虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

家族の記録<あこがれの高校生>

2010-06-17 14:52:09 | はじめに
このところ重い話題が続いていたので、息ぬきに10年ほど前の家族の記録を紹介します。

(子どもの頃から、日々の出来事を何でも文字にして書き残しておくのが好きな私。我が家には、長女が2歳になるまでの育児マンガにはじまって、
娘や息子のおしゃべりや家族会議の記録や喧嘩の中継などが、
写真好きの人のアルバムさながらにたまっています。これはその一部)
★家族の記録<思春期の子と父親と>

★<家族の記録  吉本喜劇脚本風に書いたある日曜日の朝>

★マネーゲーム


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<あこがれの高校生>

☆さんは高校1年生です。
知人の娘さんで、以前、勉強を見ていた間柄です。
「元気ぃ? みんなどうしてる?」
久しぶりにひょっこり玄関先に顔を出した☆さんの姿に、家の中から歓声があがりました。
この☆さんは、中学時代、試験が近づいて気分が煮詰まると、
我が家に来てホットケーキを焼くなどしていたので、
うちの子やうちの子の友だちに絶大の人気を博しているのです。

「☆さん~!☆さん~!
私●部には入らなかったんです。▲部入って、それで先輩ねー面白いんですよ!▲部!!」
ちょうど遊びに来ていた娘の友だちの○ちゃんが、声を裏返らせてキャーキャー言いながら話かけるので、
☆さんはニヤッと笑って、
「相変わらずだねぇ~おばちゃんとこは」と言いました。
「☆さんは、今、どうしているの?
うまくやっている?」とたずねると、
「まあね。ぼちぼち。」という返事。
「聞いて~おばちゃん。
今、ふたつもバイト掛け持ちしてんねん。」
「ふたつも?」
「そ。
それにはふかーい分けがあるのよ。最初○歯科に面接に行ったとき、断られてんやんか。
補欠ってことで。
次に、郵便局でバイトはじめてん。そしたら、○歯科から電話があって、バイトの子がやめたから来てくださいって。郵便局は期間が決まっているからそのこと説明したら、それでも来てみてって言われて」
「大変でしょ」
「うん、大変」
「でも☆さんはたいした子だから大丈夫ね」
「がんばるわ」

こんな風にふたつもバイトを掛け持って、
力強く大人への階段をのぼりだした☆さんですが、
小学4年の時の愉快で愛らしい姿は、記憶から消えたことがありません。
ある夏の日、いきなり玄関先に現われて、
「おばちゃん、ものは相談やけど」と息をハァハァ言わせながら言いました。
「あのさ、わたしと○くんと○さんで、秘密基地作ろう思うてんねん。
そこでカメとか虫とか飼おう思て」
「それはいいね」
「それで、おばちゃんとこのベランダ貸してもらえんかと思って」
「……うちのベランダを?」
事情が飲み込めない私。
「……じゃ、うちのベランダでヘビを飼ったり、イモリ飼ったりしよってわけ?」
「ちがうよ!カメとか虫!」
このときは、びっくりしたのと慌てたのと
おかしいので頭の中がひっくり返ってしまいました。

秘密基地案を丁重にお断りしてから5年後、☆さんが、
「友だちとフリーマーケット開きたいと思うねんけど、
おばちゃん責任者になってくれへん?」と言ってきました。
「私が?まぁ、いいけど。
手続きやらお金がいるんでしょ」
「それをおばちゃんにしてもらおう思て言ってるんやんか」
そのときも、「カメとか虫!」と言ったときと同じで、
こちらの飲み込みの悪さをやや非難するような……
頭の中が新しい計画で満杯で余計なことは考えてられないという
様子でした。
「そらそうやろね。でも私も初めてのことやし、調べておくわ」
そうしてチャレンジしたフリーマーケットは、我が家の娘や息子にとっても
私にとっても楽しい思い出となりました。

そして今日、
「あいかわらずやねーおばちゃんとこは」と呆れたように、懐かしむように笑う☆さんを前にすると、
あんなに可愛らしいおちびさんだった子が、
私の背を追い抜いて、大人のような口をきいて、
自分の毎日をがんばって生きているのが嬉しくてたまらなくなりました。
「じゃあね、☆さん」
「んじゃね。また来るわ」

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子どもが泣きわめくときどうすればいいのでしょう? 1

2010-06-17 13:10:22 | 教育論 読者の方からのQ&A
前回まで愛着障害について記事にしてきたので、
子どもが泣きわめく=うちの子って愛着障害?
と心配になった方もいるかもしれませんね。

子どもは、何の問題もなくスクスク育っている子も
泣きわめくものです。
まだ感情をきちんとコントロールできませんし、
ストレスや緊張を泣くことによって吐き出す必要があるからです。

愛着の形成がうまくいっていない場合は、

情緒の不安定さといっしょに、甘えたいけど甘えられないとか、
他人に対する警戒心がなさすぎるいった別の気がかりな点
がいろいろとあります。

子どもは愛着の問題がなくても、しょっちゅうかんしゃくを爆発させて
泣くものです。
ですから子どもの機嫌が悪いからといってそれほど気に病むことはありません。
子どもはどの子も負の感情を吐き出す必要があるし、
それを通して上手に感情をコントロールして「幸せ」を選ぶ方法を
身につけるのです。

では、
子どもが感情を爆発させているとき、
親はどのように対応すればよいのでしょう?

『親と子どもの感情BOOK』 築地書館
の著者 エリザベス・クリアリーは、次のように述べています。
(簡単に要約しています)

------------------------------------------------------------
親は子どもが幸せを選べるようになるために重要な役割を果たすことができます。
親は自分の感情を適切に処理することで手本をしるしたり、
子どもが幸せを選ぶために必要な情報やスキルを教えたり、
一歩下がって子どもが自分の感情に自分で責任を持つように
見守ることで、子どもを助けることができます。

子どもがもし自分をなだめ、問題を解決し、
他人の感情を理解するという能力を身につけていないと、
学習能力を失う、攻撃的なふるまい、薬物やアルコール依存、
うつ病、摂食障害などに陥りやすくなります。

子どもは年齢や感情の発達段階に応じて、
さまざまなサポートを必要とします。

子どもの気持ちが乱れていて、手がつけられないとき、
まず親がすべきことは、まわりの人や物が安全だと話して安心させることです。
子どもが落ち着いたら、感情を認め、限度を設け、
必要なら子どもに選択肢とサポートを与えます。

例 ブランコに乗れなくて、かんしゃくを起し、本を破いたブリアンナの場合。

(安全確保)本を取り上げる
(感情を認め)「ブリアンナ、怒ってもいいんだよ」
(限度を設け)「でも、本を傷つけてはダメ」
(子どもに選択肢)「かわりに、絵を描くか、紙を破ってもいいよ」
(サポート)「近くに座って欲しい?」

子どもに感情を持つのは良いことであると教え、
感情と行動を区別する手助けをするのは大事です。
大人が冷静にしていると、子どもはすぐにではなくても、
そのうち落ち着くことができます。
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「愛着」の形成がうまくいかなくなってきた現代 4

2010-06-17 07:12:00 | 教育論 読者の方からのQ&A
「愛着」の形成がうまくいかないのは、
前回の話のように、子どもを放置しがちで世話を怠ったり、
愛情不足や関心の不足から起こるとばかり言えない気がしています。

それはそれは子どものことを気にかけ手をかけ、
しょっちゅう話しかけて、抱っこもしている……
祖父母も総出で可愛がっている……と、
自他共に認める方でも、
子どもとのコミュニケーションの様子を見るとかなり気がかりで、
それが1~3歳の子の行動の仕方や耳の聞こえ方などに影響を及ぼしているように
見える場合がよくあります。
発達障害はないのに、親に呼ばれても振り返りもせず
目は合うには合うけれど、親の表情を読むだけで自分から目で親に気持ちを伝えようとしない。

表情から親への信頼感や親に寄せる安心感が感じ取りにくく、ペットの動物のように動くことがよくある。(その間、親は言葉のシャワーのように声かけをしていることが多い)

抱っこのされ方がぎこちない(ハグ!ハグ!と親は思ってしているのだけど、ぬいぐるみを抱きしめているかっこうになって、子どもの抱いて欲しい気持ちが満たされていない)

気質の強い子にしっかり注意しない、気質の弱い子に強い態度で接するなど、
親のしつけが子どもに正しく届いていない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
愛着の形成がうまくいかないという問題は、
現代の日本の何とも言えない
幼児と親の危ういコミュニケーションのあり方の中で、
特別なことでなく、誰にも、どこの家庭でも起こることになりつつあるように
感じるのは私だけでしょうか?

ずいぶん前に、テレビで赤ちゃんたちをハイハイさせて競争させる番組を見たことがあります。
ハイハイしてママのところまで一番先に着いた子が勝ちというルールです。
途中で、音や光の出るおもちゃといった赤ちゃんにとって魅力的な障害物がたくさん置いてあるので、それに気持ちが惹かれてハイハイするのを忘れてしまった子はアウトです。
赤ちゃんは本能的な親を求める気持ちに駆り立てられて
一生懸命前に進むのですが、
さまざまな目を引くものや、気が散るものに囲まれているため、
だんだん何をしているのか忘れ、しまいに親を目で追うことすら
しなくなる子も多々いました。

その光景は、今も目に焼きついていて、思い出すたびに不安を掻き立てられます。

さまざまなおもちゃにかこまれるうち、お母さんを求める気持ちを見失ってく赤ちゃん。それと同時に、テレビの撮影現場という特殊な設定に舞い上がり、
この日の経験が赤ちゃんの心に残すかもしれない影に気遣うことも忘れ、
心を持った赤ちゃんをまるで機械仕掛けのおもちゃのように扱ってしまう大人たち。

環境によって本能的な親を求める強い気持ちといったものを失うパターンを学習するって……
現代の物に囲まれ、次々めまぐるしく変わる新しいCMからの刺激を受け続ける世界で
親たちもまた、
「赤ちゃんに惹きつけられる」といった本能的な心を見失わないのでしょうか?

これは特殊な光景ですが、
実際には市が行う子育て支援の場などが、
参加する親たちに非言語の状態で、
赤ちゃんと親との誤ったコミュニケーションのあり方を教え込んでしまうことも多いなと感じています。
ひとつは、私も少し関わっていたのですが、
一部屋の会議室に何十人という赤ちゃんと親を集めて
教育をしたり、遊ばせたりするものです。

その設定は、人が密集した騒がしすぎる場所で、
赤ちゃんの様子も見ないで過すことを「普通」と錯覚させる危険なものでした。

その赤ちゃんと親のための教育プログラムはとても人気があったため、
毎回、募集人数を応募人数が超えていました。
なので、当日、連絡なく遅刻した人は、やめさせられて、別の新しい人がメンバーになるきまりになっていました。
連絡なく遅刻するのは確かに問題がありますが、
初めて赤ちゃんを育てはじめた親にとって
出かけようとしても予期せぬアクシデントがつきものですし、
心がまだ不安定な時期でもありますから、
こうした外の世界のルールに合わせるよう赤ちゃんがらみのことで
強制されると、
赤ちゃんの様子がいつもとちがわないか、熱がないか、もっと寝たがっていないかといった赤ちゃんのサインを読み取ることより、
外の世界の進行に乗り遅れないことばかり気になってしまいますよね。

別の子育て支援施設の「子供向けの広場」も、
赤ちゃん連れもたくさんいるにも関わらず、
大人でも耳を塞ぎたがるような喧騒の中で、行われていました。
大人同士、声をかけても、相手の声が聞こえないのです。
そこに大勢の赤ちゃんが放置され、親同士はおしゃべりに花を咲かせているのです。

赤ちゃんを持つ親だけでなく、
主催する市の職員さんたちも、手伝うボランティアも、
赤ちゃんという生命あるものへの感性を失いつつあるのではないか?
そんなもやもやする思いを抱いた経験でした。
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「愛着」の形成がうまくいかなくなってきた現代 3

2010-06-16 20:30:17 | 教育論 読者の方からのQ&A
愛着障害というのは、
多くの子どもたちを少数の職員で世話しなくてはならない
児童福祉施設などでよく見られた問題です。
それがごく普通の家庭でもよく起こるようになってきたというのは
なぜなのでしょう?

私が幼い子を育てている親御さんたちと接していて感じるのは、
言葉を使わない子どもが発するサインに気づけない方が、
非常に多いということです。

前回の記事に次のようなコメントをいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コメントを取り上げていただいてありがとうございます。
やはり、どこにでも見られる光景なのですね。
先週も外食先で驚く光景がありました。
となりに自分と同じぐらいの夫婦と10ヵ月ぐらいの子供がいてたのですが、約30分の食事中、ベビーカーにずっと座ってひとり遊びしているのですが、親とのコミュニケーションが全くないんです。
気になってついつい観察してしまったのですが、夫婦は楽しそうに会話しながら食事をしていて、子どもが時々父親の服をひっぱったりしても気付かない様子。
約30分ぐらいの間に、父親が子どもの方を見たのはたった3回で(私が見ていたかぎりなんですが)1回は写真を撮り、2回目はバーと一度笑顔をみせたもののすぐ会話に戻り、3回目は『いこか』でした。母親は私たちに背を向けていたので、表情はわかりませんが、子どもが全く母親を見てなかったので母親もみてなかったんだと思います。
母親は二人目を妊娠されているようでした。
日本の子育てこれでいいのかな~と不安になりました。
ゆっくり外食ができてうらやましいかぎりではありますが。
うちでは、ほぼ交代で娘を見ながらの早食いが多いので、めったに外食はできなくなりました。それが普通だと思っていたので、目が釘つけになってしまいました。
子どもの発信をしっかり大人が受けてあげないと、子どもは発信をやめてします。言語以前の心のキャッチボールが全くできていないんだなぁ~と感じました。そしてそんな親ほど、うちの子は手がかからなくていい子と子育てに不安を感じていない方が多いように感じます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

こうした光景もまたけっしてめずらしいものではありません。
ベビーカーを押しながら移動するママ友たち、
ショッピングセンターで見かける親子、外食の場で出会う親子も、
「お世話時間以外は、自分の視界からも心からも遠く離れた場所に放置していてもかまわない電子ペット」のように
子どもを捉えているようにも見えます。
電子ペットですから
自分がアクションをかけて打ち込んだ情報には
きちんとした反応が欲しいのです。

でも、そうした大人側からの求め以外で、子どもを見ることすら忘れているような現代の子育ての状態があって、
かつては施設で育った子や虐待を受けた子にしかなかった愛着の障害が、
ごく普通の子ども好きの親のもとでも
起こるようになってきたのでしょうか?


赤ちゃんは、3ヵ月頃までにアイコンタクトが成立します。
欲求があると泣いて知らせ、
あやされると手足をバタバタさせたり、
笑い声をあげたりして、身体中で喜びを表現します。

大人が近づくと、目を見つめながら微笑みかけてきます。
「遊んで!」のサインです。
 大人は、その愛らしいサインについ抱きあげては、あやして遊ぶようになります。
すると赤ちゃんは、また全身で喜びを表現します。
赤ちゃんが喜ぶから、大人もついついもっとあやします。

するとさらに赤ちゃんがはしゃぎます。やめると、もっと遊んでとばかりに、
「あーあー!ブチュブチュ(あぶくを出すなど)」して注意をひき、
うまくいかないと、泣いてさらに注意を引きつけようとします。
そのように赤ちゃんの出すサインに大人が応える形で、愛着は形成されていきます。
 そして生後6~8ヵ月頃には、身近な特定の人(だいたいお母さん)を愛着の対象者として選び、その後、人見知りをはじめます。
見慣れない人に抱かれると泣き、お母さんが抱くと泣きやみます。
お母さんと遊んでいるとき、他の人が接近してくると、目をそらしたり、母親にしがみついて警戒したりします。
そんなときしっかり抱きしめてもらうことで、
赤ちゃんはお母さんのいつも自分を守ってくれるという思いを抱き、
「安心感のよりどころ」とするようになります。

そうして特定の人(主にお母さん)と信頼関係が結ばれると、不安を抱かず他の人を受け入れることができるようになるのです。

次回に続きます。
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漢字博士で遊びました

2010-06-16 17:34:48 | 国語
小1の3人さんと、漢字博士で遊びました。

『1600字の正しい書き方』という小学生用の漢字の本を見ても
良いから、2つ漢字を作るという簡単ルール。

漢字の本は見ずに、
佃 時 海 礼 加 休
などを作って喜んでいました。まだ習ってなくてもどこかで見たことがあるんでしょうね。
漢字探しで遊ぶうちに、
「きへん、にんべん」などの部首の名前に興味を抱くようになってました。
人気があった部首名は、
漢字の五の部首(二 に)と 判の部首(りっとう)でした。

楽しめる程度の課題で遊んで、興味が普段の生活に拡がるように工夫することを
大事にしています。

この後、最レベ問題集をしたのですが、すごい張り切りようで何ページもしていました。
今、大人は夏ばて気味ですが、子どもたちにとって
元気がみなぎる季節のようです。

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カレーの箱と算数の問題

2010-06-16 17:13:24 | 算数
前回の続きは次回に書きますね。

小学1年生の3人トリオさん。

家にあったジャワカレーの箱を見ながら、いろんな問題を出してみました。
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材料(9皿分)
ジャワカレー 1箱 207グラム
肉         500グラム
じゃがいも  中2個 300グラム
たまねぎ   中2個 400グラム
にんじん   中1本 200グラム
サラダ油   大さじ2
水         1300ミリリットル
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

カレー粉が2分の1パックだったら、じゃがいもは何個いるでしょう?
それは何グラムでしょう?

カレー粉が2分の1パックだったら、にんじんは何個いるでしょう?
それは何グラムでしょう?

18皿分のカレーを用意するのに、カレー粉は何箱いるでしょう?

3人とも、どれも即答でした。
こうした比を使った問題がとても得意なようです。

子どもたちには、ワークやプリントも解いてもらっていますが、
こうした日常の小物を題材にして問題を出すことも多いです。
子どもたちからとても喜ばれます。

うちの子供たちが小学生のころも、旅行先で退屈すると、
いろんな問題を出して、算数クイズごっこをしたのを思い出しました。

たとえば、駅で電車を待っているときに、
列車の発車時刻を最上公倍数で解く問題とか、
動物園の入園料の表から、家族分の入園にかかるお金を暗算するとか。
最初は子どもに作らせて、大人が答えるスタイルで遊んでいても、
いつの間にか子どもも算数が得意になっていますよ。

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夏の算数クラブ、科学クラブの途中経過

2010-06-16 14:43:11 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
今年も夏の算数クラブ、科学クラブに、
たくさんの方々にお申し込みいただきありがとうございます。
ただ今、算数クラブと科学クラブの日程調整の最中なのです。

予定よりかなりたくさんのお申し込みがあったため
どうしても人数を絞らないといけないのですが、
去年参加した子がずっと楽しみにしてくれていて、いまだに去年の科学工作で作ったものを大切にしてくれている話とかを読むと……
「削れない……」「選べない……」
いっこうに作業が進まない状態に陥っていました。

そこで一部は、お名前を紙に書き出して、
裏返した状態で選ばせていただくことになりました。
すいません~。
このままだと夏休みに間に合わないので……。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日、買い物ついでにブックオフに寄ったら、
100円コーナーですごい掘り出し物が……!


『混沌からの秩序』I.プリコジン/I.スタンジェール  みすず書房

ほとんど新品です。よく読む本の中でプリコジンの名前が何度も登場していたので、ぜひ読みたいと思っていたんですが、、
4000円という値段がネックとなって、なかなか手が出せなかったのです。
それが、新品同様のものが100円とは……!

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「愛着」の形成がうまくいかなくなってきた現代 2

2010-06-16 11:11:41 | 教育論 読者の方からのQ&A
前回の記事に次のようなコメントをいただきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ものすごく今気になっていたことです。
昨日、子育て支援センターに行ったら、
娘と同じ1歳半ぐらいの子を持つ4人の子と母親が来ました。でも、母親達は端でおしゃべりに夢中。
子どもを全くみてないのですが、
子どもも全く母親を必要としてなくて、
それぞれひとりで大人しく遊んでいるんです。それぞれの性格もあるし~とは、思っていてましたが、あまりにもかまうことがなく、かまったと思ったら、遊んでるおもちゃを停止させてカメラ撮影に必死。一人は6ヵ月ぐらいの二人目の赤ちゃんもいてましたが、母親から離れたベビーベッドに置かれ、2時間の間にいちど授乳をしただけで、ずっと置いておかれたままでした。視界にも入っていない感じでした。
1歳半ぐらいのこどもたちは、初めて会う私にも全く警戒なく、ボールで遊ぼうと誘ってきたり、べったり付いてくる感じ。人懐っこい感じはするけど、なんかとても違和感を感じました。

ママ達のおしゃべりも大事だけど、きっと家でもこんな感じなのかな~って思うと明らかにコミュニケーションが少なすぎるな~と思いました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コメントをいただいたような親子の光景は、
今、児童館でも、公園でも、ショッピングセンターの遊びの広場でも
保育所や幼稚園の園庭でも子育て支援の場でも当たり前に見られる姿です。

以前、児童館の館長さんに頼まれて
未就園児の多人数の子育てサークルの遊び方の指導をしたことがあります。

それぞれのお母さんが大人同士のおしゃべりに夢中で、
1時間半ほどのサークルの間、子どもは眼中にもない様子でした。
積極的な子たちは走り回って、他の子のおもちゃを奪い取ったり、
赤ちゃんをつきとばしたり、ただ走り回ったりしていて、
おとなしい子は、騒がしい空間で、何をするでもなく座ったまま宙を見つめるか、お母さんたちがしゃべる様子をぼんやり見つめていました。

私が、ぬいぐるみの犬にシャワーをかけてお風呂に入れる真似を始めると、
子どもたちはいきいきとした表情を浮かべて、
犬を風呂に入れたり、拭いてやったりして遊びだしました。
また、文字積み木で図書館やレンタルビデオ屋さんをはじめると、
喜んで借りにきては、
ビデオを見る真似をしたり、
本を選ぶ振りをしたりして楽しそうに遊びだしました。

すると、その様子を見た親たちが、
しぶい顔をして、子どもをにらみつけたり、
暗い表情で、子どもを呼んで、「あの子と遊んじゃだめって言ったでしょ」と耳打ちするのです。
親同士、仲が良いとか悪いとかがあるようなんですね。
仲の悪い親の子どもとは遊ばないようにしつけているようなのです。
それと、
子どもが楽しそうに遊ぶのなんて、まったく無意味で、
先生として参加してくれるのなら、
音楽とか英語とか教えてくれたらよいのに……と思っているのが伝わってくるのです。

案の定、集団でする体操の時間や鈴やタンバリンを鳴らす音楽の時間になると、
お母さんたちの視線はわが子に釘付けになって、
あんなに無関心だったことが嘘のように、今度は一挙一動のミスも、他の子より遅れている部分も見過ごせないわ~という
雰囲気になっていました。
携帯で写真撮る方も多かったです。

気になったのは、多くの子が、
お母さんとまなざしで会話する姿が見られず、
親を振り返りもせずに、
まるで動物のようにうろつくときと、
親の視線が自分の注がれる場面では、
他の子と比較しているのを察知して
顔をこわばらせたり、目をパチパチさせたり、親の目を恐怖に見開いた目で見つめ続けたり、
それかまなざしは感じているはずなのに全く無関心な様子でお遊戯中もイスにのぼったりする姿があったことです。

こうした親子の姿は、あまりめずらしいものではありません。
いろんな子育て支援の場に参加しましたが、どこに出かけても、
「子どもを他の子と比べる場面以外では全く無関心、子どもは視界の外」
という親の姿は、
多数派でしたから。

おそらく今の日本の子育ての定番の形なのかな?

とも感じています。

子どもの側もそれに適応していて、
親に無関心か、自分の要求をかなえる道具として認識しているように見えます。
ですから、子育て支援の場で30組以上の親子が集まると、
殺伐とした空気が流れているんですよ。


今、虹色教室で子どもや親に集まってもらう場合、
親も子もとても良い形で関わることができています。
このブログを読んでくださっている方は、子育てのスタイルでは
少数派なのかもしれませんね。
事前に、子どもへの接し方や子育てで何が大切なのかといったことを共有しておくことの
必要性を感じています。

次回に続きます。

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「愛着」の形成がうまくいかなくなってきた現代 1

2010-06-16 07:58:49 | 番外(自分 家族 幼少期のことなど)
「公園などで見かける多くの幼児が、
『愛着』の形成がうまくいっていないように見える」

「そうした子の親の関わり方を見ていると、
外からは可愛がっているように見えるし、ごく普通の親のように見えるけれど、
子どもとの心の交流や非言語でのやりとりが
かなりずれているようだ」

数年前から、幼い子を育てている最中の知人から、繰り返しそうした指摘を受けていたため、
私もその問題には細心の注意を払ってきました。

愛着とは、特定の人に対して「この人は自分の欲求や感情や意思を理解してくれる。この人といれば安心だ」という認識をもつこと。
特定の人に対して特別な情愛を抱くことです。
生後6~8ヵ月頃に、赤ちゃんの心に大人との関わりを通して形成されます。

愛着がきちんと形成されないと、次のふたつの態度が生まれます。

世話をしようとしている人に対して、警戒的で、「素直じゃない」という態度が多くなります。
甘えたいの甘えることができなくて、優しくしてもらっているのに、怒りだしたり泣いたりします。

一方、初めて会う人にもなれなれしく近づき、ベタベタし、
社交的に見えるものの、警戒心がほとんど見られず、
相手がどんな人か頓着しません。

3歳くらいまでは、子どもってこんなものかな~と思ってきたけれど、3歳を過ぎ、成長するにつれ、気になることが増えてきたという方で、
子どもの愛着形成がきちんとできていないな~と感じるケースと
よく出会います。

「こんな風にしたらうまくいく」と一言で伝えられる内容ではないのですが、
愛着の形成に集中的にしっかり努めてみると、
母親に1,2歳児のようにベタベタ甘える時期、、
親に八つ当たりしたり、ワガママをぶつける時期を経過したあとで、
状態が飛躍的に良くなる子が多いです。

愛着の形成に問題がある子は、
発達障害を持っている子もいるし、ごく普通の子もいます。
どちらであっても、
愛着がしっかり形成されていくと
問題のある行動は減ってきます。

2歳3歳の子というのは、愛着に問題がなく、
すくすく育っていても、
何でもかんでも「自分で!」と言い張ったり、「ダメ」「イヤ」と言わないと、
何もはじまらないのが普通です。
ですから、子どもが、よく泣いたりごねたりするからといって
過度に心配する必要はありません。

しかし、今、子育て環境の変化から、
専門家の間でも、
「普通の家庭」で育てられている子ども達の間に、愛着がきちんと形成されていない子がたくさん見られるようになり、
特に、
「人見知りがなく、誰にでもすぐになれなれしく甘えていく脱抑制型の愛着障害がよく見られる」という指摘がされているのも事実です。

私自身も、記事の最初に登場した知人も、子どもの姿を観察しながら、
非常に多くの幼児がこの問題を抱えていることを感じています。
愛着の形成の問題は、安易に見過ごすわけにはいかない、
先の多くの問題(学級崩壊、不登校、反社会的行為、無気力無関心)のねっこともなるものなんだろうな……と感じています。

具体的な対応、解決法は
また時間があるときに記事にしていきますね。

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勉強が楽しくてたまらなくなる 『夢中の法則』……?  2

2010-06-15 16:54:06 | 教育論 読者の方からのQ&A
外で駆け回るときも、虫を追いかけているときも、水遊びをしているときも、幼児って、「どれだけ?」ってほど夢中になれますよね。
教室のやどかりくんも、
「世界の珍獣」扱いで、子どもたちに愛されて不思議がられています。

この無我夢中になる状態が、脳内で記憶力を高める化学物質をこしらえているのであれば、
現代の変化する環境の中で、
子どもの自然な姿をいかに大事にしてあげるか、
それが発想力や思考力が高い子を育てるコツでもあるのでしょう。

幼児の世界に、お仕事の世界のルールを持ち込む方がいます。
たとえば、隙間時間がもったいないから、
ちょっとでもその時間に知的な刺激を与えようとか、
将来、学習習慣がつくように幼いうちから
学習習慣をつけようとか……。

そういったことも、子どもの自然な有り様……
つまり、「自分が誰か、どこにいるのか、何をしているのかといったことも忘れて、無我夢中になって
何かしている状態」
が十分保たれていて、

子どもがしっかり「退屈」を味わう中で、
自分の力でその「退屈」を創造的に克服できるような時間が十分あった上で、

程よく大人が子どもの生活にリズムをつけてあげるのならいいのです。

でも、大人が子どもによかれと思ってさせることの多くは、
子どもの脳を記憶の状態が良くない大人のそれに近づくよう
干渉することになりがちです。

また、子どもに前もって知識を与えることで、
学ぶことに飽きを生じさせてしまいがちなのです。

このように書くと、「虹色教室でも前もって知識を与えているのではないの?」
「いろいろ教えているんじゃないの?」
と疑問に感じるかもしれません。

虹色教室で幼児に教えているのは、
「遊びにも勉強にも夢中になる方法」
「どうやったらいつも目にしている物の中からも、不思議や面白いところに気づけるようになれるのか?」
「何度見ても、新しい何かを発見する方法」
「自分で楽しみを見出し作り出す方法」
「いつも新しい自分にとって少し難しい課題を見つける方法」
「もっと知識を膨らませたい、広げたいという思いを育てるにはどうすればいいのか?」
といったことなのです。
そのように自分の力で知的な好奇心を膨らませたり、
新しい学習課題を見つけたりできるようにしておくと、
たとえ習っていることが知っていることばかり……という状況でも
新しい疑問や興味を創造することができるはずですから。

写真は、前回の積み上げていたブロックが天井に届く瞬間です。

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