを許してくれました。Aくん、ありがとう。

 


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