虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

5歳までにやっておくべきこと 10歳までにやりたいこと 1

2009-08-21 09:32:06 | 教育論 読者の方からのQ&A
日経 Kids+ の10月号は、

5歳までにやっておくべきこと
10歳までにやりたいこと

という特集でした。
556世帯へのアンケート調査をもとに
早期教育派、スロー派の意見をどちらも取り上げて、
専門家の意見を交えてていねいに分析しています。
さまざまな年代の教育のポイントが見やすい表になっていて
とてもお徳な内容です。

さまざまな分野に関する伸ばすコツが載っていましたので、
紹介しますね。

「ことばのセンスをのばすコツ」

5歳までにやっておくべきこと

会話や言葉遊びを通じて言葉に親しむ
「共感」をふくむ言葉かけや会話をする
今日の出来事や気持ちを言葉で表現する
文字を書いて自信をつける
音読などで本に親しむ

10歳までにやりたいこと

「話す」「書く」機会を増やして
語彙力や表現力を伸ばす
文章を読んで内容を理解したり、言葉で自分の
考えを伝える
作文や話の際の、「相手に伝わりやすい形」を教える
親しむ程度の英語のレッスン

「さんすうのセンスをのばすコツ」

5歳までにやっておくべきこと

「数」をものなどで置き換える練習
直線、円、三角、四角の形を練習する
「たす」「ひく」をものを使ってしるせるようにする
「単位」を含んだ数字と量の感覚をつかむ


10歳までにやりたいこと

幼児期に学んだ数や形の復習
小数と分数、数式が混合した複雑な計算問題
時間や速度、割合などが含まれる応用問題

創造的センスをのばすコツ

5歳までにやっておくべきこと
いろいろな音楽を聴く
歌う、聞く、触るなど感覚を磨ける体験をする
課題に楽しみながら取り組む姿勢
手先の動きやリズム感などの基礎

10歳までにやりたいこと

高度な技巧
気持ちや思いを形に表す

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バーチャル世界のような現実の世界 2

2009-08-20 15:59:51 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
子どもたちがお店の中を遊び場にしてかけまわるとき、
親のしつけについてうんぬん言ってもしょうがないような気がします。
おそらく親御さんは、子どもが友だちと自由に出歩くように
なるまでは、
できる限りのしつけはしていたはずですから……。

そんなことより私が暗い気持ちになったのは、

子どもたちが少し親離れしはじめた時期の健康的な遊び場の少なさです。

かつては豊富にあった野山も球技ができる遊び場も
卓球などができる小中学生が出入りできる
子供用施設もどんどん減っています。
(幼児期にショッピングセンター内で過すことに慣れすぎて育った子たちは、
たとえそうした遊び場が豊富にあっても
お店の中で過したがるでしょうが……)

また、社会全体が自分の損得以外に無関心なので、
子どもを正しい方向に育てていく力を失ってしまったことも残念です。
子どもが間違ったことをしていても
だれも教えないだけでなく、
誤った常識を刷り込むようなシステムになっているのです。

本屋の帰り、息子が友だちのことで面白い話をしていました。
息子によると、友だち思いで気がきくな~という友だちは、
先生に理不尽な要求をされると必ず反発する子らでもあるそうです。
そうした子らの親は
たいていある部分、放任で、
自分で判断していろいろしているので、相手の立場に立てるのだとか……。

息子とその友だちが苦手としているのは、
先生の話はとにかく文句ひとつ言わず受け入れてしまうタイプの子ら
なのだそうです。
親もあれこれ制約が厳しそう~なのだとか……。
そうした子のどこが苦手かと言うと、
他人の目があるところでは、ルール厳守なのに、
他人の目がないところでは、どんな悪いことでも平気でするからなのだそうです。
それに突然、しょっちゅうキレるそうです。
そのキレどころ……というのが、クラスに成績が悪い子がいたりすると、
怠けてるとか、バカだとか……もう抑えきれないほど
怒りを燃やすのだそうで……
息子にすると、その心理状態がよくわからないみたいです。

その話を聞いて、外でもきっちりするようにしつけたら、
本屋で見たような問題が解決するのか……といったら
そうではない気もしました。

現代社会の……日本の……抱える
子育ての難しさを実感しました。

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バーチャル世界のような現実の世界

2009-08-20 09:50:08 | 教育論 読者の方からのQ&A
息子の用事で出かけた帰り、大きなショッピングセンター内にある本屋に寄りました。
本屋の中を小学3年生くらいの塾かスポーツ教室帰りらしい3人の男の子が
走り抜けようとして、2人めと3人めの子が身体を本に引っ掛けて、
バサバサと数冊、床に
落としました。

引っ掛けた男の子ふたりは
いっしゅんとまどったような顔をして振り向き、本を見てから、
先に走っていった友達を追いかけました。
レジそばのマンガコーナーで、今度はマンガの上に身体を持たせかかって、
知っているマンガを奪い合っています。
ちょうど雑誌を買う予定でレジに近づいた私は、
さっき本を落としたまま走っていった男の子たちに、
「さっき本を引っ掛けて、落として行ったでしょう?売り物よ。お店は遊び場ではないからね。」と注意しました。
すると、男の子たちは口々に、
「ぼくじゃない~」と言い張ります。そして、さ~っと逃げ出したかと思うと、
今度はマンガ雑誌を平積みしているコーナーの上に
身体を押し付けあって、じゃれて遊んでいました。

私が注意している様子と、子どもたちが本の上に乗ったり落としたりしている
様子を見ていた本屋の店員さんは20代前半くらいの女の子ふたり。
まったく何も聞こえず何も見えずといった機械のような対応で、
眠そうに「ありがとうございました~」と私の雑誌の清算をすませました。

その無関心ぶりがバーチャル世界の人物そっくりなのです。

自分のバイト先の商品に乗っかって、商品を床にバサバサ落としている目の前の子たちが見えない、聞こえないように、ルンルン~と仕事しています。

そして、新品の商品だろうと、お店というお金が行き来する遊び場ではないところだろうと、はちゃめちゃにふざけあう小学生たちの姿も、
バーチャル世界を常識的な外からのまなざしのない世界で
飛び回る子どもたちのようです。
見るからに子どもたちは特別な問題児ではありません。お家や習い事先では
素直にいうことを聞くごく普通の小学生に見えます。

この光景を妙に気味悪く感じたのは、
子どもも大人に無関心で、まなざしを感じておらず、
大人も子どもたちに驚くほど無関心だったことです。
無関心どころか、まったく見えないといった様子……。

こうした世界で、いじめや万引きのような行為が生まれるんでしょうか?

引っ張りますが、レッスンの時間が近づきましたので
続きは次回に書きますね。

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100ぴきのいぬがかえる本 と折り紙で学ぶ算数

2009-08-19 20:15:56 | 算数
もうすぐ6歳になる☆ちゃんと
100ぴきのいぬがかえる本 の犬と、犬小屋や小物を作って
遊びました。

その後、ぴぐまりおん2~3年生の問題を
折り紙を使っていろいろ考えました。

折ったあとの重なる位置を推測する問題

折り紙を横に2度、たてに1度折って、
人 服 靴 アクセサリーなどを2つずつ描きます。

たて、横の中心線で折って重なるものを当てます。
(これではわかりにくいと思うので、今度、くわしく記事にします)

3つの数を足して同じになるものを作る問題

写真のように○の中に数字を描いて線で結びます。
1列すべてを足した数がどこもいっしょになるようにする算数パズルです。


座標の問題を考えました。

☆ちゃんは、遊ぶことや工作が大好きな女の子です。
はじめての算数パズルもスラスラ解くことができました。
遊びの上手な子は考え方が柔軟で応用力があります。

話は変わりますが、コメント欄で次のようなご質問をいただきました。


私の年長の息子は、絵が下手で嫌いです。
私も絵の上手い下手よりも、先生のおっしゃる
対象に対して、自分は下手だとか、できないとか、自己卑下していないか……?
ということを気にかけながら、子供に接してきたつもりでしたけれど、息子は自分は絵が下手だといい、卑下しています。
自分なりに、他の子と冷静に比べて判断している所があります。
確かに上手いとはいい難く、逆に他に大人びた事ができる割には絵が幼稚だとは思いますので、その評価は間違いではありません。
それでもそんな事ないよ、と良い所を探して褒めてみたり、絵は上手い下手じゃなくって楽しく書いたらいいよ。と言ってみても、息子自身が、他の子と比べて下手だから・・。と言い絵を描く事自体を嫌がります。
一時が万事そんな調子で、他にもいろいろ苦手意識を持ってる事があります。
自分で、自己評価を下してしまう子に対しては、どんな働きかけをしていってあげたらいいのでしょう?
苦手意識を持ってる事には触れない方がいいのでしょうか?自分には、得意な事もある事に目を向けさせた方がよいのでしょうか?
それとも、逆に下手でも楽しんで書いている所を見せてやった方がよいのでしょうか?
長々と申し訳ありませんが、お時間がある時に宜しくお願いします。


小学生以下の子が自己卑下したり、
良くない自己評価を自分にくだす原因は、
現在の幼児を取り巻く環境とかかわりがあるように思います。
親御さんがそうした評価をしなくても、
最近では3年保育が当たり前ですし、年少さんにあたる子たちでも、
大人からの評価の対象となっていて、
お友達と自分を比べる言葉もよく使うようです。

また幼児をたびたび褒めると、
褒められる行為をしたときだけ親から認められると感じて、
上手にできないかもしれないことをする勇気を失う場合があります。
褒めることが、評価することとなっていないか、
注意する必要があります。

昔にくらべて、より幼い頃から子ども同士で、さまざまな能力を比較したり評価したり
するようになればなるほど、
小学校の勉強にもついていけない子が増えている現状があります。

(また、より幼い時期から集団生活を経験させるのが当たり前となった今、
子どものコミュニケーション能力の低下が叫ばれ続けています。)

先日、ブロック教室に参加した子の親御さんに、
私立小学校の先生をなさっている方がいらっしゃいました。
その方が、入試を勝ち抜いてきた入学時には優秀な子たちが、
3年生くらいから伸びなやみはじめる~ということをおっしゃっていました。

幼いころから、大人に評価され、点数をつけられ、
友だちと比べられ、競争させられた子たちは、大きくなるにつれて、
息切れしはじめると聞きます。

家庭で、子どもを評価したり比べたりしないように気をつけていても、
子どもをめぐるあらゆる場が、そうした空気に包まれているので、
最近の幼児は、自分への自信を失いやすいと思います。

いったん自信を失ってしまった子には、
好きなことをたっぷりさせて、好きなことを繰り返して身に付いた自信が
他のものにも飛び火するまでゆっくり待つのがいいのではないでしょうか?

子どもが自分で評価や競争を欲する年齢に達するまでは、
親の愛情が、自分の「できる」「できない」によって
変わるのではないか……といった余計な不安を抱かさないためにも
できるだけ評価や競争を感じさせない場で
楽しく活動できるようにしてあげるのがいいと思っています。

 

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コメントへのお返事  子どもの絵にどんな働きかけをしていましたか?

2009-08-19 07:18:58 | 工作 ワークショップ
コメント欄で次のようなご質問をいただきました。


子供の態度に惑わされず、必要なものを
与えていく・・・肝に銘じて、前向きな態度が見えてくるまで気長に待ちたいと思います。なかなかできないんですけど(汗)
ついつい近視眼的になっている自分がいます。 息子さんは卒園時に棒人間を描いていたとのこと、今は息子さんも絵がお上手ですよね。
なおみ先生は子供さん達に絵に関して何か働きかけはされましたか?
うちの息子は3歳2ヶ月です。
最近顔を書くようになってきました。
輪郭と目と鼻口のみです。ママの頭についてるのなーんだ?って聞くと髪を書いたりします。そこで調子に乗って他の部分も描かせようとすると嫌がるのでやめます。うまく描かせようなんて気はないんですが・・
(心の底にはあるのかしら)先生は何か働きかけしてらっしゃいました?


うちの息子は、不器用だったので、卒園時、棒人間を描いていただけでなく、
小学校にあがってから読めないようなくねくねした字を書いて漢字テストなどはそれでバツばかりでした。
娘が器用だったので、少しびっくりしましたが、特に注意したり直させたりはしていません。
当時、息子はアイデアを形にしたくて白いコピー用紙を乱雑に切ってあれこれ作るのが好きだったので、とにかく雑でそこらじゅうゴミだらけにしていました。
何度もやりたがるエネルギーを大事にして、
乱雑な作り方や、散らかしすぎて掃除が大変なことについては
黙っていました。
そうするうちに、高学年には、
クラスから1人~2人選ばれる絵画展で受賞するようになりました。
子どもに接するとき、近視眼的になると、あれもこれもと口出したくなります。
でも、私はわが子に関しては、大事な1,2点さえチェックしたら、
ザルのような漏れている部分の多い適当な親でいたい気持ちがあったので、
その通りにして楽していました。
常識的な良い親になろうとしてそうしていたのでなく、
自分が子どもならそんな親でいて欲しい親でありたかったからです。

大事な1,2点とは、
対象に対して、自分は下手だとか、できないとか、自己卑下していないか……?
ということ。
実際客観的に見て、明らかにぐちゃぐちゃでも、
本人が自分の作品に自信を持っているのなら、
それでよしとして、いっしょに作品を喜びました。

もうひとつは、それと接しているとき
気持ちがいいかどうか、親しみが持てるか?ということ。
早く結果を出すより、何度でもそれにチャレンジしたいという思いを
育てることが大事だと感じていました。

絵だけでなく、勉強に関しても上の2点以外の
成績などはまったく気にしませんでした。
勉強が好きになれば、いずれ精神的に自立のときを迎えれば
どんどん伸びてきます。

テストの点が悪いときは、本人も傷ついているわけですし、
がんばろうかな?という気持ちが生じるいいチャンスですから、
テストの点には触れず、勉強に関する子どもの長所を言葉にして勇気付けるようにしていました。

こうして言葉にすると、すごく良い親をがんばっていたように見えますが、
不完全で適当なところが多い自分をそれで良しとしていただけなので、
あまり褒めれたものではありません。

絵や音楽に関することでは、
私は自分の子ども時代の記憶を頼りに「これくらいでいい」という
教育の目安を持っています。
私の母は、保母になりたくて、保育所でのパート勤めもしていましたが、
ピアノが弾けなかったため資格を取れませんでした。(他に方法があったかは思いもしなかった様子)
それで、私には、2~3歳の頃から
クラシック音楽と絵本がセットになった全集を与えて、ヤマハ音楽教室にも通わせました。
6歳になる頃には
団地の狭い部屋に本物のピアノを置いて、個人レッスンにも通わせました。
当時の思い出
[レッスンのテキストを音楽家が弾いているレコード]も購入していました。
とにかく母は私にピアノが上手になってもらいたかったのですが、
私は大の練習嫌い。いっこうに上達はしませんでした。

母が私にピアノをさせようとしたことが
すべて無駄だったかというとそうでもありません。
私は音楽を耳にすると、色の洪水が頭の中にすごく美しい形を作りながら
流れていく映像が浮かんできます。
色の洪水を、さまざまな光の点が舞う画像です。
幼児期は、
共感覚を持っているという話をよく聞くので、そうした記憶かもしれません。
(今の私は、文字に色が浮かぶようなことはありません。)
そうして頭の中に見えるものを描いて詩画集を作ったりしています。
また、そうした映像のおかげで短時間に気分がリフレッシュできて
明るい前向きな気持ちになれるのです。


それが、2~3歳の頃、音楽全集のクラシック曲を聴きながら
岩崎ちひろ他さまざまな一流画家の描く美しい画集の絵本(さっきの全集です)を眺めていた記憶から
生じているのがよくわかるのです。
幼児期に聴いた音楽のおかげで絶対音感も持っています。
そうしたものがすべて、今にも残って役立っている理由は
私の母が練習熱心でない私を
責めたり評価したりしなかったからだと思います。

とりあえず、ピアノがうまくはならなくても、きらいにはなりませんでした。
ピアノという楽器を技術的にマスターする点では
成果がありませんでしたが、母が近視眼的な結果を求めなかったために、
当時の音楽との出会いは私の生活を豊かにしてくれているのです。
また、母は私にそろばんやお習字や塾などいろいろ習わせましたが、
私はすべて、1,2回通ったらサボりだし、そこらをうろうろして暇をつぶしていました。あまり叱られませんでしたが……。
結局、習い事は身につきませんでいたが、当時のさまざまな記憶は
今の仕事に役立っています。ぶらぶらしたあげく高学年頃には勉強が大好きになっていました。

きちんとしたご質問の答えになっていませんが、
こうした話はまた別の機会にくわしく書かせていただきますね。

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体を使った遊びで、良いアイディアがあれば、ぜひ教えて頂けませんか。

2009-08-18 10:42:04 | 子どもの個性と学習タイプ
左利きへのとても役立つアドバイスの数々、どうもありがとうございます。


コメント欄で次のようなご質問をいただきました。


うちのマー君は、直感型なのかなーと思うのですが、型の違いなどをもっと詳しく知りたいと思います。
(こういう私は何型なのか?にも興味しんしんです。) 参考書を教えていただけませんか。また、先生の記事で○○型についてのものを、もしまとめていだたけたら、大変うれしいです。

それから、うちの子は、とにかく体を使った遊びが好きなんです。毎日あそぼーあそぼーと迫られ、隙あらば組み付かれ、体を使った遊びをしないと、今日は全然遊んでくれなかったと恨まれます。(で私は、ブロック一緒にしたでしょ~もぉっとなる。)

体を使った遊びで、良いアイディアがあれば、ぜひ教えて頂けませんか。

☆うちわと風船で、数を数えて打ち合い。
☆玉入れや玉拾い競争。後で数える。
☆いす・座布団・こたつなどで、秘密基地やトラックを作る。
☆(先生のブログにあった)ぬいぐるみを投げなが ら、九九。背中に字を書く。
これ位でネタ切れです。



性格タイプの記事はかなりたくさん書いているのですが、
大量の記事に埋もれて書いた私もわからなくなってます。
左のカテゴリーの「子どもの個性と学習タイプ(57)」の中にありますが、それ以外のカテゴリーで書いたものも多いので、また見つけ次第、まとめてみますね。

体を使った遊びで、良いアイディア

ということですが、その前に、ご相談のマーくんの個性について考えてからお返事させていただきます。マー君は遠方から時々通ってくれている6歳の男の子です。
この夏はブロック教室と科学クラブに参加してくれました。
その際、マー君のお母さんは外で時間をつぶしていてくださったのですが、
はじめてレッスンに来た親御さんたちには教室に残ってもらっていました。
すると、マー君が自発的に創造力あふれる様子で
さまざまなものを作り出し、学習にも意欲的なため、
参観している方々は、週1くらいで通っている子とばかり思っていたそうなのです。

独創性、創造性、好奇心の強さ、意欲的な態度、お友だちとすぐに打ち解ける明るい性質、

などがマー君の長所です。それは直感型で立案型の子が
自分に合った場でしるす態度です。マー君を見ているとさまざまな体験が、「さわり」の部分や導入部にいるのではなく、これから本格的な本番に入っていこうとする位置にいることがわかります。

そうした子ですから、ブロックで恐竜の世界を再現するときも、
時代や火山についての知識を深める、恐竜を飛ばす方法をさまさまな動きを生み出す方法の中から選んで検討していく、といった専門的な学びに自分で近づいていくものでした。

こうした子が、身体を使った遊びをしたがるから……と、
すべて、
☆うちわと風船で、数を数えて打ち合い。
☆玉入れや玉拾い競争。後で数える。
☆いす・座布団・こたつなどで、秘密基地やトラックを作る……

といった「身体を動かす楽しさを、知識を得ることにつなげる活動ばかり」でいいのかな?

という疑問を感じました。
ですから、ご質問とは、ずれた答えになるのですが、
今、先に気にかけた方が良いと思うことについて書かせていただきます。

身体を動かすことが好きな子への働きかけとして、
大きくわけて3つの視点があるように思います。

ひとつは、
身体を動かして、心身ともにリラックスし、親子のコミュニケーションの質をあげること。ただ楽しむことで、意欲的で前向きな性質を育てることです。

もうひとつは、
身体を動かす楽しさを、数えたり、唱えたり、知識を増やしたり、情報処理能力を向上させたりする遊びとして利用することです。

でも、マー君のような子にとっては、3つ目の視点が大事なような気がするのです。
それは、
身体・運動的知能が高い子かもしれないので、
それをきちんと伸ばしてあげる
ということです。

アスレチックに連れていったり、球技をさせたり、スポーツの型をきちんと教えてみたり、スポーツ観戦に連れていって選手の動きを見せたりすること

が純粋に必要な気がするのです。
無理をする必要はないけれど、少しそうした体験の必要を頭の隅に
入れておくだけでも、良い機会をきちんとつかむことができるのではないでしょうか?

親が一方的に、音楽もスポーツも~と子どもを振り回すのは
問題ですが、子どもが暇さえあれば身体を使った遊びを求めてくるなら、
それはひとつのサインとして受け取って
きちんと応えてあげるのがよいように感じます


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やる気のない態度 と あとから振り返る子育て 教育

2009-08-18 08:31:13 | 教育論 読者の方からのQ&A
2歳、3歳のころから接してきた子どもたちが、
5歳、6歳、7歳と成長してから、
数年前の姿を思い返すと、教育にとって大事なことに気づきます。
わが子なんて0歳からいつも見てきて、もうすぐ社会に出て行こうという年に成長した年してるのですが、そこから十数年前の姿を思い出すと、
そこで気づく大事なことというのも、それと同じです。

大事なこと……というのは、子どもの態度やノリについてです。
幼児を持つ親御さんは、
何か働きかけるたびに、特に教育的なことの場合、
目をキラキラさせて、意欲的で積極的で熱心な姿をしるすことを望んでいます。
そうして子どもからそういう態度が得られたときだけ、
価値がある時間を過せたと感じがちです。

また教えたことが、すぐさま結果としてあらわれて
何かを覚えたり、周囲を驚かせたり、目に見える数値で成果を確かめられる場合のみ、子どもに正しいことができた、良いことをしてやれたと思いがちです。

とても短い期間に、子育てに近視眼的になればなるほど
そう感じがちです。

けれど、いったん、子どもがある年齢まで成長して
さまざまな年齢の子どもの姿を振り返ると、
何をするのも乗り気ではなくぐずぐずしていた時期も、
反抗ばかりして少しも成果が見えなかった時期も、
どちらも非常に重要で、

大人が食いついた~と評する状態で学んでいる時期
同様に

子どもを大きく成長させていたことがわかります。子どもにはさまざまな成長段階もあるし、個性もあります。物との関わり方も、無関心を装いつつ、実は熱心に観察している子、頭の中ではあれこれ考えている子がいます。

たとえば、虹色教室には、5~6歳の3トリオさんが通ってきていますが、
この3人のうち、TくんSくんが3歳、4歳のときのレッスンなんて、
2時間、私のすることに1から10まで反抗して、レッスンとしてなりたたないときもよくありました。かなりのやんちゃさんでしたから……。

それでも私は淡々とその時期の子の心にひびく
体験を用意していきました。子どもの態度にまどわされず、
その子に必要なものを与えていくのです。

反抗期がひどくなると、部屋にいることすら嫌がってかんしゃくをおこすので、
TくんとTくんのお母さんと私とで
外を散歩しながら、花を見たり、建物を見に行ったりしてレッスンとした日もありました。それでも泣きつづけて機嫌をなおさないTくんに、根気良くつきあうTくんのお母さんの姿を見て、今さえ乗り越えれば、
1年もすればこの子はとてもしっかりしたお兄ちゃんになるだろうな~と感じました。
なぜそう感じたかというと、
Tくんを見てそう思ったのでなく、
Tくんの態度に動じないTくんのお母さんの姿を見てそう感じたのです。

そして、私が推測していた通り、1年たたないうちに、
Tくんの中から、自立していて、意欲的で、まじめで、がんばりやで勉強好きの性質がどんどんあらわれてきました。
お友だちとのグループのレッスンになってからは、
リーダーシップを取りながら、お友達の意見をよく聞き、自分の意見をきちんと表現し、大人の話にも集中して耳を傾ける「できすぎくん」となっていました。
態度が悪くて聞いていないように見えた時期の学習は、
なぜかすべて覚えていて、まじめに取り組んでいた子以上によくできます。
しっかり反抗期を超えているので、
依存的なところや、赤ちゃん返りがあまりなくて、
学んだり、何か技術をマスターすることにいつも心が集中しています。
幼稚園でも「根っからの優等生」と先生から評されているのだとか……。

Sくんも同じような経緯をたどっています。

またうちの子の子育てを振り返っても
娘はフランス語の暗唱でも英語の暗唱でも、4歳のころには、教えればすぐさま吸収して、アウトプットし、手先も器用で幼稚園時代から絵画で賞をもらったりしていました。
息子は、わが道を行く子で、私がすることをいっしょに楽しむものの、ふざけるだけで幼児期にはアウトプットはなし。
絵なんか、卒園時に棒人間でしたけど……。

でも大きくなれば、娘も息子も
私が働きかけたことは、その時期の子の態度や外からみえる成果にかかわらず
同じようにすべて吸収されていたんだな~と感じることが多々あります。

あとから振り返ると、子どもの中に生き続け
芽を出し、成長し続ける幼児体験というものがあるのです。

それは、子どもがどんな態度をしるしたとか、乗り気かとか、何ができるようになったとか評価しないで、
ただ子どもの周辺を「質の良い学ぶことの喜びと美しさ」で彩る行為です。

子どもの環境を知的なものと友だちになれるように整える

ただそれだけです。

また子どもの中から、肯定的で前向きで好奇心あふれる姿勢があらわれてくるまで、
急いで評価を下したり、大人がふらふらせずに、
気長に楽しみながら待つことです。
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直感型の子 感覚型の子

2009-08-17 17:16:07 | 子どもの個性と学習タイプ
コメント欄で、
感覚型の親が直感型の子を教育する上で、どのように働きかけたらよいかについて
2人の方からご質問をいただきました。

科学クラブで、
感覚型の子と直感型との子を観察していると、好みの分野がかなりはっきり
分かれます。
感覚型の子は、鉱物、化石、結晶、星と宇宙、洞窟などの地学関連と、
試験管やリトマス紙を使った化学関連の遊びを
とても好みます。
水族館が大好きな子が多いです。
ロボットなどを図面どおり丁寧に組み立てること、
音の実験も好きです。オルゴールを手作りしたり、光を扱った実験で、美しい幻想的な世界を生み出すことも好きです。
積み木で歴史的建造物を作ることも好きです。
全体に、五感に訴えてくる美しく動きの少ないものが好きで、
学習するときは知識をコレクションするように学びたがります。

直感型の子は、モーターや電池を使った物理関連の遊び、
機械的推理能力を必要とするギアトロニクスのようなおもちゃを好みます。
水、風、ゴム、てこなどを使って、
発明したり、物を移動させたり、回転させたりすることも好きです。
自己流にロボットを作ったりするのも好きです。
積み木を使って、ピラミッドを作っていた時代の移動手段を再現したり、
昔のてこを使った武器などを再現することも好きです。
美しさよりも自分の中から浮かんでくる発想に惹かれます。
学習するときは、短時間に集中するクイズや頭脳パズルに答えるような学び方を好みます。

感覚型の親御さんは直感型の子が
おもちゃを本来の使い方通りに使わないので
たびたび注意します。
けれど、直感型の子にとって、本来の使い方以外の自分のアイデアのひらめく瞬間こそが楽しいので、できればそのアイデアの新しさやユニークさを
褒めてもらいたいのです。

また、直感型の子は物を動かすことが好きで
飛ばす、回すなど、感覚型の親からすると
乱暴で無意味に思えることをよくします。
これはエネルギーを他のエネルギーに変換することに
いつも興味を持っているためにする行動です。
ですから、こうしたときには、ゴムやうちわやてこなどを使って
どのように物を動かせるのか教えてあげると、
落ち着いて工夫して遊び始めます。

感覚型の親御さんは直感型の子がどのようなものを喜ぶかわかりにくいとよくおっしゃいます。
そんなときは、科学館などに連れて行って、
子どもが何に一生懸命になるのか観察するのがおすすめです。

直感型の子も感覚型の子も本来持っている自分の興味が十分満たされると
他の様々なことにも興味を持ち始めます。

感情型の子は科学クラブでは、動物や微生物などの生物分野や人間のからだ、恐竜(これらは感覚型の子も好きです)を好みます。

思考型の子は、感覚寄りか直感寄りかで、感覚型の子の好みか直感型の子の好みに分かれます。全体に複雑さを好んで、論理的に考えを追っていく場面にひきつけられます。直感型の子より独創性は弱いけれど、
根気と思考力は高いように思います。



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フランスからのお客さま

2009-08-17 15:37:10 | 100均グッズで学ぶ
今日はフランスから3歳1ヶ月の☆ちゃんと、0歳8ヶ月の★くんが、
虹色教室に遊びに来てくれました。
☆ちゃんも★くんも、表情がいきいきとしてしていて、
いつも瞳が輝いている子たちです。

☆ちゃんは外向直感型(か、内向直感型)のとても創造力が豊かな子のように思いました。自分の次にやりたいことが、ぱっとひらめく様子です。
プリンセスのドレス作りでは、自分で素材を決めて
どんどん作っていました。
作業をするとき、全体像に心を配ることが得意です。

写真は☆ちゃんと、積み木でお部屋を作って遊んでいるところです。
3歳1ヶ月の☆ちゃんはちょうど数の敏感期の最中のようで、
数だけでなく、大小や形、スペースの広がりなどにもとても敏感でした。

横の広がりだけでなく、2階や3階を作って高さにも興味を広げると、
さらに世界がさまざまなことにつながっていくと思います。
こうした遊びは数のプレートを加えて
ホテル遊び、
ミニチュアや折り紙作品を加えて水族館や博物館遊び、
めいろ作り、
道路と街作り、
などに発展させていくこともできますね。

こうした遊びで意識して使う言葉は、
広い 狭い 高い 低い まっすぐの直線 右に曲がる 左に曲がる
垂直 並行 ~の隣の部屋 東西南北 

少し大きな子がこうした遊びをするときは、人形を使って
「密度」について実感させることができます。
☆ちゃん、ひとつひとつの遊びに楽しくじっくり取り組むことができました。

★くんは、漢字カードとドッツカードを笑い声をあげて全身で催促しながら
見てくれました。

こんな遠方から来ていただいているの(ご実家も関西からかなり離れています)に、また次回も教室に寄りたい~とおっしゃっていただき、とてもうれしく感じています。


メールで左利きを矯正すべきがどうかのご質問をいただいています。私はあまりくわしくないので、どなたか良いアドバイスがありましたら
コメント欄で教えてくださいね。


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