「虹色教室」はとりあえず幼児教室なのですが、
夕方には中学受験の子も高校受験の子も
学習に来ています。
幼児期、親がいろいろ教えた結果、
周囲を驚かせるような才能をしるしていたけれど、現在は学習につまづいている子
幼児期ゆっくりさんだったけど、すばらしい才能を開花させている子などいろいろです。
それなら幼児教育って意味がないのか…?というと、
そうでもありません。
正しい幼児教育をしないと、
いくら幼児期にうまくいっていても将来学習で苦しむこともあるし、
幼児教育とも思わずしていたことが、将来の才能となって
花開く場合もあるようなのです。
なら、どんな教育が…??
私が一番大事かな…と感じているのは、
親自身の学習についての捉え方です。
幼いうちから、より学習を先に進めること、より難しいことをさせることに
気持ちを奪われていると危険なように感じています。
勉強も将棋と同じで、「
複雑で難しく見えるもの」を
いかに「
シンプルで簡単なもの」として
捉えなおすことができるか…?がとても大切です。
数学だけでなく、英語においても難しいレベルになるほど、
そうした力が要求されるように思います。
先日も息子が東大の受験問題を持ってきて、
解き方を解説してくれたのですが、
まずある数字を入れてみる、もうひとつ数字を入れてみる、
もうひとつ数字を入れてみる…を繰り返して、数字と数字をの関係を
よく観察する…
という えらく原始的な解き方でした。
この解き方、日頃、1~3歳の子が、
おもちゃで遊ぶ時のやり方そのものです。
一見、わかりきったことも、いちいち何度でも試していくのです。
数も見たら3とわかるものも、いちいち1から数えて言う…
それが幼い子どもです。そうして幼児は
ただ頭で覚えるのでなくて、身体で体感して学ぶのだと思います。
中学生の関数なども、傾きを「こわーい滑り台」「ゆるゆるの滑り台」という
体感による捉え方ができてる子はつまずかないのですが、
幼児期に数字や記号を操作して問題を解いてきた子は、
すぐに混乱して解けなくなります。
ちょっと実験です。
大から小をイメージして
パパ ママ 子ども ネコ という言葉を覚えてください。
それから
リヌ ポル ドリオ マキ
という言葉も大から小をイメージして覚えてください。
1週間後に、大きい順に並べてくださいというテストで
きちんと答えられる方はどちらでしょう?
きっとパパママ…の方ですね。なぜかというと、これまで経験した知識の中に、
イメージがしっかり根付いているからです。
いくら覚えられるからと、後の文字のような
体感できないものをどんどん与えていると、
子どもが物事を難しい方へ難しいほうへ考えて、
わからなくなっていくことがわかるのではないでしょうか?
子どもに暗唱や記憶をたくさんさせて良い脳を作るという
考え方があります。それは間違っているわけではありません。
しかし、それらは日常生活や遊びや自由活動が豊かであってはじめて、
良い効果が期待できる学習法だと思います。